産学官4者共同開発「PC-Unit桟橋工法®」がPC工学会『技術開発賞』を受賞
港湾インフラの建設現場では、人手不足や施工品質の確保、そして環境への配慮が大きな課題となっています。こうした中で、株式会社日本ピーエス、五洋建設株式会社、国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所、国立大学法人 東京科学大学の4者が協力して開発した「PC圧着接合によるプレキャスト桟橋工法(PC-Unit桟橋工法®)」が、公益社団法人プレストレストコンクリート工学会(PC工学会)の令和7年度『技術開発賞』を受賞しました。
本工法は、大型のクレーン船や広い作業場所がなくても工事を進められるため、作業の効率が上がり、環境への負担も減らせる点が特に高く評価されました。

受賞の概要
| 賞 名 | プレストレストコンクリート工学会賞 技術開発賞(令和7年度) |
|---|---|
| 受 賞 技 術 | PC圧着接合によるプレキャスト桟橋工法の開発(PC-Unit桟橋工法®) |
| 特 許 | 特許第7178050号「杭支持構造及びその構築方法」 |
| 共同開発者 | 株式会社日本ピーエス/五洋建設株式会社/国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所/国立大学法人 東京科学大学 |
| 表彰式日時 | 2026年(令和8年)5月22日(金)15:30~17:30 |
| 表 彰 式 場 | アルカディア市ヶ谷(PC工学会 通常総会と同時開催) |
| 適 用 実 績 | 田原バイオマス桟橋(愛知県田原市) |
開発の背景
日本の建設業界は、働き手の減少による人手不足と、2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の達成に向けた建設時のCO₂排出量削減という、二つの大きな問題に直面しています。特に港湾の施設は、長く使うことができ、高い丈夫さが求められますが、海の上や狭い場所での工事が多く、これまでの方法だけでは限界がありました。
「PC-Unit桟橋工法®」は、このような業界の課題に対し、PC(プレストレストコンクリート)という技術を使って具体的な解決策を示すものです。この工法は、企業、大学、研究機関の4者が協力し、実用化から社会で実際に使われることまでを見越して開発されました。
技術の3つの特長
1. 施工性:大型起重機船・大規模ヤードが不要
桟橋の上部を作るコンクリートの主な部品を、工場で作られるPCa部材として小さく、軽くしました。現場では、この部品をプレストレスという力を加えてしっかりとつなぎ合わせます。これにより、これまでの工法で必要だった大きなクレーン船や広い作業場所がいらなくなり、狭い場所やクレーン船の手配が難しい場所でも工事ができるようになりました。
2. 環境性:工期短縮・省人化・CO₂排出量削減を同時に実現
上部の構造が軽くなったことで、使う杭の数を減らせます。これにより、工事にかかる費用と、長期的に見てかかる費用を両方抑えることができます。同時に、現場での作業が簡単になり、工事期間が短くなることで作業の効率が上がり、建設時に出るCO₂の量も減らせます。これは、建設業が抱える「人手不足」と「環境への負担を減らす」という二つの大きな課題に対する、実用的な解決策となります。
3. 品質性:工場製作PCa部材による均一・高品質
主な部品を工場で作ることで、天気や現場の状況に左右されずに、いつも同じで高い品質を保つことができます。圧着接合は、現場でコンクリートを流し込む必要がなく、プレストレスという力だけで部品同士を一体化させる技術です。これにより、長い期間にわたって安定した丈夫さを発揮します。
適用実績
この技術は、愛知県田原市にある「田原バイオマス桟橋」で実際に使われ、その効果が証明されています。この桟橋は、再生可能エネルギー関連の施設を支える港湾施設として稼働しており、地球温暖化対策に貢献する意味でも、この工法の重要性は大きいと言えます。

受賞の意義
建設業界では、人手不足の解消やカーボンニュートラル実現への対応が求められています。「PC-Unit桟橋工法®」は、これらの課題に対する具体的な解決策として、企業、大学、研究機関が協力して開発した技術の成果が認められました。
今回の受賞は、この技術が実際に役立つものであると認められたことを示すものです。株式会社日本ピーエスは、この技術を今後の港湾インフラ整備の新しい選択肢として提供し、作業の効率アップと環境への負担軽減の両方に貢献していくとのことです。
PC-Unit桟橋工法®に関する詳しい情報は、以下のリンクをご覧ください。
https://nipponps.co.jp/technology/pcunit/
株式会社日本ピーエス 会社概要
1952年に福井県で創業した株式会社日本ピーエスは、PC(プレストレスト・コンクリート)橋梁の設計・施工を専門とする建設会社です。日本で初めてのポストテンション橋「十郷橋」をはじめ、全国で16,000橋を超える実績を持っています。「心もつなぐ、インフラを。」をスローガンに掲げ、橋の新設から維持管理、修理・補強まで一貫したサービスを提供しています。社会インフラの課題を解決することで、関わるすべての人々の幸せを育む企業を目指しています。
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社名: 株式会社日本ピーエス
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所在地: 914-0027 福井県敦賀市若泉町3番地
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設立: 1952年(昭和27年)4月1日
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代表氏名: 有馬 浩史
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事業内容: プレストレストコンクリート製品の設計・施工・製造・販売
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会社ウェブサイト: https://nipponps.co.jp/
用語解説
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プレストレストコンクリート(PC): コンクリートにあらかじめ圧縮する力を与えることで、引っ張る力に弱いという欠点を補い、丈夫さと強度を高めた建設技術です。橋や大きな建物によく使われ、長い橋や薄い部材を作ることを可能にします。
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圧着接合: プレストレスという力を加えて、部材同士を圧縮力でしっかりとつなぎ合わせる技術です。現場でコンクリートを流し込んで鉄筋をつなぐ必要がなく、高い構造性能を発揮します。
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PCa(プレキャスト)工法: 工場や現場の近くの作業場で、あらかじめコンクリートの部品を作り、それを現場で組み立てる工法です。品質が一定に保たれる、工事期間が短くなる、天候の影響を受けにくいなどのメリットがあります。
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サイトPCa工法: 建設現場またはその近くにPCa部材を作る場所を設け、作った部品をそのまま現場で使う工法です。運ぶ費用を抑えられますが、大きなクレーンや広い作業場所が必要となります。


