建設業界の「2025年問題」調査で判明:技術継承と人材不足の深刻な現実
野原グループのBuildApp総合研究所は、全国の20代から70代の建設産業従事者1,000人を対象に、「2025年問題」に関する意識調査を実施しました。この調査は、団塊世代の大量退職によって引き起こされる技術者不足と技術継承の危機が、建設業界にどのような影響を与えているかを明らかにすることを目的としています。
「2025年問題」の認知度と理解度
調査結果によると、「2025年問題」全体の認知度は89.1%と高いものの、内容の理解度(熟練技術者の大量退職による技術継承の問題化)は63.0%にとどまりました。職種別に見ると、「DX推進部門」では95.3%と高い理解度を示した一方で、「専門工事」(51.1%)、「施工」(56.1%)、「施工管理」(66.1%)といった現場に近い職種では理解度が低い傾向が見られました。

技術継承への不安とその理由
「2025年問題」の内容をよく理解している層では、技術継承への不安を感じる人が92.0%に上りました。この不安の背景には、「若手が定着しない・育たない」(42.2%)、「技術継承の仕組みが不十分」(38.3%)、「人手不足が深刻」(35.5%)といった複合的な課題があると考えられます。


教育体制と有効な取り組み
技術継承のための社内教育やOJT(現場指導)が十分に行われているかという問いに対しては、全体で約半数(49.3%)が「体系的に行われている」または「一部行われている」と回答した一方で、残りの半数(50.7%)は「ほとんど行われていない」または「全く行われていない」と答えました。特にDX推進部門では81.2%が体系的に行われていると回答しており、部門間で差が見られます。

技術継承に最も有効だと思う取り組みとしては、「OJT(現場指導)」(52.7%)や「マニュアル化・動画教材」(39.0%)が上位に挙がりました。しかし、現場では教育時間の不足が深刻な課題となっています。

BIMやデジタルツールへの期待
BIMやデジタルツールが技術継承に役立つと考える層は全体の69.3%を占めました。教育時間不足やマニュアル化の遅れを課題と捉え、動画やICTで効率化を図ろうとする傾向が見られます。一方で、「役立たない」と考える層は30.7%おり、技術は職人の腕に依存するという認識が強く、デジタルでは身につかないと考えているようです。

企業・行政・社会に求めること
企業に対しては63.9%が「賃金・待遇の改善」を求め、行政には50.2%が「建設業法改正による価格転嫁の義務化」を期待しています。また、社会に対しては60.5%が「建設業の価値・職人技術への理解と尊重」を求めており、これらの課題解決が喫緊の課題として挙げられています。

考察:建設DXによる課題解決の可能性
今回の調査結果から、技術継承の不安は「仕組みの不十分さ」「人材不足」「教育時間の不足」が主な原因であることが明らかになりました。特に、OJTや動画教材の重要性が認識されつつも、現場での教育時間が確保できていない現状があります。この課題を解決するためには、デジタル技術を活用し、時間や場所の制約を超えた仕組みづくりが鍵となります。
BIMやデジタルツールへの期待は二極化していますが、プロセスの「可視化」「標準化」「共有」を可能にするクラウド基盤が、このギャップを埋める上で重要になるでしょう。BuildAppのような建設DXツールは、データ活用によって「人が増えなくても質とスピードを落とさない現場」を実現し、人手不足と教育時間不足を生産性向上で解決する一例となりえます。設計から生産、施工までの情報を一貫して管理し、熟練技術者の持つ「暗黙知」を動画やデータで「形式知化」することが、若手技術者の育成と戦力化に貢献すると考えられます。
BuildApp総合研究所と建設DXプラットフォーム「BuildApp」
BuildApp総合研究所は、建設産業におけるデジタル技術の活用とサプライチェーンの変革を推進・啓蒙するため、2024年12月に設立された団体です。主な活動内容は、建設DXやデジタルツールの活用方法に関する情報発信です。

「BuildApp(ビルドアップ)」は、設計事務所やゼネコンが作成したBIM設計データを詳細なデータに置き換え、各建設工程で利活用することで建設工程全体の生産性向上を実現するクラウドサービスです。設計積算から製造・流通・施工管理・維持管理までをBIMでつなぎ、各プレイヤーに合わせたサービスを提供します。これにより、設計・施工の手間や手戻りをなくし、製造・流通を最適化することで、コスト削減と廃棄物・CO2削減に貢献することを目指しています。

BuildAppは、BIMを起点としたデータで建設関係者をつなぎ、工程の可視化や業務の自動化により業界内の無駄を解消し、DXによる生産性向上や廃材・CO2排出量の削減を目指す建設企業とともに、サプライチェーンを変革していくことを目指しています。
新サービス「BuildApp 内装 建材数量・手配サービス」
2025年2月3日より、「BuildApp 内装 建材数量・手配サービス」の商用提供が開始されました。このサービスは、建材発注数量の算出や施工情報の自動アウトプットができる内装仕上工事向けのものです。BIMを活用して内装仕上工事に必要な建材手配に関わる業務を効率化し、無駄を省いた効率的な材料手配を実現します。

関連資料と野原グループについて
今回の調査結果をまとめた資料が提供されています。技術継承に向けたBIM・デジタル化の可能性に焦点を当てた、建設産業従事者の「リアルな声」が掲載されています。

野原グループは、「CHANGE THE GAME.クリエイティブに、面白く、建設業界をアップデートしていこう」をミッションに掲げ、これまでの知見を活かし、社会貢献を目指しています。

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