ウクライナのドローン運用知見を日本の防災・物流・社会インフラへ 「日本・ウクライナ ドローンクラスター」始動
ウクライナのドローン運用知見を日本の防災・物流・社会インフラへ 「日本・ウクライナ ドローンクラスター」始動
在日ウクライナ商工会議所(UCCJ)は、ウクライナのドローン運用で培われた実践的な知見を、日本の防災、物流、社会インフラ分野へ活用するための国際的な技術連携プラットフォーム「日本・ウクライナ ドローンクラスター(JUDC)」を始動します。これに伴い、2026年7月6日には日本外国特派員協会(FCCJ)で記者会見が開催されます。

JUDCとは
JUDCは、UCCJが中心となり、Ukrainian Dual-Use Technologies Cluster(UADUT Cluster)やKharkiv IT Clusterの協力を得て進められる取り組みです。このプラットフォームの目的は、ウクライナのテック企業や無人機関連企業が厳しい現場で得た経験と、日本、台湾、ASEAN諸国の企業、研究機関、大学などが持つ製造力や技術を組み合わせることにあります。
ウクライナの企業は、GPSが使いにくい場所、通信が不安定な地域、インフラが壊れた場所など、通常では経験できないような状況でドローンを運用してきました。これにより、製品の改善や新しい技術の開発が進められています。JUDCは、これらの貴重な知見を、日本の空飛ぶクルマ、ドローン物流、災害対応、インフラ点検、通信インフラの強化、海上・沿岸監視、水中インフラ点検、次世代モビリティといった分野に生かすことを目指します。
この連携は日本国内にとどまらず、台湾やASEAN諸国の企業とも協力し、ウクライナの無人機関連企業や技術者、IT・テック産業ネットワークとのつながりを深めることを支援します。ドローン本体だけでなく、通信機器、サイバーセキュリティ、センサー、カメラ、制御ソフトウェア、バッテリー、モーター、精密部品、品質管理、検査、試験評価など、ドローン技術を支える幅広い分野での連携が期待されています。
JUDC始動の背景
日本では、空飛ぶクルマやドローン物流、災害対応など、ドローンを活用した新しい社会インフラの実現に向けた取り組みが進んでいます。しかし、実際の運用には多くの課題があります。例えば、山間部や災害現場では通信環境が不安定になりがちで、都市部では電波の状況が複雑で高い安全管理が求められます。また、海上や被災地などでは、通常のテストでは想定しきれない運用条件が発生します。
ウクライナのテック企業や無人機関連企業は、このような厳しい現場でドローンや関連技術の改善を重ねてきました。GPSに頼らない運用方法、通信が届きにくい場所でのネットワーク確保、中継機を使った通信、複数のドローンを同時に動かす技術、地上型無人機、海上や水中での運用など、幅広い分野で実践的な経験が積み上げられています。
JUDCは、こうしたウクライナの技術や産業関係者と、日本、台湾、ASEAN諸国の企業との間で、情報交換や連携の機会を作るために設立されました。
ウクライナ無人機技術の応用可能性
JUDCは、ウクライナの現場で培われた知見と、日本、台湾、ASEAN諸国が抱える社会課題や新しい産業分野とのつながりを重視しています。特に、以下の分野での技術交流や情報交換、将来的な連携が期待されます。
-
空飛ぶクルマ、次世代エアモビリティ、ドローン物流の安全な運航支援
-
災害時の被災状況確認、孤立した地域への支援、通信手段の確保
-
離島や山間部への物資輸送、中継型無人機を使った通信支援
-
GPSが使いにくい環境での自動運転、複数のドローンを使った広い範囲の監視・捜索・点検
-
海上・沿岸部の監視、水中インフラの点検、危険な場所での地上型無人機の活用
-
サイバーセキュリティと安全な通信基盤の構築、重要なインフラの災害耐性向上
これらは、島々が多く山岳地帯や沿岸部を抱え、災害リスクや物流・通信の課題を持つ日本、台湾、ASEAN諸国にとって重要なテーマです。JUDCは、ウクライナの経験と各地域の課題やニーズを結びつけ、将来的な技術検証、共同開発、社会での実用化につながる連携を支援していきます。
連携を想定する企業・団体
JUDCは、ウクライナの無人機関連技術に関心を持つ、以下のような企業や団体との連携を想定しています。
-
ドローン・無人機、空飛ぶクルマ、次世代エアモビリティ関連企業
-
ドローン物流、災害対応、インフラ点検、公共安全、重要インフラ分野の事業者
-
通信、サイバーセキュリティ、センサー、AI、自動制御、運航管理関連企業
-
バッテリー、モーター、精密部品、品質管理、検査関連企業
-
研究機関、大学、自治体
-
ウクライナの技術や現場での知見との連携を求める日本・台湾・ASEAN企業
今後の展開
JUDCは、ウクライナのテック企業や無人機関連企業が持つ現場での知見、日本の研究・製造・品質管理・社会実装力、台湾・ASEAN地域の電子部品・通信・ソフトウェア・量産力といった、それぞれの強みを生かした国際協力を進めていきます。これにより、無人機関連技術を中心とした情報共有、共同研究、将来的な社会実装を推進します。また、企業や研究者、研究機関、産業団体に対し、新たな連携を検討する機会を提供していきます。
関係各国の法律や輸出管理、コンプライアンスのルールを守りながら、透明性の高い国際協力の枠組みとして活動を進めていくとのことです。
記者会見概要
-
名称: 日本・ウクライナドローンクラスター(JUDC)始動 発表記者会見
-
日時: 2026年7月6日(月)13:00–14:00
-
会場: 日本外国特派員協会(FCCJ)
-
主催: 在日ウクライナ商工会議所(UCCJ)
-
登壇予定者: ヤボルスカ・カテリーナ氏、岡部芳彦氏、Chien Hao-Ting氏
-
形式: 記者会見・質疑応答
-
言語: 英語予定
※日時、登壇者、内容は変わる可能性があります。
登壇予定者
-
ヤボルスカ・カテリーナ氏: 在日ウクライナ商工会議所(UCCJ)会頭。日本とウクライナの経済・産業・技術分野での協力強化を推進。
-
岡部芳彦氏: 神戸学院大学経済学部教授 / 日本ウクライナ研究会会長。ウクライナ研究や日ウクライナ関係の発展に貢献。
-
Chien Hao-Ting氏: 錦明實業股份有限公司(Jiin Ming Industry Co., Ltd.)Chief Executive Officer。台湾の精密製造企業を率い、無人機システム分野にも展開。
協力団体
-
Ukrainian Dual-Use Technologies Cluster(UADUT Cluster): ウクライナの無人機、通信、センサー、AIなどの先端技術分野の企業ネットワーク。
-
Kharkiv IT Cluster(ハルキウITクラスター): ウクライナ・ハルキウを拠点とするIT企業、教育機関、行政機関をつなぐ産業団体。
在日ウクライナ商工会議所について
在日ウクライナ商工会議所(UCCJ)は、日本とウクライナの経済・貿易・産業・文化交流を促進する団体です。両国間の持続可能な経済協力の実現を目指し、企業支援や情報発信などを行っています。
在日ウクライナ商工会議所(UCCJ)のウェブサイトも参照できます。https://www.uccj-ukr.com/


