Antigravityが「Project ETERNAL」を発表、3D Gaussian Splattingで文化遺産を未来へ

Antigravity、「Project ETERNAL」で文化と記憶の保存へ

2026年4月23日、ドローン開発企業のAntigravityは、Insta360の協力を得て、グローバルプロジェクト「Project ETERNAL」を正式に発表しました。毎年4月18日の国際記念物遺跡の日が、世界遺産の保護と継承を促すことを目的としているように、このプロジェクトは、先進技術とクリエイター、文化機関が協力し、人類共通の文化遺産をデジタルで保存することを目指しています。

「Project ETERNAL」は、AntigravityとInsta360が、文化遺産保護NGOであるCyArkなどと連携して進める世界規模の取り組みです。360度全景撮影技術と3Dガウススプラッティング(3DGS)という技術を使い、ユネスコ世界遺産から個人の大切な場所まで、あらゆる記憶を、まるでその場にいるかのように体験できるデジタルデータとして保存します。

世界中のクリエイターやストーリーテラーがこのプロジェクトに参加し、各地の名所や個人的に思い入れのある場所を撮影。それらを没入感のある3D体験に変え、未来へと伝えていく計画です。

「Project ETERNAL」の2つの大切な考え方

このプロジェクトは、次の2つの重要な考え方に基づいて進められています。

第一の考え方:「非介入型保存」

これまでの文化遺産の記録方法では、物理的な接触が必要なことが多く、ドローンを使わないと建物の屋上や高い場所、複雑な地形を上から撮影するのが難しいという問題がありました。そのため、3Dモデルの上部に隙間ができたり、画像が伸びてしまったりする歪みが生じることがありました。

これに対し、Antigravityのドローン「A1」は、249gという軽さで、文化遺産のようなデリケートな場所でも、ほとんど影響を与えずに高精度な記録ができます。

第二の考え方:「技術の民主化」

Insta360の360度撮影技術とAntigravityのドローンを組み合わせることで、空と地上両方から一度にすべての方向のデータを撮影できるシステムが作られました。この技術の進歩により、操作がとても簡単になり、特別な知識がない人でも簡単な操作で、3Dガウススプラッティング(3DGS)に必要な質の高い映像を集められるようになります。

さらに、3DGSプラットフォーム「Splatica」との協力により、1,000回分の無料アップロード(1回あたり10分)を提供。360度動画を簡単に3Dモデルに変換できる環境が整えられています。これにより、より多くの人々が大切な記憶を未来に残せるようになります。

かけがえのない記憶を未来へ

このプロジェクトの一環として、AntigravityはCyArkと協力し、イタリアで最初の取り組みを実施します。対象となるのは、チヴィタ・ディ・バニョレージョとポンペイです。これらの場所で、高精度な3D Gaussian Splattingモデルが作られます。

チヴィタ・ディ・バニョレージョは、イタリアのラツィオ州にある、渓谷に囲まれた崖の上の小さな村です。その美しい景色から、映画「天空の城ラピュタ」のモデルの一つとも言われ、「天空の町」として知られています。しかし、浸食や地滑りによって崩壊が進んでおり、「死にゆく町」とも呼ばれています。世界記念物基金(WMF)の「危機に瀕した建造物100選」にも選ばれています。

PROJECT ETERNAL

「Project ETERNAL」は、ドローンを使ったパノラマ撮影とガウススプラッティング技術によって、これらの貴重な文化遺産を、長く保存し、体験し、共有できる3Dデジタルツインへと変えていきます。

また、世界中のクリエイターがこのプロジェクトに参加し、ローマの古代劇場や済州島などのデジタルツインを制作。その過程や成果はSNSで発信されます。

グローバルUGCキャンペーン

「もし一つの場所を永遠に残せるとしたら、どこを選びますか?」というテーマで、世界中の人々が参加できるUGCキャンペーンも同時に始まりました。参加者は、思い出の場所を撮影し、3Dモデルとして作り、その場所のストーリーとともに共有することができます。テクノロジー、アート、文化の専門家による審査で、優れた作品が選ばれ、表彰されます。「Project ETERNAL」は今後、世界中のクリエイターとコミュニティをつなぐグローバルなプロジェクトとして発展し、かけがえのない記憶を未来へと残していくことを目指します。

現場の効率を高める「A1」ドローンの活用

ドローンとFPVゴーグル

「Antigravity A1」は、8K・360度全景撮影と249gの軽量設計を両立したドローンです。「まず撮影し、アングルは後から決める」という新しい撮影方法により、ドローンは専門的な機材から、誰もが簡単に使えるツールへと進化しました。

一般社団法人日本低空経済振興会(LEAD-J)との連携では、現地調査、デジタルツインの作成、観光での活用、鳥獣害対策などの分野で「A1」ドローンの活用が進められています。特に防災の現場では、「一度の飛行で全方位の空間情報を得られる点が、素早い判断に役立つ」と評価されています。

未来へ残す、新しい記憶の形

Project ETERNAL」は、今後、世界中のクリエイターとコミュニティを結びつけるグローバルプロジェクトとして成長していくでしょう。テクノロジーの力で、かけがえのない文化と記憶を未来へとつなぐことを目指します。

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