先付け鉄筋不要の「かべプラス工法®」が強度指定を国内で初めて取得
安藤ハザマは、立ち上がり壁の差し筋にああと施工アンカーを使用する「かべプラス工法®」を開発し、2026年3月4日に強度指定(国住参建第4460号)を取得しました。
あと施工アンカーを鉄筋コンクリート部材同士の接合に構造的に活用するこの強度指定は、国内で初めての事例です。

図1:かべプラス工法 施工手順(イメージ)
開発の背景
大型物流倉庫では、空間を区切るために乾式の間仕切り壁を設けることがあります。この壁の足元には、フォークリフトなどの衝突による損傷を減らすため、高さ300mmほどの鉄筋コンクリート製の立ち上がり壁が作られます。近年、物流倉庫が大きくなるにつれて、この立ち上がり壁の長さが数キロメートルにもなることがあり、工事を効率よく進める方法が求められていました。
従来、床スラブに立ち上がり壁を作る際は、床コンクリートを流し込む前に、十分な長さの先付け鉄筋を床スラブの中に一定の間隔で配置し、床面から鉄筋を突き出しておく必要がありました。このため、鉄筋を配置する時や床コンクリートを流し込む前後に安全上の課題がありました。また、物流倉庫では高品質な床スラブが求められるため、先付け鉄筋が突き出していると、機械を使って床面を平らに仕上げる作業(機械ゴテ)が難しくなり、床面の精度を保つことも課題でした。
これらの課題を解決するため、先付け鉄筋が不要な立ち上がり壁プレキャスト工法である「かべプラス工法®」が開発されました。
本工法の概要と特長
「かべプラス工法®」の施工手順は次の通りです。
- 床スラブにコンクリートを流し込み、機械ゴテなどを使って床面を平らに仕上げます。
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固まったコンクリートに穴を開け、接着材を注入します。

写真1:接着材の注入 -
立ち上がり壁の差し筋を設置します。

写真2:差し筋の挿入 -
差し筋にプレキャストコンクリート製の立ち上がり壁を設置します。プレキャストコンクリート以外にも、ユニット化した配筋と化粧鋼板型枠を設ける方法でも施工可能です。

写真3:プレキャスト部材の設置
この工法により、後の作業が効率的になり、広い作業空間を確保できるため、立ち上がり壁の周囲の床面の精度が向上します。さらに、安全性も高まります。
倉庫業法では、荷物が崩れた場合を想定した、壁の外側方向への2,500N/m2の力に耐えられる壁を設計する必要がありますが、「かべプラス工法®」で作られた立ち上がり壁は、この外側方向の力がかかっても、ほとんど壊れないことが、実際に近い大きさの構造実験で確認されています。
今後の展開
安藤ハザマは、この工法を自身が手掛ける大型物流倉庫に適用し、さらなる品質向上と生産性向上を目指して取り組んでいく方針です。
※強度指定とは、特殊な許容応力度および特殊な材料強度を定める件(令和4年国土交通省告示第413号)に基づき、国土交通大臣があと施工アンカーの接合部の許容応力度および材料強度を指定することです。


