ホロラボと乃村工藝社、空間プロトタイピングツール「torinome Spaces」を共同開発

株式会社ホロラボと株式会社乃村工藝社は、空間プロトタイピングWebアプリケーション「torinome Spaces(トライノーム スペーシズ)」を共同で開発し、リリースしました。

「torinome Spaces」は、XR(クロスリアリティ)技術を使って、これまで手間がかかっていた空間デザインの検証をもっと簡単にするツールです。Webブラウザ上で3Dモデルや画像を配置すると、XRデバイスでその場で実寸大の空間を確認できます。

3Dモデリングツール

「torinome Spaces」の特徴

このツールは、ホロラボが提供するXRデジタルツインプラットフォーム「torinome」の新しいアプリケーションとして開発されました。従来の「torinome」が広い範囲での情報可視化を得意としていたのに対し、「torinome Spaces」は、室内デザインや家具の配置など、より身近な空間のプロトタイピングに特化しています。

地理情報の設定が不要で、マーカーを使って現実空間と位置を合わせることで、どこでも好きな場所を基準点として直感的に操作できる環境を提供します。

  • ドラッグ&ドロップですぐにXRへ反映: 3Dデータや画像、動画をWebブラウザにドラッグ&ドロップするだけで、すぐにXRデバイスで確認できます。特別なアプリ開発は必要ありません。

  • 原点ベースの自由な配置: 緯度経度の設定は不要です。任意の場所を原点として、コンテンツを自由に配置できます。

  • 操作性を重視したUI: 初めて使う人でも迷わないよう、空間検証に必要な機能に絞り込んだシンプルな画面になっています。

特に「torinome for AVP(Apple Vision Pro)」と組み合わせることで、高精細な映像を通して「実寸大で見て、動かして、決める」空間検証が可能になります。室内デザインだけでなく、展示会やイベント会場のレイアウト、お店の什器やサインの計画など、さまざまな場面で役立ちます。

開発の背景と目的

空間づくりでは、実際にものを作る前に、社内のメンバーやクライアントと「どんな空間にしたいか」を話し合い、合意することがとても大切です。しかし、これまでの3Dパースや図面だけでは、実際の空間の広さや物の大きさが正確に伝わりにくく、イメージにずれが生じることがありました。

そのため、実物大の模型を作って確認する「仮組(かりぐみ)」という工程が行われることがあります。しかし、この仮組には多くの準備期間や場所、費用がかかり、検証のたびにゴミが出てしまうという課題がありました。

乃村工藝社の未来創造研究所は、Apple Vision Proの登場をきっかけに、この「仮組」のプロセスを変えることに着手し、ホロラボと共同でこのツールを開発しました。目的は、実際の仮組を完全に無くすことではなく、検証の初期や途中段階をデジタル化することで、物理的な製作が必要な最終確認に集中できるようにすることです。

XRを使って実寸大で何度も検証できる環境を整えることで、短期間に多くのアイデアを試せるようになり、空間づくりの意思決定の質とスピードが向上します。また、物理的な仮組の回数や規模を減らすことで、時間や費用を抑え、資源の使用や廃棄物を削減し、より環境に優しい空間づくりのプロセスへと変えていくことを目指しています。

有効性の確認

実際のプロジェクトで導入する前に、乃村工藝社の開発部門である未来創造研究所 NOMLABの自主案件で、このツールの実用性が検証されました。最初の段階では、家具や展示用の什器を中心に、実寸大でデザインを確認する用途で活用が始まりました。

VRヘッドセット装着者と仮想空間

VR/AR体験中の人物

このようなプロトタイピングを何度も繰り返すことで、現在は空間全体のボリューム検討においても十分な成果が出ています。

このツールの詳細については、乃村工藝社 未来創造研究所 NOMLABのウェブサイトでも紹介されています。

「仮組」のDXを実現する、実寸大の空間検証ツール「torinome Spaces」をホロラボと共同開発しました: https://rd.nomurakougei.co.jp/project/technology/page/phygital-torinome-spaces

今後の展開

ホロラボは、乃村工藝社の実際の業務プロセスへの導入や活用をサポートし、設計プロセスのDXをさらに加速させていきます。同時に、「torinome Spaces」の機能も継続的に増やしていく予定です。

今後は、Apple Vision Pro以外のXRデバイスにも順次対応し、どのデバイスでも活用できる環境を整えます。さらに、torinome Base(3Dマップ)との連携によって、都市全体のスケールから個別の空間スケールまでをスムーズにつなぐプラットフォームへと進化させていくとのことです。

torinome(トライノーム)について

「torinome」は、ホロラボが開発・提供するXRデジタルツインプラットフォームです。国土交通省のProject PLATEAUによる3D都市モデルをはじめ、GISデータや3Dモデルを3Dマップ上で見ることができます。様々なデバイスに対応したXRアプリと連携し、都市計画やまちづくりから空間デザインまで、幅広い分野で活用されています。

torinomeプラットフォームの概要

torinome 公式サイト: https://hololab.co.jp/services/packages/torinome/

株式会社ホロラボについて

ホロラボは、ARやVRといったXR技術と、BIMやフォトグラメトリ、3D都市モデルなどの3D空間データ技術、そしてそれらが作り出す新しい体験を専門とするテクノロジー集団です。目の前の驚くような体験から、まちづくりのDXにおける都市のデジタルツインまで、広がり続ける分野の最先端を常に学び、世の中に発信し、共に楽しむことを目指しています。

ホロラボのロゴ

株式会社ホロラボ 公式ウェブサイト: https://hololab.co.jp

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