日本スペースイメージング、見えない「熱」を捉える高精細衛星「HotSat-2」画像データの販売を開始
日本スペースイメージング株式会社は、英国のSatVu社が2026年3月30日に打ち上げた地球観測衛星「HotSat-2」から取得される中間赤外画像データと、それに関連するサービスの販売を2026年7月より開始しました。
高精細な熱画像で「見えない情報」を把握
これまでの地球観測衛星が取得する熱画像は、空間分解能が数十メートルから100メートル程度でした。しかし、SatVu社が開発した中間赤外センサーは、分解能3.5mという高精細な熱画像情報を提供します。これにより、建物のひとつひとつや設備ごとの細かい熱の状況まで、詳しく把握できるようになります。
この高精細な熱画像情報は、大切な施設やインフラの状況を把握したり、工場などの産業活動を監視したり、設備の管理をより高度にしたりするなど、幅広い分野での活用が期待されています。
HotSat-2の撮影事例
オーストラリア シェブロン ゴーゴンLNGプラント

西オーストラリア州バロー島にあるゴーゴンLNGプラントを、2026年4月26日深夜に撮影した事例です。画像を見ると、4つあるフレア設備のうち2つから熱が放出されていることが分かります。これにより、プラント全体の約50%が稼働している状況だと読み取ることができます。
バロー島のように人が簡単には立ち入れない場所でも、中間赤外センサーによる高精細な熱画像データを使えば、現地に行かなくても、夜間を含めた産業活動の状況を把握することが可能になります。
インド グジャラート州 リライアンス・ジャムナガル製油所
世界最大の石油精製施設であるリライアンス・ジャムナガル製油所を、2026年5月9日午後に撮影した事例です。複数のフレア設備が稼働している様子に加え、6基あるガスタービン発電機のうち3基から排気ガスの痕跡が確認できます。このことから、製油所がフル稼働していない状況だと推察できます。
HotSat-2衛星画像の特長
HotSat-2衛星画像には、主に3つの特長があります。
(1) 3.5m分解能による高精細な熱放射観測能力
直下を撮影した場合、1ピクセルが3.5mに相当する中間赤外センサーの熱画像情報により、建物や設備ごとの熱分布を詳細に把握できます。これまでの低解像度の画像では平均化されてしまっていた熱の情報も、より細かく分かるようになります。
(2) 太陽光に依存しない地表面情報の取得能力
中間赤外センサーは、地表面から放出される熱エネルギーを観測します。そのため、太陽光の反射を利用する可視光や近赤外とは異なり、昼夜を問わず熱の強さを把握できるのが大きなメリットです。
(3) 高再訪性による継続的なモニタリング能力
SatVu社は今後、HotSat-3衛星を含む合計9機の衛星コンステレーション(複数の衛星が連携して働くシステム)を構築する計画です。これにより、同じ地点を昼夜合わせて1日に10~20回観測できるようになり、時間ごとの状況変化をより頻繁に把握できるようになります。
今後の展望
日本スペースイメージングの代表取締役社長である菊池雅浩氏は、HotSat-2衛星の運用開始により中間赤外画像データの安定的な提供が可能になったことを歓迎し、熱放射情報の活用がさまざまな分野での情報分析や状況把握をさらに進展させると期待を述べています。また、SatVu社のCEOであるAnthony Baker氏も、HotSat-2が熱放射情報を活用した分析を広げる上で重要な一歩となるとコメントし、日本スペースイメージングとの提携の発展に期待を寄せています。
高精細な熱画像データは、意思決定のためにタイムリーで確実な情報を必要とする組織にとって、非常に重要な情報源となるでしょう。
会社概要
商号:日本スペースイメージング株式会社
代表者:代表取締役社長 菊池 雅浩
所在地:〒104-0031 東京都中央区京橋2-2-1 京橋エドグラン20階
設立:1998年5月
事業内容:地球観測衛星画像データ・地球観測衛星関連サービス販売
資本金:4.9億円


