マクニカ、CoolAutomationソリューションの日本包括窓口に 空調のスマート化でスマートビルディングとGXを推進
株式会社マクニカは、空調のスマート化ソリューションを提供するCoolAutomation Japan合同会社と販売代理店契約を締結しました。これにより、マクニカはCoolAutomationソリューションの日本における総合窓口として、販売から施工、導入後の技術サポートまでを一貫して提供します。
スマートビル化を阻む空調設備の課題
現在、カーボンニュートラルの実現やGX(グリーントランスフォーメーション)の推進が求められており、ビルや施設におけるエネルギー消費の削減は重要な課題です。建物全体のエネルギー消費の中で、空調設備(HVAC)が最も大きな割合を占めています。しかし、これまでの空調設備はメーカーごとに異なるシステムで構築されてきたため、建物全体での統合的な制御やデータ活用が難しいという課題がありました。
特に、既存の建物では複数のメーカーの空調設備が混在していることが一般的です。そのため、ビル管理システム(BMS)やエネルギーマネジメントシステム(EMS)、クラウドサービスと連携して高度なエネルギー管理や遠隔監視、AIによる最適な運転を実現することは容易ではありませんでした。このような「閉じられた空調」の状況が、スマートビル化を進める上での大きな障壁となっています。
CoolAutomationソリューション:空調を「デジタルインフラ」へ
CoolAutomationは、メーカーを問わず様々な空調設備を一つにまとめ、スマートな制御、状況の見える化、クラウドでの管理を可能にするHVACオートメーションソリューションを提供しています。
その中心となる製品が、空調統合ゲートウェイ「CoolMaster」シリーズです。この製品は、多様な空調システムの通信方式に対応しており、建物内の空調機器を共通のデジタル接続口でつなぎます。これにより、これまでバラバラに管理されていた空調設備を一つにまとめ、まとめて監視したり、遠隔から操作したり、運転データをグラフなどで確認したり、エネルギーを最適化したりすることができます。

さらに、「CoolMaster」シリーズは国際標準オープンプロトコルに対応しているため、BMSやEMS、IoTプラットフォーム、クラウドサービスとの連携も簡単に行えます。これにより、空調設備は単なる機器としてだけでなく、ビル全体のエネルギーを最適化するための「デジタルインフラ」として活用できるようになります。
マクニカによる一貫したサポート体制
マクニカは、CoolAutomationソリューションの日本での展開において、技術商社としての確かな実装力と、お客様に寄り添う支援をワンストップで提供します。
導入の初期段階では、既存の空調設備や建物の環境を考慮した事前のテストから、最適なシステム構成の検討までをサポートします。導入時には、協力する施工パートナーと連携し、現地での導入支援や動作確認を徹底します。
また、国内のスマート空調ビジネスをさらに広げるため、SIer(システムインテグレーター)などのパートナー企業への教育支援も積極的に行い、業界全体の技術レベル向上と協力体制の構築を進めます。導入後も、初期サポートや問題解決といった技術支援を一貫して行うことで、お客様の技術的な不安や運用にかかる負担を最小限に抑え、確実なスマートビル化を力強く後押しします。
次世代型「スマートビル管理プラットフォーム」の構築を目指す
マクニカはこれまで、独自に開発した空気質モニタリングソリューション「AiryQonnect」を通じて、オフィスや公共施設、工場などにおける空気環境の見える化や、WELL認証取得の支援を行ってきました。
今回、新たにCoolAutomationソリューションを導入することで、「AiryQonnect」による「空気質の見える化」と、CoolAutomationによる「空調の最適な制御」を統合した、次世代型の「スマートビル管理プラットフォーム」の構築を目指します。このプラットフォームでは、温度や湿度、二酸化炭素濃度などの空気質データをもとにAIが空調を自動で運転することで、利用者の快適さを保ちながら、電力消費の最大限の削減(省エネ)と管理業務の効率化を同時に実現します。

今後の展望
マクニカは、CoolAutomation Japanとの連携を通じて、日本市場における空調設備のオープン化を進め、既存の建物を含むスマートビルディングの普及とGXの加速に貢献していきます。空調を単なる設備ではなく、建物全体のエネルギーを最適化し、ビルを賢くする中心的なインフラと位置づけ、空調を起点としたスマートビルエコシステムの構築を目指します。
CoolAutomation Japan合同会社 代表執行役社長の横山 大樹氏は、次のように述べています。
「日本の建物において、空調は最も多くのエネルギーを消費する設備であり、スマートビルディングを実現する上で非常に重要な設備です。しかしこれまで、空調設備はメーカーごとに異なるシステムとして作られることが多く、建物全体のデジタル化やエネルギー管理を進める上での大きな課題でした。CoolAutomationは、空調設備をメーカーの違いを超えてつなぎ、データとして活用できるオープンプラットフォームを提供することで、この課題を解決します。さらに、空調設備の接続やデータ活用にとどまらず、設備の遠隔制御や最適な運転まで可能にすることで、空調を建物全体のエネルギー管理や設備運用の中心として活用することを可能にします。CoolAutomation Japanは『空調がスマートになることで、ビルがスマートになる』という考え方を掲げています。
空調設備を自由に接続し、データとして活用し、さらに制御まで可能にすることで、エネルギーの最適化、遠隔管理、AIによる設備運用など、これまで難しかった新しいビル運用の可能性が広がります。これまでスマートビルディングの実現において、空調はしばしば『最後のピース』とされてきました。今回、AI・IoT分野で世界最先端の技術力とグローバルネットワークを持つマクニカと連携することで、この最後のピースの課題を解決し、日本のスマートビルディングの発展を大きく加速できると確信しています。
CoolAutomation Japanは今後も、空調設備のオープン化を通じて、日本の建物のデジタル化とGXの推進に貢献してまいります。そして、空調が単なる設備ではなく、ビルの知能化を支える中心的なインフラとなる時代を、日本から実現していきます。」
用語解説
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HVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning):暖房・換気・空調(冷暖房)設備を指す業界用語です。オフィスビル、工場などで温度・湿度・空気質をまとめて管理するシステムを意味します。
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国際標準オープンプロトコル:特定のメーカーに限定されず、世界中で自由に使える通信方式の規格です。BACnet、Modbus、KNXなどが代表的です。これにより、メーカーに縛られずにシステムを連携させたり、クラウドを使った高度な管理がしやすくなります。
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AiryQonnect(エアリーコネクト):温度、湿度、CO2、TVOCガス、PM2.5など、空気環境を測る高精度センサー、データを送るための無線通信、集めたデータを見える化するダッシュボード、外部連携のためのAPIなどを提供する総合サービスです。
関連情報
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CoolAutomation製品の詳細:https://www.macnica.co.jp/business/connectivity/manufacturers/coolautomation/
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CoolAutomationについて:https://coolautomation.com/ja/
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株式会社マクニカについて:http://www.macnica.co.jp


