工学院大学、BIMとAIで建築人材を育成するリスキリングプログラムを2026年秋に開講

工学院大学は、建築業界で最新のデジタル技術を身につけ、実践的に活用できる人材を育てることを目指し、「BIM×AI建築人材リスキリングプログラム」を2026年秋に開講します。

このプログラムの開講にあたり、工学院大学は建築学部と情報学部が協力する「デジタル構築環境研究センター」(DigiBEセンター)を新しく作りました。DigiBEセンターでは、社会のニーズが高い実務者向けのリスキリングプログラムの開発や、建築業界におけるAIや情報技術の活用を広め、発展させるための研究を行います。

工学院大学内に設置されているデジタルツインラボとBIMで制作した競技場の3Dモデル

建築業界におけるAI・情報技術の活用と課題

現在、建築業界では、BIM(Building Information Modeling:建物の情報をまとめて管理する3Dデジタル設計手法)をはじめとするデジタル技術を使える設計・施工現場の人材が不足していることが、すぐに解決すべき課題となっています。

BIMやAI、その他のデジタル技術の導入が進み、設計や施工に関する情報は急速に高度化しています。設計図面、施工条件、法律・規格などのデータは大量に集められていますが、これらの情報を全体を見て幅広く活用する機会や、それをできる人材は限られています。

また、情報やノウハウが個人のスキルに頼りがちで、組織や仕組みとして定着していないという問題も発生しています。DigiBEセンターでは、建築学部が持つ実務データ(設計図面、施工条件、法律・規格など)と、情報学部が得意とするデータ分析方法を組み合わせて、高い実務スキルを持つ人材を育成し、建築業界の課題解決を支援することを目指します。

建築学部では、BIMモデルの作成や日当たりのシミュレーション、面積の計算、家具の配置検討、イメージ図の作成など、実務に近い形でBIMを活用する取り組みを進めています。DigiBEセンターは、このような実務で得られた知識と情報技術を掛け合わせ、教育と研究のレベルアップ、そして社会での活用をさらに進めていきます。

デジタル構築環境研究センター(DigiBEセンター)の特長

DigiBEセンターには、主に2つの特長があります。

  1. 高度実務者養成、リスキリング(社会人・学生向け)
    主に建築・不動産・建設分野で働く人を対象に、働きながらでも受講できるリスキリングプログラムを提供します。社会人だけでなく、将来建築業界で活躍したい学生も受け入れ、建築の実務への理解を深める機会を提供します。
  2. 分野横断型研究(建築学部×情報学部、企業)
    建築学部と情報学部の研究者に加え、実務で業界をリードする専門家を招き、建築業界の課題解決に直接つながる最新の研究と応用を進めます。BIMとAIを基本とし、実際の建築データを使った検証や研究を通じて、その成果を教育プログラム、実務者向け講座、学部教育、さらに大学院教育へと活かしていきます。

AI(遺伝的アルゴリズム)の活用例

実務者向け「BIM×AI建築人材リスキリングプログラム」

2026年秋に開講するこのプログラムでは、建築実務におけるデジタル技術の活用をテーマに、BIMモデリング、環境シミュレーション、生成AIを活用した設計支援などを計画的に学びます。対象は、建築分野を中心とした実務に携わる中堅層(およそ30代から40代)を想定しています。

教育体制

このプログラムは、建築分野と情報分野の知識を融合した教育体制のもと、大学教員と建築設計の第一線で活躍してきた実務家教員が協力して実施します。センター長は岩村 雅人教授(建築学部建築学科)、副センター長には田中 久弥教授(情報学部情報デザイン学科)が就任します。両学部の連携により、AIやBIMをはじめとするデジタル技術と建築実務を幅広く学べる環境が作られています。

講座では、吉田 哲特任教授(株式会社日建設計 設計技術部門 テックデザイングループダイレクター)、尾門 智志特任准教授(株式会社日本設計 ライフサイエンス部主管)が担当するほか、建築・設計・DX分野で豊富な実務経験を持つ講師陣が参加します。これにより、設計・施工の現場にすぐに役立つ実践的な教育が提供されます。

カリキュラム

カリキュラムは全14回構成で、オンデマンド形式でBIMおよびAIの基礎から実務での応用までを段階的に学びます。

  • 基礎編(第1回~第6回)
    BIM・AIの基礎知識、国内外の動向、国際的な基準やガイドラインなど

  • 応用編(第7回~第13回)
    設計業務でのAI活用、設計・構造・設備・施工の連携、法律への対応、XR・点群データ・画像認識などの最新技術

  • 総括(第14回)
    講座全体の振り返り

※カリキュラム内容は変更となる場合があります。受講料や申し込みの詳しい情報は、7月下旬に工学院大学のホームページに掲載される予定です。

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