IOWNを活用した次世代リモートO&M実証が開始 – プラント運用の高度化と持続可能性向上へ

千代田化工建設株式会社とNTT東日本株式会社は、総務省の令和8年度「地域社会DX推進パッケージ(先進的通信システム活用タイプ)」に採択され、IOWNを活用した「次世代リモートO&M(Operation & Maintenance)モデル」の実証を開始しました。この取り組みには、シーメンス株式会社と日本エマソングループも連携し、産業分野における持続可能で高度な遠隔運転・保全モデルの実現を目指しています。

背景にある課題

近年、地域のプラント設備を取り巻く環境は厳しい状況にあります。人材不足や熟練技術者の高齢化が進み、運転や保全を担う人材が不足しています。さらに、プラント設備の老朽化への対応や災害時の迅速な復旧作業など、現場の負担は増え続けています。このような状況では、これまでのように現場に常に人がいることを前提とした運用を続けることは難しくなっています。遠隔からの監視や制御、大量のデータを使った保全が求められていますが、これまでの通信技術ではデータの遅れなどの問題があり、実現が困難でした。

実証の取り組み内容

この実証では、IOWN APNが持つ「高速大容量」「低遅延」「ゆらぎゼロ」という通信の特長を活かします。複数の場所にあるプラント設備を少ない人数で管理・運用できるかを検証するため、千代田化工建設の子安オフィス・リサーチパークとNTT東日本のNTT中央研修センタをIOWN APNでつなぎます。これにより、遠隔地からリアルタイムでの設備監視、制御操作、異常の兆候検知などを行い、運転の品質、安全性、対応の速さを確かめます。現場に人がいなくても運用できるモデルの実現を目指します。

IOWN APNの活用によって、これまで難しかった「熟練技術者が音や振動のわずかな違いから判断していた設備異常」についても、大量のセンサーデータをリアルタイムで送り、遠隔から高い精度で異常の兆候を検知できるかを確認します。また、プラント運用に欠かせない高い安全性と信頼性を確保しつつ、IOWNの通信特性により、遠隔地からでも現場と同じように安定した操作や制御ができるかを検証します。

この実証で得られた成果は、将来的には千代田化工建設が提供する既存のソリューション「plantOS®」と連携させ、地域のプラントの安全性や効率性を高め、人材不足や災害対応といった社会課題の解決に貢献することが期待されています。

各社の役割

この実証における各社の役割は以下の通りです。

  • NTT東日本: プロジェクト全体の統括・推進、IOWN APNの提供、通信システムの実証

  • 千代田化工建設: 擬似的なプラント環境の構築、プラントシステムの実証

  • シーメンス: バーチャルPLCの提供

  • エマソン: Ethernet APL対応機器の提供

実証期間と今後の展望

実証は2026年7月から2027年2月まで行われる予定です。

この実証とその効果検証を踏まえ、2027年度には実際に導入する候補となるプラントでの安全運用性、保全性、安定性などを検証します。そして、2028年度以降には、遠隔からの運転・保全を可能にする実用的で持続可能なO&Mモデルを確立し、産業インフラ分野の持続的な成長に役立てることを目指します。

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