建設業の人手不足、その正体は「人数」だけではなかった ~BIM活用で現場改善に手応え、DX効果実感は6割に拡大~
建設業の人手不足、その正体は「人数」だけではなかった
建設業界では、「2024年問題」や「2025年問題」といった課題に直面しており、特に人手不足は深刻化の一途をたどっています。しかし、その人手不足の本当の理由は何なのでしょうか。
BuildApp総合研究所は、全国の建設従事者1,000名を対象に意識調査を実施しました。この調査から、人手不足の背景には「時間」と「技術継承」という構造的な問題があることが判明しました。一方で、BIM(Building Information Modeling)の活用が現場改善に大きな手応えをもたらし、デジタル化(DX)の効果を実感している人が前回の3割から今回は6割にまで増加していることが明らかになりました。
調査概要
この調査は、建設業界の「2024年問題」と「2025年問題」に対する受け止め方や、施工BIM(Building Information Modeling)の活用状況を詳しく知るために行われました。
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調査期間: 2025年11月14日~11月21日
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回答数: 1,000名
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調査対象者: 全国の建設産業従事者
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調査方法: インターネット調査
建設業界の現状:2025年問題の認知と技術継承の不安、働き方改善と人手不足の実感
調査の結果、「2025年問題」について「認知している」と答えた人は89.1%に上り、その内容まで理解している人は63.0%でした。特に、内容を深く理解している層の92.0%が「技術継承に不安を感じている」と回答しています。その背景には、「若手の定着・育成」や「仕組み不足」、そして「人手不足」が挙げられています。

働き方改革による時間外労働の上限規制が導入された後、休日日数や残業時間、安全面が「改善された」と感じる人は55.3%と半数を超えました。

しかし、依然として人手不足を「実感している」と答えた人は67.3%と高い水準にあります。このことから、人手不足は単に人数が足りないだけでなく、技術の継承や若手の育成といった、より深い構造的な課題を抱えていることがわかります。

BIMによる現場改善への手応え:DX効果実感の拡大
前回の調査(2025年4月実施)では、建設業におけるデジタル化(DX)に「効果を実感している」という声は約3割にとどまっていました。しかし、今回の調査では、BIM(Building Information Modeling)の導入によって「現場が改善する」と答えた建設従事者が60.7%に達し、デジタル活用の実感が高まっていることが明らかになりました。デジタル導入の実感が強い層ほど、現場改善への手応えも強く感じている傾向が見られます。

BIM導入の課題と活用項目
BIM導入における主な課題としては、「導入コスト」(44.9%)が最も多く挙げられました。次いで「教育・研修の不足」(36.8%)、「現場の理解・意識」(36.5%)、「システムの使い勝手」(33.4%)が課題として認識されています。活用が進むにつれて、これらの課題がより具体的に意識されるようになっていることが示唆されます。

設計BIMの情報を施工段階でどのように活用しているかについては、「施工計画の立案」(43.2%)、「仮設計画や施工手順の可視化」(40.0%)、「現場での施工管理」(34.7%)、「材料・部材の数量拾い」(29.5%)が上位を占めました。複数の項目で活用が進むほど、BIMのメリットがより具体的に実感されていることがわかります。

設計BIMから施工BIMへの連携課題
設計BIMから施工BIMへの情報連携においては、「情報の不足・不整合」(42.0%)が最大の課題として挙げられています。また、「関係者間の連携不足」(36.5%)や「BIM担当者の人材・スキル不足」(36.0%)も大きな課題です。これらの課題を解決するためには、事前に情報項目や精度について合意し、検証のプロセスを設けることが重要であると考えられます。

施工BIMがもたらすメリットと技術継承への貢献
施工BIMの主なメリットとしては、「作業手順の可視化による安全性向上」(42.0%)、「工程管理の精度向上」(41.9%)、「協力会社との情報共有の円滑化」(44.0%)、「手戻りやミスの削減」(32.0%)が挙げられています。これらのメリットは、現場の効率化だけでなく、安全性向上にも寄与していることがわかります。

さらに、BIMが技術継承に「役立つ」と評価する人は69.3%に達しました。一方で、30.7%が「役立たない」と考えており、その背景には「教育時間の不足」や「標準化の遅れ」があることが示唆されています。

BuildApp総合研究所について
BuildApp総合研究所は、建設産業におけるデジタル技術の活用とサプライチェーンの変革を進めるために、2024年12月に設立されました。建設DXやデジタルツールの活用方法に関する情報発信を通じて、社会と未来への貢献を目指しています。
BIM連携プラットフォーム「BuildApp」の紹介
「BuildApp(ビルドアップ)」は、設計事務所やゼネコンが作成したBIM設計データを、各建設工程で必要なデータとして活用し、建設工程全体の生産性を高めるクラウドサービスです。設計から生産、流通、施工管理、維持管理までをBIMでつなぎ、コスト削減や廃棄物・CO2削減に貢献します。

BuildAppは、建設業界のデジタル変革を通じて社会貢献を目指しています。
新サービス「BuildApp 内装 建材数量・手配サービス」

2025年2月より、BuildAppの新サービス「BuildApp 内装 建材数量・手配サービス」が商用提供を開始しました。このサービスは、建材の発注数量の計算や施工情報の自動出力ができる、内装仕上工事向けのものです。BIMを活用し、内装仕上工事における建材手配業務を効率化し、無駄を減らすことを目指しています。
関連リンク
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BuildApp WEB: https://build-app.jp/
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お問い合わせ フォーム: https://build-app.jp/contact/
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野原グループ株式会社: https://nohara-inc.co.jp
参考資料
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働き方改革の“成果”は現場に届いたか ~2024年問題からイマの現場リアルは: https://nohara-inc.co.jp/news/release/10881/
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「建設2025年問題」が建設業界に突きつける現実―技術継承と人材不足の壁 熟練技術者の大量退職で「技術継承に不安」9割超、若手定着と教育体制に課題: https://nohara-inc.co.jp/news/release/10967/
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【独自調査】建設DX、半数以上がデジタル化に着手、約3割が効果を実感: https://nohara-inc.co.jp/news/release/10305/


