省CO2・省力化コンクリート「ハイプロダクリート」が鉄道工事に初適用

次世代コンクリート「ハイプロダクリート」が鉄道工事に初導入

東急電鉄株式会社、東急建設株式会社、東京理科大学は、共同で開発した次世代コンクリート「ハイプロダクリート」を、東横線日吉駅~綱島駅間高架橋下整備工事に初めて適用しました。これは、鉄道工事におけるグリーントランスフォーメーション(GX)の一環として、地球温暖化対策と作業の効率化を目指す取り組みです。

「ハイプロダクリート」とは

「ハイプロダクリート」は、生産性の向上を目指して開発されたコンクリートの総称です。このコンクリートは、国土交通省関東地方整備局が進める「大学等研究機関とのマッチング」制度を活用し、東京理科大学の加藤佳孝教授と東急建設が共同で開発しました。

この技術の大きな特徴は、コンクリートを作る際に発生するCO2(二酸化炭素)の量を大きく減らせる点です。通常使われるポルトランドセメントの多くを、工場から出る副産物やリサイクルされた材料に置き換えることで、CO2の排出量を削減します。

また、従来のコンクリートよりも高い流動性(流れやすさ)を持つため、少ない労力で作業を進めることができ、工事の効率化や人手不足の解消にもつながります。さらに、コンクリートの配合設計(材料の組み合わせ方)も工夫されており、少ない資源で高品質なコンクリートを作れるようになりました。

コンクリートの流動性を測定している様子

実工事での成果

今回の工事では、「ハイプロダクリート」が高架橋の下の舗装部分に使われました。その結果、通常のセメントを使ったコンクリートと比較して、CO2排出量を66%削減することに成功しました。これは、日本が2035年度までに目指す温室効果ガス排出量60%削減という目標の達成に貢献するものです。

さらに、施工時間も従来の約60%に短縮されました。このことから、「ハイプロダクリート」は開発段階だけでなく、実際の工事現場でもCO2排出量の削減と作業の効率化を両立できることが証明されました。

工事現場で使う発電機などの稼働時間が減るため、工事による騒音や振動の発生時間も短くなります。これにより、近隣に住む人たちの生活環境を守ることにもつながっています。

高架下の舗装現場の様子

コンクリート舗装1m³あたりのCO₂排出量をセメントの種類別に比較した棒グラフ

今後の展望

東急電鉄は、2040年を見据えた環境ビジョンに基づき、技術革新や再生可能エネルギーの活用を通じて脱炭素社会の実現を目指しています。今回の「ハイプロダクリート」の適用も、その取り組みの一つです。

東急建設も、2030年を目標とする長期経営計画の中で「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」を重要なテーマとしており、「ハイプロダクリート」のような技術を積極的に現場に導入しています。

今後は、実際に使われた「ハイプロダクリート」がどれくらいのCO2を吸収するのかを調べ、一生涯にわたるCO2の収支を計算する予定です。これからも東急電鉄と東急建設は、コンクリートだけでなく、建設機械や燃料の脱炭素化を進め、鉄道工事全体のGXを推進していく方針です。

「ハイプロダクリート」に関する詳しい情報は、以下のリンクから確認できます。
東急建設と東京理科大が共同で開発したハイプロダクリートに関する詳細

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