PingCAP、AI対応の新アーキテクチャ「TiDB X」採用の「TiDB Cloud Premium」を発表
PingCAPは、AIに対応した次世代のNewSQLデータベース「TiDB Cloud」の新しいサービス「TiDB Cloud Premium」のパブリックプレビューを開始しました。この新プランは、エンタープライズ(企業向け)に安定性と制御性を高めることを目的としています。

近年、クラウドで提供されるデータベースは、システム作りや運用をとても簡単にしました。しかし、AIの技術が進むにつれて、データ処理の作業が複雑になり、いくつかの新しい課題も出てきています。
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計算する力とデータを保存する場所を、それぞれ別々に増やしたり減らしたりできないことがある
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いろいろな種類の作業が同時に行われると、システムがどれくらいの速さで動くか予想しにくくなる
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システムの規模を変えたり、問題が起きた時に別のシステムに切り替えたりする際に、人の手で設定を変える必要がある
「TiDB Cloud Premium」は、これらの課題を解決するために作られました。フルマネージド(すべておまかせ)のデータベースの良さを保ちながら、より高度な機能を提供します。
AI対応の次世代アーキテクチャ「TiDB X」とは?
「TiDB Cloud Premium」は、AIに対応した新しいクラウドネイティブな仕組み「TiDB X」を採用しています。この仕組みは、オブジェクトストレージ(データを種類ごとにまとめて保存する場所)を土台としています。
TiDB Xは、普段の軽いデータ処理と、データの整理やシステムの変更といった重い裏側の作業を分けて行うことで、最大で10倍も早くシステムの規模を大きくできます。また、たくさんのデータを書き込むような状況でも、処理の遅れ(レイテンシ)を低く保ち、安定して動きます。さらに、使った分だけお金を払う仕組みで、必要な時に必要なだけ柔軟にシステムを用意できます。

TiDB Xの仕組みでは、どれくらい使ったかがリクエストの単位でわかりやすくなり、作業の種類ごとにリソースを区切ることで、資源の利用にばらつきが出にくく、効率的に運用できます。これにより、安定した性能とコストの最適化を両立します。
既存プランの「いいとこ取り」を実現した新プラン
「TiDB Cloud Premium」は、手軽に使える「Essential」プランと、専用の環境でしっかり使える「Dedicated」プランの間の選択肢として、企業向けに提供されます。
Essentialプランからの進化
「Essential」プランは、共有されたリソース(資源)でサーバーレスな体験を提供します。一方、「Premium」プランでは、計算、保存、通信の各部分で高度なリソースの隔離(アイソレーション)を実現します。これにより、他のユーザーの利用状況に影響されず、重要な作業でも安定した性能が期待できます。また、必要な時に必要なだけ、柔軟に規模を変えられるオンデマンド・スケーリングも引き続き利用でき、運用に手間をかけずに計算能力を独立して大きくできます。
Dedicatedプランからの進化
「Dedicated」プランは、完全に専用の環境で強い隔離と固定された容量を提供しますが、一番忙しい時に合わせてあらかじめシステムを用意しておく必要があり、コストがかかることがありました。「Premium」プランでは、予備の余裕のためにかかるコストをなくし、コスト効率を大きく改善しました。実際に使った分だけ支払う従量課金制により、無駄を減らしてコストを最適化できます。
各プランの機能比較表は、こちらで確認できます。
TiDB Cloud Premiumの主な特徴
「TiDB Cloud Premium」は、高い性能と隔離された環境を求める企業の大切なシステム向けに作られています。データの管理と優れた運用性を実現する機能が充実しています。
1. 予測可能なパフォーマンスと即時エラスティシティ(柔軟な拡張性)
多くのデータベースシステムでは、普段のデータ処理(OLTP)の作業と、データの整理などの裏側の作業が同時に動くと、システムの負荷が高まったときに性能が不安定になることがあります。「TiDB Cloud Premium」では、以下の点が実現されます。
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データを分ける必要なく、小さい規模から大きい規模までスムーズにシステムを拡張できます。
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普段の処理と裏側の処理をタスクごとに分けることで、データの整理や分析が日常のデータ処理の性能を邪魔しないように設計されています。
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システムの保守中でも安定した処理の遅延を保ち、問題が起きた時の切り替え、システムの規模変更、バージョンアップが、アプリケーションの速度を落とすことなく行われます。
2. 統合データ移動と企業向けセキュリティ
実際のシステムは単独で動くものではなく、他のシステムと連携しています。例えば、分析システムにデータを送ったり、データレイク(大量のデータをそのまま保存する場所)と同期したり、他のデータベースからデータを移したりすることが常に必要です。データの移動やセキュリティ対策を後回しにすると、後から技術的な問題が増えてしまいます。そのため、現代のシステムでは、リアルタイムなデータの移動としっかりとしたセキュリティがとても重要です。「TiDB Cloud Premium」では、以下の機能が提供されます。
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データが変更されたことを記録し、別の場所に送るネイティブな技術であるTiCDCにより、変更されたデータを他のデータベースなどにリアルタイムで送れます。
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データ移行の機能が統合されており、MySQL互換のデータベースからデータを移したり、S3などのクラウドストレージから大量のデータを一度にインポートしたりできます。
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お客様が自分で管理する暗号鍵(CMEK)を使うことで、保存されているデータの暗号化をお客様自身でコントロールできます。
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プライベートネットワーキングと細かく設定できるアクセス制限により、仮想ネットワーク同士をつなぐ機能や、ロールベースのアクセス制御(役割に応じて使える機能を制限する)を使って、厳しいセキュリティ基準が求められる環境にも対応します。
3. 運用負荷のないエラスティックスケーリング(柔軟な規模変更)
性能を上げるために、設定を変えたり、人の手で操作したりする必要はありません。「TiDB Cloud Premium」では、管理画面やAPIから「RCU」(リクエスト容量単位)を調整するだけで、処理能力を上げることができます。データの複製を管理したり、手動でデータのバランスを調整したり、システムの配置を考えたりする必要はありません。
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計算する力とデータを保存する場所を、それぞれ別々に規模を変えられます。
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ストレージ(データを保存する場所)の利用量も個別に測定され、使った分だけ支払う従量課金です。
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3つの異なるデータセンターの地域にわたる高い可用性(システムが常に利用できる状態)が標準で提供されます。
TiDBについて
分散型NewSQLデータベース「TiDB(タイ・デー・ビー)」は、ゲーム、金融、決済サービス、Eコマースなど、さまざまな業界の重要なシステムで使われています。世界中で4,000社以上の企業に導入されており、従来のデータベースと同じようにSQLを使ってデータにアクセスできます。
TiDBは、分散された仕組みにより、水平方向への規模の拡張、データのしっかりとした整合性、MySQLとの互換性による高い可用性を持っています。また、列指向ストレージ(データを列ごとに保存する仕組み)による高速な分析処理も可能で、多様なデータ処理のニーズに応えます。新しい仕組み「TiDB X」の採用により、ベクトル検索(AIでのデータ検索技術)も含むマルチモデル(複数のデータ形式に対応)をサポートする次世代の基盤へと進化しています。高い拡張性とコスト効率に加え、AIエージェント(AIの自動処理プログラム)の大量のオンデマンドな処理にも対応できます。
PingCAPについて
PingCAPは、2015年に設立された企業向けのソフトウェアサービスを提供する会社です。オープンソースでクラウドネイティブな、一つの場所で完結するデータベースソリューションを提供することを目指しています。PingCAPの社名は、ネットワークの接続を確認するコマンド「Ping」と、CAP定理の「CAP」(Consistency – 一貫性、Availability – 可用性、Partition Tolerance – ネットワーク分断への耐性)を組み合わせています。これら3つの要素すべてに接続したい(Ping)という思いが込められています。
PingCAPの詳細については、https://pingcap.co.jp/をご覧ください。


