テラドローン、徳之島で文化財調査のDX推進へ「Terra SLAM RTK」を活用した洞窟内計測実証実験を実施
文化財調査の現場をデジタル化:テラドローンが新技術で実証実験
Terra Drone株式会社は、2026年3月17日から18日にかけて、鹿児島県徳之島において、九州大学および天城町教育委員会と協力し、最新のSLAM技術を搭載したハンディ型3Dスキャナ「Terra SLAM RTK」を使った実証実験を行いました。この実験は、文化財調査の現場をデジタル化(DX)し、より効率的に進めることを目指したものです。

文化財調査の現状と新たな技術への期待
現在、日本国内の文化財調査現場では、調査をする人が足りないことや、作業に時間がかかることが大きな問題となっています。これまでは手作業で記録(図面作成)を行っていましたが、この負担を減らすために、3次元で計測する技術が注目されています。
しかし、実際の調査現場はでこぼこが多く、木々が生い茂っていたり、深い溝(トレンチ)があったりするため、空からのドローンレーザだけでは見えない部分が出てしまい、データが欠けてしまうという課題がありました。
「Terra SLAM RTK」で死角のない計測を実現
この課題を解決するため、テラドローンは高精度なSLAM(自己位置推定と環境地図作成を同時に行う技術)を搭載したハンディ型3Dスキャナ「Terra SLAM RTK」の導入を進めています。この機器は、人が歩きながらでも、5センチメートルの測量精度で詳しい3次元の点群データ(たくさんの点の集まりで形を表すデータ)を取得できます。
これにより、ドローンでは見えなかった深い溝の内部や木の下などでも、データが欠けることなく細かな3次元データを記録することが可能になります。
洞窟内での実証実験とその成果
今回の実証実験では、九州大学と天城町教育委員会の協力を得て、鹿児島県徳之島の洞窟内で「Terra SLAM RTK」を使った計測を行いました。洞窟の中は、GPSなどの衛星測位システム(GNSS)が使えず、狭くて複雑な地形が続くため、従来の測量方法では計測が難しい場所です。
実験では、歩いて計測することで、洞窟内部の形を3次元点群データとして取得できることを確認しました。でこぼこした地形や入り組んだ通路がある場所でも、広い範囲をデジタルで記録できることがわかりました。また、短時間で広範囲のデータが取得できるため、作業時間の短縮や作業する人の負担を減らすことにつながる可能性も示されました。
さらに、取得したデータを使うことで、洞窟内部の形をパソコン上で詳しく再現・確認できるため、調査後の分析や記録の保存にも役立つことが確認されました。関係者からは、文化財調査や地形の把握など、さまざまな分野での活用に期待が寄せられています。
今後の展望
テラドローンは、これまで行ってきたドローンによる空からの測量に加えて、今回の「Terra SLAM RTK」による地上からの計測を組み合わせることで、空と地上の両方から現場のデータを完全に取得できる体制を整えました。これにより、「飛行計画・計測・データ解析・成果物作成」という一連の作業すべてを自社の技術で提供できるようになります。
ドローンだけでは難しかった、見えない場所の3次元データ化も可能になるため、今後も現場のニーズに応じた高度な技術を提供し、測量・建設・文化財調査といった幅広い分野のDXをリードしていくことでしょう。
テラドローンは、ドローンサービス企業の世界ランキングで2024年に1位を獲得し、経済産業省主催の「日本スタートアップ大賞2025」では「国土交通大臣賞」を受賞するなど、高い評価を受けています。


