福岡市でドローン「IBIS2」を活用した下水道調査を実施、インフラ点検のDX推進へ

ドローン「IBIS2」が福岡市の下水道調査に活用される

株式会社MAX工業は、福岡市内の下水道施設において、株式会社Liberawareが開発した狭小空間点検ドローン「IBIS2」を活用した下水道調査を実施しました。この取り組みは、株式会社環境開発との共同で行われ、自治体におけるインフラ点検のデジタル変革(DX)の「標準化」に向けた運用モデルの検証を目的としています。

作業員が打ち合わせている様子

下水道点検の現状とドローン活用の背景

下水道の点検作業は、酸欠や硫化水素といった危険なガス、そして閉鎖された暗い場所での作業が伴うため、作業員の安全確保と点検の効率化が大きな課題となっています。

近年、国の検討会でもドローンなどの新しい技術を使った保全の高度化が進められており、その普及に向けた計画も示されています。このような状況の中、今回の調査は、自治体の現場で「安全」「効率」「再現性」を満たす運用方法を確立し、継続的にドローンを活用していくことを目指して行われました。

青いメッシュの網の中に置かれたIBIS2ドローン

調査の概要

今回の共同調査は、2025年12月22日に福岡市内の下水道施設で行われました。株式会社環境開発と株式会社MAX工業が協力し、Liberawareの「IBIS2」を使用しました。

主な検証項目は以下の通りです。

  1. 閉鎖された暗い環境での映像取得の安定性
  2. 作業員が立ち入る機会を最小限にする安全な設計
  3. 調査の準備から実施、記録までの一連の作業手順の再現性(標準化)

調査は、合計2箇所の施設、総延長197.9m(ヒューム管φ2000=106m、BOXカルバート◻︎2500×1500=91.9m)で行われました。

暗いコンクリート製の大きなパイプ内部の様子

調査で得られた成果

この調査を通じて、実際の運用に向けたドローンの有効性が確認されました。

  • 安全性: 人が施設に立ち入ることを減らした調査設計が可能になりました。

  • 可視化: 狭くて暗い環境でも、状況を把握するために必要な映像を安定して取得できました。

  • 標準化: 作業手順や記録の様式を統一することで、同じような現場への応用(再現性)が期待できます。

関係者の声

株式会社環境開発の特殊機工部次長である河原氏は、「下水道の点検・調査は、腐食環境や水の量が多いことなどから、安全面で大きな制約を受けます。今回の調査で、人が下水道施設に入らなくてもドローンを使って点検できる可能性と有用性を確認できました。今後は、さらに精度の高い点検調査を目指し、運用を通じて新たな課題を見つけ、改善していきたいです。」とコメントしています。

株式会社MAX工業の代表取締役CEOである宮原辰光氏は、「下水道維持管理の現場をよく知る環境開発様と共同で調査できたことは、『IBIS2』が現場で継続して使える技術として社会に広がる上で大きな進歩です。下水道点検は安全確保と省人化が同時に求められる分野であり、私たちは自治体の現場で必要とされる安全設計、運用手順、記録様式を含む『運用の型』を確立することが重要だと考えています。今後は環境開発様との協力を深め、福岡市内での継続運用を進めながら、得られた知識をもとに他の自治体へも展開できるモデルに磨きをかけ、九州全域のインフラ維持管理の高度化に貢献してまいります。」と述べています。

今後の展開

株式会社MAX工業は今回の取り組みをきっかけに、以下の活動を進めていきます。

  • 福岡市内での継続的な運用(定期調査や追加区間)に関する話し合い

  • 運用手順、安全基準、記録様式の標準化(他の地域へ広げるための型作り)

  • 九州エリアでの自治体やインフラ事業者への展開強化(パートナーとの連携を含む)

狭小空間点検ドローン「IBIS2」について

「IBIS2」は、「狭くて、暗くて、危険な」屋内の空間の点検や計測に特化した、世界でも最小クラスのドローンです。過酷な環境でも安定して狭い空間を飛行でき、より鮮明な点検映像を撮影することで、屋内の狭い場所での点検作業の便利さや使いやすさを大きく向上させます。

製品ページ: https://liberaware.co.jp/ibis2/

外形寸法 194mm×198.5mm×58mm
重量 243g(バッテリ込み)
製造国 日本

IBIS2ドローンとパッケージ、手のひらに乗せられたIBIS2

会社概要

株式会社MAX工業

本社:福岡県北九州市八幡東区春の町4-5-15

代表取締役CEO:宮原 辰光

建設業で培った現場の経験を活かし、国産ドローンを中心とした導入支援、運用支援、人材育成を行う企業です。「IBIS2」などのドローンを使って、インフラ設備の点検・調査において、機体の提供から講習、現場での運用、データの活用までを一貫して支援し、現場の安全性向上と業務効率化に貢献しています。

コーポレートサイト:https://www.drone.max-kougyou.com/

株式会社環境開発

本社:福岡県福岡市博多区吉塚6丁目6-36

代表取締役:牟田 義彦

60年以上の豊富な経験と実績を持ち、最新技術を駆使して、調査から最適な工法での管更生工事までを迅速かつ効率的に行い、都市機能の維持管理に貢献しています。

コーポレートサイト:https://www.kankyo-k.co.jp/

株式会社Liberaware

本社:千葉県千葉市中央区中央3-3-1

代表取締役:閔 弘圭

「誰もが安全な社会を作る」を目標に掲げ、「狭くて、暗くて、危険な」屋内の点検・計測に特化した世界最小クラスのドローン開発と、ドローンで集めた画像データを解析し顧客に提供するインフラ点検・維持管理ソリューションを提供しています。「見えないリスクを可視化する」ことを追求し、人々に安全で平和な社会を届けることを目指しています。

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