CPコンクリートコンソーシアムと滋賀県、姉川護岸工事でCO2吸収コンクリートを施工

CPコンクリートコンソーシアムと滋賀県、姉川護岸工事でCO2吸収コンクリートを施工

CPコンクリートコンソーシアム(CPCC)と滋賀県は、地球環境に配慮した地域社会を作るために協力し、滋賀県を流れる姉川の護岸工事で、CO2(二酸化炭素)を吸収して閉じ込める「CPコンクリート」を使った根固めブロックを設置しました。この工事は2026年3月に完成しています。

姉川に設置されたCPコンクリート製根固めブロック
写真1:姉川に設置した根固めブロック

環境への取り組みの背景

世界中で環境問題への意識が高まり、CO2の排出量を減らす取り組み(脱炭素化)が求められています。国土交通省も2025年に「脱炭素アクションプラン」を決め、コンクリートの脱炭素化を重要な目標の一つとしています。
国土交通省の土木工事の脱炭素アクションプランについて、さらに詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_001200.html

CPCCは、建設現場で不要になったコンクリートや、建物を壊したときに出るコンクリートの破片など、これまでゴミとして扱われていた材料にCO2を固定し、再びコンクリートの材料として使う技術「CPコンクリート」を開発しています。この技術は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業に選ばれ、開発が進められています。

一方、滋賀県は、2020年1月に「しがCO2ネットゼロムーブメント」という活動を始め、2050年までに県内のCO2排出量を実質ゼロにする目標を掲げています。また、琵琶湖をはじめとする豊かな水環境を守るため、公共工事でも環境に配慮した取り組みを積極的に行っています。
滋賀県の「しがCO2ネットゼロムーブメント」について、さらに詳しくはこちらをご覧ください。
https://zeronavi.shiga.jp/shiga-co2-netzero-movement/

こうした背景から、CPCCと滋賀県は協力し、琵琶湖に流れ込む姉川の護岸工事でCPコンクリート製の根固めブロックの製造と設置を行いました。

取り組みの内容

CPCCのメンバーは、それぞれの専門知識を活かし、CPコンクリートを使った「プレキャスト部材」(工場で事前に作られたコンクリート製品)を作りました。

今回の工事では、作られたブロックの一部を、いぶきグリーンエナジーバイオマス発電所(滋賀県米原市)でCO2を固定する作業を行い、植物由来のCO2をブロックに閉じ込めました。CP生コンクリートは、将来の供給体制も考えて、湖北生コンクリート協同組合の協力を得て、湖北大阪生コンクリート株式会社が製造・出荷しました。
いぶきグリーンエナジーバイオマス発電所について、さらに詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.yama-muro.co.jp/ibuki/

これまでのCPコンクリートを使ったプレキャスト部材は、歩道のブロックやベンチなど、比較的小さな製品が中心でした。しかし、今回の姉川の護岸工事では、重さが約3トンもある根固めブロックという大型の部材に初めてCPコンクリートが使われました。CPCCは今後も、河川や港湾などのインフラ整備で、このような大型のプレキャスト部材へのCPコンクリートの利用を積極的に進めていく予定です。

今回製造された根固めブロックに固定されたCO2の量は、これから測定・検証され、日本の温室効果ガス排出量に関する報告書(日本国温室効果ガスインベントリ報告)に反映するためのデータとして提供されます。
日本国温室効果ガスインベントリ報告について、さらに詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg-mrv/overview.html

CPコンクリート製の根固めブロック
写真2:CPコンクリート製の根固めブロック

CPCC各社の主な役割

  • 株式会社安藤・間: 姉川護岸工事に設置するCPコンクリート製根固めブロックのコンクリート製造、打込み、養生、脱型など、一連の作業を担当しました。

  • 灰孝小野田レミコン株式会社: 根固めブロックに使うCPコンクリート用の炭酸化再生骨材の製造と、コンクリート製造の技術的な支援を行いました。

  • 青木あすなろ建設株式会社: コンクリートの配合を決める検討と、CPコンクリート用の締め固め機械の開発・適用を行いました。

CPコンクリートコンソーシアムは、建設会社や生コン工場、大学など15の企業・団体が集まっており、2022年からCO2を吸収・固定するCPコンクリートの開発を進めています。CPコンクリートは、セメントを作る過程などで発生するCO2を、コンクリートの産業廃棄物に固定し、コンクリート材料として再利用する循環システムを作ることを目指しています。この新しい技術により、CO2の吸収と固定を最大・最速で実現し、カーボンネガティブ(CO2排出量を実質マイナスにすること)を目指しています。
CPコンクリートコンソーシアムのホームページやYouTubeチャンネルもご覧ください。

CPCCと滋賀県は、これからも脱炭素社会の実現に向けて協力し続けていくことでしょう。

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