IOWN APNを活用し、オフィスから高性能ICT機器を遠隔利用する新モデルの検証を実施

NTTドコモビジネス株式会社、NTTドコモソリューションズ株式会社、NTTアーバンソリューションズ株式会社、株式会社NTTファシリティーズの4社は、IOWN APN(オールフォトニクスネットワーク)を活用した新しいオフィスモデルの検証を行いました。

この検証では、これまでオフィス内に置かざるを得なかったGPUマシンなどの高度なICT機器を、オフィスから離れた場所に集約します。これにより、オフィス内の電気の消費を抑えたり、設置スペースを減らしたりすることで、省電力化とオフィスの有効活用を進めます。

背景:高性能ICT機器の活用とオフィス環境の課題

近年、建設・設計分野でのBIM(Building Information Modeling)利用、ゲーム・映像分野での高度な映像処理、製造業におけるAIを活用した素材開発など、高い計算能力を持つ機器の活用が企業にとって非常に重要になっています。

しかし、これらの高性能なICT機器をオフィスに設置・運用するには、多くの電力を使い、熱対策が必要で、重さや広い設置スペースも求められるため、オフィスにかかる負担は増える一方でした。また、オフィスに戻って働く人が増える中で、社員が最高のパフォーマンスを発揮し、スムーズにコミュニケーションを取り、優秀な人材を確保するためには、快適なICT環境とオフィス環境の整備がより大切になっています。

そこで、高性能なICT機器をデータセンターに集約し、オフィスから遠隔で利用する方法が、エネルギー効率やスペース活用の面で有効だと考えられてきました。しかし、これまでのインターネット環境では、通信の速さや遅れがネックとなり、大きなデータを扱う業務や素早い応答が必要な業務では、十分な性能を発揮できないという課題がありました。

IOWN APNを活用した検証の概要

今回の検証では、NTTドコモソリューションズのデータセンターと、NTTアーバンソリューションズが運営する「未来のオフィス 4×SCENE®」(https://ntt-us.com/business/value_case/4scene/index.html)およびNTTファシリティーズの共創空間「FL@T®」(https://www.ntt-f.co.jp/news/2025/20250724-01.html)をIOWN APNでつなぎました。

データセンターにはGPUマシンなどの高性能なICT機器を設置し、建設・設計業務で使うBIM環境などを構築しました。オフィス側には、以下の3つの接続方法を用意しました。

システム構成イメージ

  • 構成(1):Model-B(https://group.ntt/jp/newsrelease/2024/10/08/241008b.html)を使って、高精細な映像を圧縮せずに送るIOWN APN 100Gbps回線

  • 構成(2):画面を転送する方法で、高精細な映像を圧縮して送るIOWN APN 10Gbps回線

  • 構成(3):比較のために用意した、一般的なインターネット回線

デモ実施イメージ

この検証には、外部企業10社が協力し、動画視聴やデータ転送、BIMソフトやPCゲームの操作を体験してもらい、オフィスでのIOWN APNの使いやすさや効果を調べました。

検証概要

検証の成果:高い評価と具体的な効果

検証に協力した企業へのアンケートでは、IOWN APNを使った遠隔作業の操作性について、「画質」「映像のなめらかさ」「データ転送速度」などの点で、IOWN APN 100GbpsとIOWN APN 10Gbpsのどちらも90%以上から良い評価を得ました。

協力企業からは、次のようなコメントが寄せられました。

  • 「IOWN APN 10Gbpsの安定した品質と高い応答性能、そしてデータセンターの高性能なGPUマシンを使うことで、データ量の非常に大きなBIM作業での待ち時間を短くし、生産性の向上も期待できる」(建設・設計分野の協力企業)

  • 「特に映像操作の性能要求が厳しいゲーム開発の分野でも、IOWN APN 100Gbpsを活用した非圧縮映像の利用であれば、通信速度や遅延を気にしてオフィス内に置いていたICT機器をデータセンターに置けるようになることが期待できる」(ゲーム開発分野の協力企業)

このICT環境の実現について、操作性以外の影響や効果も確認したところ、協力企業の80%以上が、サーバー室を大幅に減らして生まれた空間を価値あるワークスペースにすることでオフィス環境が良くなることや、高性能なICT環境が使えるオフィスが将来的な人材獲得に役立つことを支持しました。

本検証環境をモデルとして、以下の効果が推計されています。

  1. オフィスでの省エネ:約50平方メートルのサーバー室をオフィス外に集約することで、年間約50トン相当のCO2排出量を削減できる効果が期待できます。
  2. コスト構造の変化:オフィス内にサーバー室を作るための初期費用を抑えることができます。

今後の展開

今回の検証で得られたシステム構成は、NTTドコモビジネスが運営する共創ワークプレイス「OPEN HUB Park」(https://openhub.ntt.com/)で展示され、利用企業の意見を集めながら、本格的な導入に向けてさらに検討が進められます。

この検証や「OPEN HUB Park」で得られた成果をもとに、オフィスでのIOWN APN活用と、NTTが目指す「光の街」づくり(https://group.ntt/jp/newsrelease/2025/12/08/251208a.html)に向けた技術面、ビジネス面での検討が続けられます。さらに、将来的な光電融合技術などの活用も含め、圧倒的な超・低消費電力化の実現を目指し、今回の検証成果が活用されていきます。

NTTドコモビジネス株式会社は、企業と地域が持続的に成長できる社会を支える「産業・地域DXのプラットフォーマー」として、新たな価値を生み出し、豊かな社会の実現を目指しています。

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