名古屋の配管工事会社、建設業界の人手不足と技能承継にAIで挑む – 従業員8割が1年間のAI人材育成を開始

株式会社P・C・Gテクニカ(本社:愛知県名古屋市)は、2026年2月より、従業員のおよそ8割にあたる54名を対象とした1年間のAI人材育成プログラムを開始しました。これは、建設業界で深刻化する人手不足や熟練技術の引き継ぎといった課題に対し、データ活用型の組織へ変わることを目指す取り組みです。

オフィスで従業員が作業している様子

なぜ今、建設業界でAI人材育成が必要なのか

建設業界では、人手不足と職人の高齢化が進み、長年培われた技術を次の世代に伝えることが大きな課題となっています。その一方で、最近ではAI(人工知能)が大きく進化し、建物の設計、費用の見積もり、工事の管理、事務作業など、さまざまな業務を効率化できる可能性が広がっています。

しかし、AIをうまく使うためには、まず会社の中にある情報を整理し、AIが使える形にすることが大切です。

P・C・Gテクニカが専門とする配管修繕工事は、建物ごとに状況が大きく異なるため、過去の工事記録や建物の老朽化に関する情報がそれぞれの現場に散らばりがちでした。そのため、多くの判断が担当者の経験や勘に頼ることが多かったといいます。創業から60年で集めてきたデータを整理し、次の仕事に役立てる形にすることが、AI活用の第一歩だと考えられています。同社は、今のうちに動き出すことが将来の競争力につながると判断し、会社全体で人材育成に取り組んでいます。

作業員が現場で配管作業をしている様子

100億円構想に向けた基盤整備を開始

2024年1月に二代目社長が就任してからの2年間で、P・C・Gテクニカは売上を増やし、代理店のネットワークを強化してきました。2033年までに売上高100億円を達成するという目標を掲げています。しかし、事業が大きくなる一方で、「特定の担当者に業務が集中している」「情報の共有が十分ではない」といった課題も見えてきました。個人の知識や経験を会社全体の財産として積み重ねる仕組みがなければ、安定した成長は難しいと判断したとのことです。今回のAI人材育成は、その仕組み作りの中心となる計画です。

AI人材育成プログラムの内容

この取り組みでは、外部のAI人材育成プログラムを活用し、毎月1回の定期講座を1年間実施します。受講者には専門のトレーナーがつき、実際の仕事でAIを使えるようになるまでサポートします。この研修には、厚生労働省の「人材開発支援助成金」の活用も予定されています。

《主な講座内容》

  • 生成AIの基礎理解

  • 業務効率化への応用

  • プロンプト設計

  • 議事録作成・資料作成支援

  • データ整理および分析の考え方

組織強化で、建物の“健康寿命”を延ばす企業へ

この取り組みを通じて、工事の記録や劣化の情報を整理し、将来の建物の傷みを予測しながら、より適切な工事の方法を選べる体制づくりを進めていく予定です。今後は、現場で働く職人もスマートフォンを使って情報共有に参加し、現場と事務の仕事をデジタルでつなぐことで、さらに業務を効率化することを目指しています。建物の給排水管再生事業を専門として60年、時代の変化に対応しながら、建物の“健康寿命”を延ばす企業として、持続可能な設備改修のモデルを作り上げていく方針です。

代表取締役 藤井 要氏のコメント

代表取締役の藤井 要氏は、「生成AIの進化は想像以上の速さで進んでいます。しかし、ただツールを入れるだけでは意味がありません。大切なのは、それを使いこなせる人材と、それを活かせる組織を作ることです。配管工事という専門分野で培ってきた現場の力に、デジタルの力を組み合わせる。その挑戦が100億円構想、そして次の時代の競争力につながると考えています。私たちは、まず人を育てることから始めます。」と述べています。

SDGsバッジをつけた日本人男性

株式会社P・C・Gテクニカについて

株式会社P・C・Gテクニカは、1964年に設立されました。社名の「PCG」は「Pipe Clean Guarantee」の略で、配管をきれいにする会社として、給排水管の更生工事を主な事業としています。持続可能な社会の実現を目指し、SDGsの活動にも賛同し支援しています。

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