CUBE-LIO、ロボティクス分野の世界最高峰国際会議ICRA2026に採択

CUBE-LIOがロボティクス分野の世界最高峰国際会議ICRA2026に採択

パナソニック アドバンストテクノロジー株式会社は、LiDAR-IMU融合自己位置推定技術「CUBE-LIO」に関する研究成果が、ロボティクス分野の世界最高峰国際会議であるIEEE International Conference on Robotics and Automation(ICRA)2026に採択されたことを発表しました。

この研究成果は、2026年6月1日から5日にかけてオーストリア・ウィーンで開催されるICRA2026にて発表される予定です。

ICRAは、世界中の大学や研究機関、企業から最先端の研究が集まる、ロボティクス分野でトップレベルの学術会議です。採択されるには、技術的な独創性と実用性の両面で厳しい審査を通過する必要があります。

CUBE-LIO: LiDARの反射強度を活用した キューブマップベースのLiDAR慣性オドメトリ

研究の背景:LiDAR SLAMの弱点

LiDARを使ったSLAM(自己位置推定と地図作成)は、自動で動くロボットやドローンにとってとても大切な技術です。しかし、これまでの方法では、次のような「幾何的に情報が少ない環境」で、位置を推定する際に誤差がたまりやすいという課題がありました。

  • トンネルや滑走路のように「平面ばかり」の場所

  • 壁が少なく、周りの情報が少ない屋外

  • 大きな平面を真正面から見続ける状況

現在広く使われている最先端の技術であるFAST-LIO2は、高速で高精度ですが、構造的な特徴が少ない環境では位置がずれてしまうことがあります。カメラと組み合わせる方法もありますが、機器が複雑になったり、調整が難しかったり、明るさに左右されたりする問題がありました。

CUBE-LIOの核心技術

CUBE-LIOの研究では、LiDARがもともと持っている「強度(Intensity)」という、光の反射の強さの情報に注目しました。この研究では、以下の3つの技術的な工夫が紹介されています。

1. キューブマップ投影

これまでの方法の多くは「正距円筒投影」という方法を使っていましたが、これは端の方で画像が大きく歪む問題がありました。CUBE-LIOでは、3Dの点の集まりを6面のキューブ画像に映し出す方法を採用しました。

  • 画像の端の歪みを大きく減らすことができます。

  • 計算の量を減らせます(約38〜43%高速化)。

  • ソリッドステートLiDARという新しいタイプのLiDARにも対応しています。

特に、ドローンのように下を向いて観測したり、広い範囲を観測したりする場合にこの方法がとても役立ちます。

2. IGM(Intensity Gradient Magnitude)最適化

CUBE-LIOは、生の光の反射の強さの値ではなく、「強度の勾配(変化の量)」を直接計算して最適な値を見つける方法を提案しています。これにより、距離の変化や光の当たる角度の変化、センサーのノイズといった影響を受けにくく、安定した画像情報による制約を作ることができます。この技術によって、単純な強度最適化よりも明らかに高い精度が得られることが示されています。

3. 幾何+フォトメトリックの同時最適化

これまでの形状を元にしたLIOの技術に加えて、光の反射強度の変化に関する制約をしっかりと組み合わせることで、より高い精度を実現しました。その結果、既存の最先端技術を超える性能を達成しています。

  • ENWIDEデータセットでは10個のデータのうち9個で他の技術を上回る結果を出しました。

  • MARS-LVIGのデータセットの中でも、情報が少ない難しい環境で最も良い精度を出しました。

  • 特徴の少ない環境でも、位置のずれが大幅に減りました。

特に、長く続く平らな壁の場所や、特徴が少ない環境、トンネルのような場所での安定性が、CUBE-LIOの大きな強みです。

この論文の説明動画はこちらでご覧いただけます。CUBE-LIOの性能比較や特徴を動画で確認できます。

製品への搭載と今後の展望

この研究成果は、パナソニック アドバンストテクノロジー株式会社の以下の製品に搭載されていく予定です。

  • 自律移動パッケージソフトウェア「@mobi」

  • かんたん3D空間スキャナ「@mapper」

これにより、以下のようなことが実現します。

  • 工場や倉庫のような単調な環境での自動搬送ロボット(AMR)の位置の精度が向上します。

  • トンネルのような特徴の少ない場所でも、空間を正確に把握できるようになります。

  • ドローンを使った測量で、情報が少ない難しい環境でも高い性能を発揮できるようになります。

同社は今後も、ロボティクスと空間認識の技術開発を進め、社会の課題解決に貢献していくとしています。学術的な成果と実用的な技術の両方を追求し、産業分野への展開を加速していく考えです。

パナソニック アドバンストテクノロジーについて

パナソニック アドバンストテクノロジー株式会社は、パナソニック ホールディングス株式会社の関連会社として、ソフトウェアやシステム開発を中心に、社会インフラやモビリティ分野で先進的な技術を提供しています。

自動車の安全に関わる車載ECUの開発や、建設機械の自動運転システム、物流現場を支えるモノ搬送ロボットの開発など、モビリティ分野で高度なソフトウェア技術を使い、社会の自動化を進めています。

また、自社製品として、自律移動ロボット向けソフトウェアパッケージ「@mobi」や、かんたん3D空間スキャナ「@mapper」 (詳細はこちら)、安全規格に対応した無線非常停止デバイス「@seguro wes」など、現場で役立つソリューションを展開しています。

さらに、モビリティ技術だけでなく、IoT、住宅、医療、セキュリティといった分野にも取り組み、安心と安全を核とした未来の社会基盤の創造を目指しています。

パナソニック アドバンストテクノロジー株式会社のウェブサイト

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