組み込みパネルコンピュータ市場、2035年までに34億ドル規模へ成長予測 – DX推進が需要を牽引

組み込みパネルコンピュータ市場が2035年までに34億ドル規模に成長予測 – DX推進が需要を牽引

SDKI Analyticsが実施した調査によると、組み込みパネルコンピュータ市場は今後、大きく成長すると予測されています。2025年には約18.5億米ドルだった市場規模が、2035年までには約34億米ドルに達する見込みです。この期間における年平均成長率(CAGR)は約6.2%と予想されています。

組み込みパネルコンピュータ市場の調査結果

市場成長の背景と要因

市場の成長を牽引する主な要因として、データセンターやエッジサイトの建設・改修が挙げられます。これらの施設では、電力や冷却システム、アラームの現場制御のために、堅牢で常時稼働するタッチパネルへの依存度が高まっています。

例えば、米国エネルギー省の指摘によれば、米国内のデータセンターによる電力消費量は、2023年の176TWhから2028年には325〜580TWhに増加する可能性があります。これにより、データセンターが米国の総電力消費量に占める割合は、4.4%から約6.7%~12%に拡大すると見られています。結果として、電気室やデータセンターフロアでローカルHMI(ヒューマンマシンインターフェース)による監視が必要な設備が増加しています。

また、ヨーロッパ委員会の報告書『State of the Digital Decade 2025』では、エッジノードの展開における進展が明確に言及されており、分散型キャビネットやマイクロデータセンターの設置拡大が示唆されています。こうした環境では、従来のデスクトップ型PCよりも組み込みパネルPCが好まれる傾向が強まると考えられます。

市場の課題

一方で、組み込みパネルコンピュータ市場の成長を妨げる可能性のある要因も存在します。主要な課題の一つは、一次アルミニウムの生産減少です。アルミニウムは製品の製造に不可欠なため、生産量が減少すると製品供給が制限される恐れがあります。

米国地質調査所(USGS)の『Mineral Commodity Summaries 2025』によると、2024年における米国の一次アルミニウム生産量は前年比11%減の670,000トンにとどまりました。これに対し、国内消費量は4.3百万トンを超えており、需給ギャップが生じています。これは世界的なエネルギーコストの高騰や新規製錬所への投資不足を反映しており、結果として供給の柔軟性が低下しています。

最新の市場動向

組み込みパネルコンピュータ市場では、新しい製品開発が進んでいます。

  • 2026年3月、CONTECは産業用パネルコンピュータ「PT-M12SA-46×0-G」および「PT-M15SA-46×0-G」を発表しました。これらは第13世代Intelプロセッサを搭載し、スマートファクトリーやエッジコンピューティング環境での利用を想定しています。これらの製品は、製造現場におけるリアルタイム制御やIoT統合を支援することで、市場の発展に貢献すると見られます。

  • 2026年3月1日、NEXCOMはファンレスAIエッジパネルPCの新シリーズ「APPC C21-01」を発表しました。このシリーズは産業用オートメーション技術とエッジAI機能を融合させ、スマートファクトリーの運用を支援するよう設計されています。これは、AIを活用した産業変革において、組み込みパネルコンピュータが果たす役割の重要性が増していることを示しています。

市場のセグメンテーション

組み込みパネルコンピュータ市場は、設置タイプ別にパネルマウント型PC、ラックマウント型PC、ポータブルPCに分けられます。このうち、パネルマウント型PCは予測期間を通じて46%の市場シェアを維持すると見込まれています。この成長は、信頼性、安全性、長期運用性を重視する産業環境において、固定式で堅牢な一体型コンピューティングインターフェースが優先されることに起因します。

例えば、米国国勢調査局の報告によると、2025年の建設支出総額は21,976億米ドルに達する見込みです。新しい産業施設では、製造現場での機器の散乱や落下リスクを避けるため、通常、固定式で筐体一体型のオペレーター用HMIが標準仕様として採用されています。

地域別の概要

北米市場

北米市場は予測期間において、収益シェアで第2位の地位を確保すると見込まれています。エネルギー集約型のインフラ設備が増加しており、これらの設備は遠隔監視だけでなく、現地での直接監視も不可欠であるため、組み込みパネルコンピュータへの需要が高まっています。

米国政府主導の分析では、データセンターの電力消費量が2028年までに325〜580TWhに拡大すると予測されており、これに伴い、堅牢な現場用HMIを必要とするUPS室、スイッチギア設備、冷却スキッドの数が増加しています。これにより、北米全域における組み込みパネルコンピュータ市場の持続的な成長が牽引されています。

日本市場

日本市場も予測期間中に年平均成長率(CAGR)10.66%で推移し、力強い市場拡大を示すと予想されています。「Connected Industries」構想や「令和6年度ものづくり補助金」といった国の施策により、IoT機能を搭載した生産設備への投資が中小企業に推奨されています。こうした設備において、組み込みパネルコンピュータは制御や可視化のための重要な端末として機能します。2024年度の補助金公募では、5,777件の申請のうち2,070件のプロジェクトが採択されており、デジタル機器への設備投資が活発に行われていることがうかがえます。

主要なプレーヤー

世界の組み込みパネルコンピュータ市場で特に注目されるプレーヤーは以下の通りです。

  • Advantech Co., Ltd.

  • Axiomtek Co., Ltd.

  • Kontron AG

  • Dell Technologies

  • Intel Corporation

また、日本市場のトッププレーヤーには以下の企業が挙げられます。

  • Renesas Electronics Corporation

  • NEC Corporation

  • Hitachi Ltd.

  • Mitsubishi Electric

  • Omron Corporation

関連情報

組み込みパネルコンピュータ市場に関する詳細な洞察は、以下のレポートで確認できます。

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