建設業向けAI業務OS「BuildOS」の事前登録が開始、請求書照合や入出庫管理をAIで自動化

株式会社Leachは、建設業のリース会社やレンタル会社に向けたAI業務OS「BuildOS(ビルドオーエス)」の事前登録受付を開始しました。

このシステムは、請求書の照合や入出庫、在庫管理といった事務所での作業をAIで自動化し、大幅な効率アップを目指します。たとえば、月に3日かかっていた請求書のチェック作業を数時間に短縮したり、月に1万件に及ぶ返却品の検収作業を大幅に減らしたりすることが目標とされています。

「BuildOS」は月額制のクラウドサービスとして提供される予定で、初期費用はかかりません。従業員20名から200名規模の中小企業でも導入しやすい価格設定が進められています。

BuildOSの全体像を示す画像

建設業の事務作業がデジタル化しにくい理由

国土交通省が推進する「i-Construction」によって、建設現場でのICT(情報通信技術)の活用は進んでいます。しかし、請求書のチェックや入出庫の記録、棚卸といった事務作業は、いまだに紙や電話、Excelに頼っているのが現状です。

建設業の事務作業が他の業界のようにシステム化しにくいのは、業界特有の商習慣があるためです。主な理由は以下の5点です。

建設リース業界の5つの課題

  1. 「一式発注」で個品の数がわからない: 「仮設資材一式」のような大まかな発注が一般的ですが、返却時には1本ずつ数える必要があり、数量の確認に手間がかかります。
  2. 「何回使ったか」で管理する独自ルール: リース資材は、単なる在庫数だけでなく、「あと何回使えるか」という耐用回数や修繕履歴も管理する必要があり、一般的な在庫管理ソフトでは対応が難しいです。
  3. リース特有の「貸して・戻って・直して・また貸す」の流れ: 資材が「出庫 → 現場で使用 → 返却 → 検品 → 修繕 → 再出庫」と循環するため、複数の伝票を照合して資材の所在地を把握するのに時間がかかります。
  4. 人手不足と高齢化で「わかる人」が減っている: ベテラン社員の知識に頼る部分が多く、退職や世代交代でその知識が失われるリスクがあります。
  5. 拠点がバラバラで本社から中が見えない: 全国に点在する資材置き場(デポ)の在庫状況がリアルタイムで把握できず、電話での確認作業が多く発生します。

開発の背景

「BuildOS」の開発は、生成AI顧問として支援していた株式会社リキマン(建設用挟締金具メーカー)での経験がもとになっています。リキマンでは、荷札作成や検収書作成、入出庫管理といった事務作業に多くの時間と人手が費やされていました。

リキマンでの顧問支援から生まれたBuildOS

Leach社の支援により、荷札作成の工数を約9割削減し、検収書作成の自動化、入出庫記録のデジタル化といった成果が出ました。しかし、「個別の作業をAIに置き換えるだけでは、会社全体の仕事の流れ自体は変わらない」という課題も見えてきました。

この経験から、リース会社が本当に必要としているシステムを形にするため、「BuildOS」の開発が進められました。

また、同社が提供する既存サービス「突合.com」は、2つのPDFをアップロードするだけで請求書と納品書などの突き合わせを自動化するシステムです。この技術を建設リース業の商習慣に合わせて調整したものが、「BuildOS」の請求書チェック機能の中核となっています。

BuildOSの主な機能

BuildOSの主な機能

「BuildOS」には、建設業の事務作業を効率化するための以下の機能が搭載されています。

  1. 請求書の自動チェック(突き合わせ): 届いた請求書をAIが自動でチェックし、単価や日数の違い、計上漏れなどを洗い出します。建設リース業特有の「一式」と個品ごとの伝票を照合する機能も備わっています。
  2. 注文書の自動読み取りと出庫指示: FAXやメールで届く注文書をAIが読み取り、商品コードの照合から出庫指示書の作成までを自動で行います。「現場名」や「工期」などの建設現場特有の項目にも対応します。
  3. 入庫・検収のデジタル化: 返却品の検収作業をタブレットで記録できます。写真撮影や品目・数量・状態の入力だけで、検品データがリアルタイムでクラウドに保存されます。
  4. 在庫のリアルタイム見える化: 全拠点の在庫状況を一つの画面で確認できます。資材の保有数、貸出中、返却済、スクラップ対象といった状態がその場で更新され、使用回数も追跡できるため、耐用回数に達した資材には自動で「スクラップ候補」の印がつきます。
  5. 伝票・帳票の自動作成: 入庫伝票、出庫伝票、請求書、検収書を自動で作成します。取引先ごとのフォーマットに合わせて出力する機能も備わっています。

これらの機能はすべて同じシステム内で連携しており、スマートフォン、タブレット、パソコンのどれからでも利用できます。これにより、本社、拠点、現場の三者が同じ情報をリアルタイムで共有し、確認作業にかかる時間を削減できます。

こんな会社に使っていただきたい

「BuildOS」は、特に以下のような企業におすすめです。

BuildOSがおすすめの会社

  • 建設用仮設資材(足場、型枠、支保工、金具類など)のリース会社

  • 建設機械のレンタル会社

  • 建材の卸売業者

  • ゼネコン・サブコンの資材管理部門

  • 従業員20名から200名規模で、Excel管理に限界を感じている会社

導入効果の試算

月商5億円規模のリース会社を想定した場合、BuildOSの導入により、以下のような工数削減が見込まれます。

BuildOS導入効果の試算

  • 請求書の突き合わせ: 月3日(2名)から数時間(1名)に短縮(約80%削減)

  • 入庫検品の記録: 月5日(3名)から月2日(2名)に短縮(約60%削減)

  • 伝票・帳票作成: 月2日(1名)から自動生成に(約90%削減)

  • 在庫の照会: 随時(電話)から画面でその場での確認に(電話ゼロ)

これにより、月あたり約70〜80時間の工数削減が期待されます。

事前登録について

「BuildOS」は現在開発が進められています。事前登録をすると、正式リリース時の優先案内やデモの提供、さらには実際の請求書や入出庫データを使った導入シミュレーションを無料で受けられます。

BuildOS事前登録受付中

事前登録・お問い合わせは以下のリンクから行えます。

建設業の「事務作業DX」とBuildOSの位置づけ

日本の建設投資額は年間約60兆円規模で、そのうち建設用資材のリース・レンタル市場は数兆円規模にのぼります。この市場の多くを中小企業が担っており、資材管理や請求管理といった事務作業のIT化は後回しにされがちでした。

建設業の「事務作業DX」とBuildOSの位置づけ

国土交通省は2023年に建設業法を改正し、2024年4月からは建設業にも時間外労働の上限規制が適用される「2024年問題」が始まっています。これにより、現場だけでなく事務部門を含めた会社全体の生産性向上が重要な経営課題となっています。

「BuildOS」は、現場のICT化が進む中で、事務作業のデジタル変革(DX)に特化したサービスです。建設用資材のリース・レンタルという具体的な業務の流れに合わせて設計されており、一般的なソフトでは解決しにくかった「一式発注」や「使用回数管理」といった業界特有の課題に対応します。

代表コメント

株式会社Leachの代表取締役である冨永 拓也氏は、以下のように述べています。

「生成AIの進化により、細かくて手間のかかる事務作業は確実に変わります。『BuildOS』は、建設業のリース会社で働く人々が、そうした作業から解放され、本来時間をかけるべき判断や顧客とのやり取りに集中できる環境を整えるために開発しています。紙とExcelに埋もれた建設業の事務所を、AIとクラウドの力で効率化していきたいと考えています。」

今後の展開

「BuildOS」の正式リリースは2026年内が予定されています。それまで、事前登録した企業とともにプロトタイプを改善するプロジェクト(PoC:実証実験)を進めていく方針です。

  • 「請求書の突き合わせ」や「入出庫管理」といった主要機能を実際の業務データでさらに磨き上げる

  • 帳票テンプレートを充実させ、各取引先のフォーマットへの対応を拡大する

  • 建設機械のレンタルや建材の卸売など、関連する業種へのサービス拡張

  • 他の業界向け業務支援サービス(FactoryOS、FestOSなど)との連携

日本建設業が抱える「2024年問題」や「高齢化」「人手不足」といった課題に対し、技術の面から貢献することを目指しています。

Leachが提供する関連サービス

株式会社Leachは、「BuildOS」の他にも様々な生成AIサービスを提供しています。

Leachが提供する関連サービス

  • 生成AI顧問: Slackで気軽に相談できる、中小企業向けのAI顧問サービス(月額5万円〜)

  • 突合.com: 2つのPDFをアップロードするだけで、請求書と納品書などの照合をAIが自動で行うサービス

  • Saturn: COREC(受発注サービス)の受注データを、freeeの請求書に自動で転記するAIサービス

  • 業界特化型シリーズ: 製造業向けのFactoryOS、イベント運営向けのFestOS、転職エージェント向けのRecruitOS、運送会社向けのLogiOS、産廃業者向けのWasteOSなど

会社概要

会社名 株式会社Leach(Leach, Inc.)
所在地 〒108-0014 東京都港区芝5-36-4 札の辻スクエア 9F
代表者 代表取締役 冨永 拓也
設立 2024年11月13日
事業内容 生成AI顧問サービス、業界特化型の業務支援AI開発、ソフトウェア受託開発
URL https://leach.co.jp/
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