PingCAPとパソナデータ&デザインがパートナー提携、AI時代のデータ基盤構築を加速
PingCAP株式会社と株式会社パソナデータ&デザインは、AI(人工知能)を活用する企業のデータ基盤を強化するため、パートナー提携を結んだことを発表しました。

AI活用の課題を解決する新たな提携
最近では、AIが私たちの仕事や生活で「試す」段階から「実際に使う」段階へと進んでいます。しかし、多くの企業では、もともと使っているシステムにあるデータとAIをうまく連携させるのが難しいという問題に直面しています。AIが正しい判断をするためには、正確なデータをすぐに利用できることと、適切な方法でデータを検索できることがとても大切です。
従来のデータ基盤では、AI導入の際に次のような課題がありました。
- リアルタイムで情報が手に入らない
会社の主要なシステムとAIが使うデータが別々だと、データの更新に時間差が生まれてしまいます。もしAIが数時間前の古い情報で判断してしまうと、間違った行動につながる可能性があります。 - 検索方法が限られていると答えの質が下がる
AIがより正確な答えを出すには、RAG(検索拡張生成)という技術のように、関連する多くのデータを参照する必要があります。そのためには、単純なキーワード検索だけでなく、データの意味や関連性で探す「ベクトル検索」や、文書全体から探す「全文検索」など、さまざまな検索方法が必要です。これらが使えないと、AIが十分な知識を引き出せず、期待通りの答えが出せないことがあります。 - システムの壁によるコストと開発の遅れ
これまでのデータ基盤は、AIサービスのように急にたくさんの処理が必要になったり、データの形が頻繁に変わったりすることを想定していません。そのため、AIサービスを連携させようとすると、AIの機能を作るのではなく、既存のシステムに影響がないか調べたり、変更したりする作業に多くの時間や費用がかかってしまいます。
このような状況を背景に、PingCAPは、MySQLデータベースのコンサルティングやサポートで20年以上の実績を持つパソナデータ&デザインと協力することになりました。パソナデータ&デザインの持つ豊富な知識と、PingCAPが提供するAIに特化した新しいデータベース「TiDB X」を取り入れた「TiDB Cloud」を組み合わせることで、次世代のAI活用を支えるデータ基盤の提供を目指します。
TiDB Cloud / TiDB Xが提供する解決策
- MySQLと高い互換性でスムーズなデータ統合
パソナデータ&デザインのMySQLに関する専門知識を活かし、今使っているMySQLのデータを「TiDB Cloud」に簡単に移すことができます。これにより、会社の主要なシステムとAIサービスのデータ基盤を一つにまとめられます。新しくAIサービスを作る場合でも、MySQLと高い互換性があるため、開発や運用にかかる手間を減らし、AIサービスの開発に集中できます。 -
TiDB X:AIエージェントの急な負荷に対応する新しい仕組み
AIエージェントは、人間とは違って、一度にたくさんの複雑なデータを処理する要求を出します。「TiDB X」は、このような要求に応えるために、次のような特徴を持っています。-
サーバーレス・オートスケーリング:AIの活動量に合わせて、データベースの処理能力を自動で増やしたり減らしたりします。これにより、無駄な費用を抑えつつ、急に多くの処理が必要になってもサービスが止まることなく、ビジネスを続けられます。
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ベクトル検索を直接扱える:AIが関連情報を探すRAGという技術に欠かせないベクトルデータを、データベース内で直接扱えます。別の特別なデータベースを用意する必要がなく、一つのデータベースで、購入履歴のような整理されたデータと、マニュアルや会話記録のような整理されていないデータを組み合わせて、とても速く検索できます。
- リアルタイムに取引処理と分析を同時に行う(HTAP)
「TiDB Cloud」は、日々の取引の記録(OLTP)と、その記録を分析する作業(OLAP)を一つのシステムで同時に行えます。これにより、AIサービスにとって大切なデータ分析を同じ基盤で行い、現場からの意見をすぐに取り入れて改善を速く進めることができます。
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AIエージェントを活用したTiDB Cloudの利用例
「TiDB X」によって、「TiDB Cloud」は、AIエージェントのさまざまな処理に対応できる、次世代のデータ基盤へと進化しています。AIエージェントを使った新しいアプリケーションで、「TiDB Cloud」がどのように役立つか、次のような利用例が考えられます。
- 最新の知識を活用したAIカスタマーサポート
「TiDB X」のベクトル検索機能と、既存のデータを組み合わせます。膨大な製品マニュアルやお客様対応の履歴をAIエージェントにリアルタイムで提供することで、常に最新の情報に基づいた、精度の高い自動回答を実現します。 - 一人ひとりに合わせた高度な判断支援
一秒間に何万件もの取引が発生するような大規模な環境でも、過去の行動データと今の状況をすぐに結びつけ、AIエージェントがお客様一人ひとりに最適な提案や計画をリアルタイムで行います。 - 複数のクラウド環境にまたがるデータの統合AI基盤
さまざまな場所やクラウドに散らばっているデータを、MySQLとの互換性が高い「TiDB Cloud」に集約します。パソナデータ&デザインのデータ移行の知識により、業務を止めずに、AIが常にアクセスできる「信頼できる唯一の情報源」を作り上げます。
今後の展開
PingCAPは、パソナデータ&デザインに対して「TiDB Cloud」に関する専門的な技術サポートを提供し、同社の技術体制の構築を支援します。AIエージェントの導入を考えている企業に向けて、今使っているMySQL環境からスムーズに移行できるよう、また新しくAIエージェントを使ったサービスを始めたいお客様には、「TiDB X」の先進的なAI機能を速く試せるよう、実証実験(PoC)の支援を強化していきます。両社は協力して、企業のAI活用を推進し、次世代のAIデータプラットフォームの普及と進化に貢献していきます。
各社代表コメント
パソナデータ&デザインの代表取締役である河野一氏は、この提携について「PingCAP株式会社との戦略的な提携を心より歓迎します。AI時代のビジネスにおいて、TiDBの持つ驚異的な拡張性や、取引処理とリアルタイム分析を同時に行うHTAPの能力は、これからの時代を勝ち抜くために不可欠な技術です。まずはグループ内で技術検証を進め、その知見を基に、ライセンス提供だけでなく、導入コンサルティングから運用保守、人材教育まで幅広いソリューションを提供していきます」と述べています。
PingCAPの代表取締役社長であるEric Hanは、この提携について「MySQLコンサルティングで実績と信頼を持つパソナデータ&デザイン様をパートナーとして迎えられることを大変嬉しく思います。AI時代のデータベースには、性能だけでなく、既存システムからのスムーズな移行が求められます。パソナデータ&デザイン様の深い知見は、お客様がTiDB CloudやTiDB Xを通じてAIの真の価値を享受するための大きな助けになると確信しています。緊密に協力し、お客様のAI活用を支援してまいります」と述べています。
TiDBについて
分散型NewSQLデータベース「TiDB」は、ゲーム、金融、Eコマースなど、さまざまな業界で重要なシステムに導入されており、世界中で4,000社以上の企業に利用されています。TiDBは、従来のデータベースと同じようにSQLを使ってデータにアクセスでき、たくさんのデータを扱える「分散型」の仕組みを持っています。これにより、データの量が増えても柔軟に対応でき、常に安定して利用できる、そしてMySQLと互換性があるという特徴があります。さらに、新しい仕組みである「TiDB X」を取り入れることで、ベクトル検索を含む多様なデータを扱える次世代の基盤へと進化しています。
PingCAPについて
PingCAPは、2015年に設立された企業向けソフトウェアサービスを提供する会社で、オープンソースのクラウドネイティブなデータベースソリューションを提供しています。PingCAPの詳細については、こちらをご覧ください


