AI時代に対応するモジュール型データセンター「DX edge Cool Cube」が登場

AI時代の分散型デジタルインフラを支える「DX edge Cool Cube」が販売開始

株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)と河村電器産業株式会社は、AI(人工知能)の進化に対応するためのモジュール型エッジデータセンター「DX edge Cool Cube」を共同開発し、2026年3月17日よりIIJから販売を開始しました。

サーバーラック

この製品は、2025年3月に発表された試作機をさらに改良したもので、AI時代に必要となる分散型のデジタルインフラを、設計から導入まで一貫してサポートします。製品の価格は個別に見積もられ、標準的な納期は5ヶ月です。

開発の背景と目的

近年、生成AIの急速な普及により、高性能なGPU(画像処理装置)を搭載したサーバーの導入が進んでいます。これらのサーバーは高い熱を発し、多くの電力を消費するため、データセンターの電力需要は世界中で増え続けています。データセンターは、冷却方法や電源の設計といったインフラ面で大きな変化の時期を迎えています。

しかし、新しい大規模なデータセンターを作るには、土地の確保や電力の供給、そして長い建設期間が必要となり、急増するAIの需要にすぐに対応することが難しいという課題があります。その一方で、製造業や研究機関、地方自治体などでは、データをすぐに処理したい、セキュリティをしっかり確保したいという理由から、クラウドと自社設備を組み合わせたハイブリッドな運用や、現場でデータを処理するエッジコンピューティングといった、分散型のデジタルインフラが広く使われるようになってきています。

このような市場の変化を受けて、IIJと河村電器産業は、それぞれが持つ情報通信と電力設備の技術を合わせて、AI時代に求められる分散型デジタルインフラを実現するためのモジュール型エッジデータセンターを共同で開発し、今回販売を開始しました。

「DX edge Cool Cube」の主な特徴

1. 完結型エッジAI基盤

「DX edge Cool Cube」は、電源供給、冷却システム、サーバーラックが一体となった、AI処理に特化した自社設置型(オンプレミス)の基盤です。発熱量の多いGPUサーバーを含むAIの作業に最適化されており、1つのモジュールで20kW以上の電力を供給でき、効率の良い冷却機構を備えています。主要なサーバーメーカーのラックシステムにも対応しており、クラウドに頼らずに、生成AIや推論処理を自社の環境内で完結させる「プライベートAI」の実行基盤として利用できます。

データセンターと冷却システム

2. コンパクトなモジュール連結と柔軟な構成

電気設備、IT機器、チラー(冷却装置)の各モジュールを組み合わせて、必要に応じて1ラックから導入できます。GPUの追加や、拠点が増える場合にも柔軟に対応でき、分散型のインフラ構築をサポートします。

モジュール連結の例

3. 安定した品質、低コスト、短納期

受電用のキュービクル(箱型の配電設備)の筐体を応用したモジュール構造のため、新たにデータセンターの建物を建てる必要がありません。そのため、屋内外どちらにも設置できます。現地での設計や工事を最小限に抑えることで、品質を安定させ、短い納期で導入できるのが特徴です。一般的なビル型のデータセンターやコンテナ型のデータセンターと比べて、効率的な投資で、短期間のうちにAI基盤を立ち上げることが可能になります。

DX edge Cool Cube 標準仕様

項目 仕様
サーバ負荷容量 (1ITモジュールあたり) ・空冷 最大45kW ・液冷 60kW (CDU冷却能力による)
PDU入力電源 単相200V または三相4線400V
モジュールサイズ(mm) W1000/1200 x D2000 x H2500
収納ラック EIA規格19インチラック(1ラック42RU) ※DLCの場合、インラックCDU搭載等のカスタマイズ対応
冷却方式 空冷(In-Row空調)および直接液冷(DLC:Direct Liquid Cooling)
設置環境 屋内設置、屋外設置タイプ ・外部環境温度: -20℃~40℃ (連続使用温度)、-25℃~45℃(最大許容温度) ・防じん防水性能:IP55
その他機能 ・複数モジュール連結でN+1構成 ・遠隔環境監視制御(設備状況、環境センサー、火災予兆検知) ・物理セキュリティ ・防音仕様

さまざまな活用シーン

ワット・ビット連携を実現する分散型デジタルインフラ

余った電力の活用や発電所への併設、工場跡地や倉庫などの既存施設を利用した分散型AIデータセンターとして導入できます。データセンター事業者や公共・エネルギー関連事業者だけでなく、建設会社や設備工事会社との再開発・改修プロジェクトにおけるGPU特化型データセンター案件にも対応します。

製造業、研究開発拠点、医療機関などのソブリンAI基盤

秘密性の高いデータを扱う現場で、データを外部に出さずにAIを運用するための基盤として活用できます。小規模な実証実験から大規模な商用利用まで、高いセキュリティや通信の遅延が少ないことが求められるAIの作業を現場で実行できます。

低遅延が求められるMEC(Multi-access Edge Computing)/エッジAIの社会実装

自動運転や映像解析、スマートシティなど、リアルタイム性が求められる分野において、通信の遅延を抑えた分散配置型のAIとして活用できます。最小限の構成での実証導入から、商用規模での展開までサポートします。

展示会での実機展示

2026年3月24日と25日に開催される展示会「Data Center Japan 2026」のIIJ・河村電器産業共同ブース(ブース番号:2B-02)では、「DX edge Cool Cube」の実機が展示されます。

今後の展望

IIJと河村電器産業は、今後も地域に分散したデータセンターの展開や、再生可能エネルギーを活用したモデルの構築を進めていきます。また、現在行われている地域分散型インフラの実証実験で得られた知識をもとに、日本国内だけでなく海外においても、分散型デジタルインフラの導入をさらに促進していくとしています。

IIJに関する詳細はこちらをご覧ください。
株式会社インターネットイニシアティブ

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