建設・工事業の中小企業で「現場DX」導入が急増、1年で3倍の伸び

建設・工事業界の中小・零細企業(従業員1〜100名)において、工事管理、見積管理、原価管理といった「現場DX」関連システムの導入依頼が、この1年で約3倍に急増しました。

オンライン比較サービス「ミツモア」の調査によると、2025年5月から2026年4月までの1年間で、現場DX関連サービスの依頼数は前年比199%増の1,461件に達しました。特に原価管理システムは300%増(4倍増)と、最も高い成長率を記録しています。

建設・工事業の現場DX依頼、1年で約3倍に

現場DXはバックオフィス系SaaSの約2.7倍速で成長

現場DX関連サービスの依頼数増加は、バックオフィス系SaaS(受発注管理、販売管理、経理会計など)の成長率と比較しても顕著です。建設・工事業の中小・零細企業からのバックオフィス系SaaSの依頼数は11.8%増にとどまっており、現場DXはバックオフィス系の約2.7倍速で成長していることが分かりました。

現場DXはバックオフィス系SaaSの約2.7倍速で成長

現場DXの3サービスすべてが2倍以上の伸びを示しており、特に原価管理の伸び率が最も高く、利益率向上への強い関心がうかがえます。

現場DX 3サービスすべて 2倍超、原価管理は4倍増

中小・零細企業が成長を牽引、ひとり親方層が主役に

企業規模別では、中小・零細企業(1〜100名)のDX関連依頼数の伸び率が、中堅〜大企業(101名以上)の約1.9倍速となっています。特に従業員1〜10名の零細企業が中小・零細建設・工事業全体の55.4%を占めており、DX投資の主役となっています。これは、「ひとり親方」や「町場の工務店」といった小規模事業者が、現場DX投資の中心的な担い手になっていることを示しています。

中小・零細は中堅・大企業の約1.9倍速で成長、1~10名が主役

首都圏から地方へ、全国的な投資拡大

DX投資の動きは首都圏が牽引していますが、地方都市にも波及しています。東京都は275%増、千葉県は525%増、埼玉県は205%増と高い伸びを示し、同時に大阪府247%増、宮城県500%増、岐阜県257%増と地方でも大幅な増加が見られます。これは、現場DXが特定の地域だけでなく、全国的な動きになっていることを表しています。

全国に広がる建設現場DX、首都圏と地方が同時伸長

現場DXが急成長する3つの背景

現場DXの需要が加速している背景には、以下の3つの構造的な変化が考えられます。

1. 深刻な人手不足と賃上げ圧力

建設業の有効求人倍率は5.41倍(2026年3月、厚生労働省「一般職業紹介状況」)と、全産業平均の約4.6倍に達しています。若手人材の獲得競争が激しくなる中で、賃上げの原資を確保するために、一人ひとりの生産性を高めることが経営の大きな課題となっています。

2. 利益率を左右する現場の課題

2024年4月の時間外労働上限規制以降、原価管理、工事管理、見積管理の3つが、企業の利益率に直接影響を与える重要な経営課題として注目されています。現場DX関連サービスへの集中投資は、このような経営圧力を反映していると言えます。

3. 「ブルーカラービリオネア」の予兆

アメリカでは、建設業や配管工、電気技師といった現場で働く人々の賃金が高まり、「ブルーカラービリオネア」と呼ばれる高所得職として注目されています。日本でも、ひとり親方や町場の専門工事業者といった小規模事業者が収益を増やす機会が報じられ始めています。

中小・零細企業の現場DX投資が中堅〜大企業の約1.9倍速で伸び、特にひとり親方層が中心となっていることは、この「ブルーカラービリオネア」の兆しが、大企業ではなく小規模事業者層で起こり始めている予兆と言えるでしょう。

参考:日本におけるブルーカラービリオネアは ミツモアがつくる|ミツモア

小規模事業者が稼ぐ時代へ 現場DX需要が加速

今後の展望

建設・工事業の中小・零細企業による現場DX投資の急増は、利益率に直結する原価管理から始まり、工事管理、見積管理へと広がる構造を示しています。賃上げ圧力の中で利益率向上を求める現場の経営感覚と、原価管理システムの伸びが強く結びついており、今後も現場のデジタル化への投資意欲は高まると考えられます。

「ミツモア」では、人手不足や賃上げに直面する建設・工事業の中小・零細事業者の現場DXを引き続き支援していく方針です。

オンライン比較サービス「ミツモア」について

オンライン比較サービス「ミツモア」について

「ミツモア」は、最適なビジネス製品・サービスを簡単に比較・選定できるオンライン比較サービスです。業種や求める機能を画面で選ぶだけで、最短1分で最大5つの最適な製品・サービスを自動で絞り込み、機能や料金を比較表で確認できます。会計ソフト、業務管理ツール、IT導入支援など、300を超えるサービスと3,500以上の製品、2,700以上の事業者を比較検討できます。

「ミツモア」サービスサイト:https://meetsmore.com/product-services

関連する主なビジネスサービス:

現場業界特化の業務改善ソフトウェア「プロワン」について

現場業界特化の業務改善ソフトウェア「プロワン」について

「プロワン」は、短期工事、設備工事、リフォーム工事、保守メンテナンスなど、現場事業者の業務に特化したオールインワンの業務支援ソフトウェアです。顧客管理、営業支援、見積作成、日報、工事書類、収支管理、差配、レポートなど、現場からバックオフィスまでの業務を一元化し、生産性向上と売上向上をサポートします。

「プロワン」サービスサイト:https://pro-one-cloud.com/

株式会社ミツモアについて

株式会社ミツモアについて

株式会社ミツモアは、「日本のGDPを増やし 明日がもっといい日になる と思える社会に」という目標を掲げ、生活インフラ産業の生産性向上を目指す企業です。全国10万以上の事業者ネットワークを基盤に、生活インフラ産業の構造的な変化と持続的な発展を実現しています。

2017年2月の創業以来、オンラインで見積もり比較から受発注まで完結するサービス「ミツモア」や、現場業界特化のSaaSサービス「プロワン」、法人の調達・発注業務を支援する「ハッチュー」などを開発・提供しています。

ミツモア会社概要:https://meetsmore.com/company

集計概要

  • 集計名: 建設・工事業における現場DX関連サービス依頼数の推移分析

  • 集計対象: ミツモアの法人向けSaaS製品マッチングプラットフォームにおける、業種「建設・工事」を選択した中小・零細事業者(従業員1-100名)からの真正依頼(建築・土木に加え、配管工事・電気工事・内装工事などの専門工事業者を含む)

  • 集計対象サービス: 工事管理システム・原価管理システム・見積管理システム(現場DX 3サービス)、および比較対象としてバックオフィス系SaaS(受発注管理・販売管理・在庫管理・RPAツール・経理会計・人事労務)

  • 集計期間: 前年(2024年5月〜2025年4月)vs 今年(2025年5月〜2026年4月)

  • 集計方法: 自社プラットフォームの依頼ログ集計

  • 出典: 株式会社ミツモア

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