東急建設がAIを活用した鉄道高架橋のクラック調査を実証実験、「eドローンAI」で点検業務を効率化
東急建設、AIで鉄道高架橋のクラック調査を効率化 「eドローンAI」活用で点検品質も向上
東急建設株式会社は、AIを活用した損傷検出サービス「eドローンAI」を導入し、鉄道高架橋のクラック(ひびわれ)調査実証実験を行いました。この実験は、インフラ構造物の点検業務における課題を解決し、作業の効率化と点検品質の向上を目指すものです。
「eドローンAI」(サービスページ:https://www.nttedt.co.jp/edrone-ai)は、コンクリート構造物の表面画像をAIで分析し、ひびわれや劣化損傷を高精度で検出する点検支援サービスです。この技術は、国土交通省の点検支援技術性能カタログにも登録されています(技術番号:BR010076-V0126)。

背景にあった課題
東急建設では、鉄道高架橋などのインフラ構造物点検において、いくつかの難しい課題を抱えていました。
-
高い場所など、人が直接見て確認するのが難しい箇所が多い。
-
撮影した大量の画像の中から、損傷部分を見つけ出してまとめる作業に、多くの時間と人手がかかる。
-
点検を行う人の経験によって判断に差が出やすく、結果にばらつきが生じることがある。
-
点検調査の仕事全体をもっと効率良く、少ない人数で行いたいという要望があった。
こうした課題を解決し、点検の質を保ちながら仕事を効率化するために、「eドローンAI」が活用されました。

活用された内容
今回の点検調査では、以下の方法で「eドローンAI」が活用されました。
点検調査の対象
鉄道高架橋の床版(しょうばん)、主桁(しゅげた)、横桁(よこげた)といったコンクリート構造物が対象となりました。
撮影方法
一眼高解像度カメラを使い、対象範囲全体を網羅するように高解像度で撮影し、AI解析用のデータが取得されました。
解析内容
撮影された画像は「eドローンAI」でAI解析されました。一部の部材については、撮影画像からオルソ画像(歪みがなく、真上から見たような正確な地図のような画像)を作り、それをAI解析することで、損傷箇所を広範囲で把握することが可能になりました。また、クラック損傷図のCADデータ出力も行われました。
AIによる主な検出項目
AIは主に以下の項目を検出しました。
-
ひびわれ(幅と長さ)
-
剥離(はくり:表面が剥がれること)
-
鉄筋露出
-
漏水
-
遊離石灰
導入による効果
「eドローンAI」の活用によって、次のような効果が確認されました。
-
作業の省力化: クラック調査にかかる作業時間が半分に減りました。
-
点検品質の向上: ひびわれの幅が0.05mmという非常に小さいものまで検出できるため、見落としのリスクが減り、点検の質が高まりました。
-
補修作業への活用: ひびわれの幅や長さの情報が数量として算出されるため、補修作業の見積もりに役立てられています。
-
報告資料作成の効率化: ひびわれの線図形が描かれたCADファイルが自動的に生成されるため、これを図面に重ねることで、損傷図を効率良く作成できるようになりました。
これにより、これまで多くの時間が必要だった点検調査後の作業が効率化され、より価値の高い業務に集中できる環境づくりに貢献しています。

今回の実証実験は、建設業界におけるデジタル変革(DX)の推進と、インフラの安全・維持管理におけるAI技術の可能性を示すものと言えるでしょう。


