ヤンマー建機、製造業AIデータプラットフォーム「CADDi」を複数部門で活用し業務改善を実現

導入背景と直面していた課題
ヤンマーホールディングス株式会社のグループ企業であるヤンマー建機は、小型建設機械分野をリードするグローバル企業です。ミニショベルをはじめとする製品の開発、製造、販売、アフターサービスまでを一貫して提供し、世界中の現場を支えています。
しかし、同社では設計、購買、品質管理の各システムが独立しており、必要な情報を見つけるまでに多くの手間がかかっていました。その結果、似たような図面がすでに存在しているにもかかわらず、それを見つけられずに新しい図面を作ってしまうことが頻繁に発生し、直接的・間接的なコストの増加につながっていました。
また、図面などのデータ活用に関する知識や経験が一部のベテラン社員に集中しており、不具合が発生した際に、関連する他の部品へ情報を広めるのにも時間がかかっていました。このような状況から、組織全体でのデータ活用に課題を抱えていました。
AIデータプラットフォーム「CADDi」導入による具体的な成果
ヤンマー建機は、製造業AIデータプラットフォーム「CADDi」を2025年度から開発、購買、原価企画、品質保証、品質管理の5部門で本格的に活用し始めました。導入からわずか1年で、各部門で具体的な業務改善の成果が表れています。
特に以下の3つの部門では、顕著な効果が確認されています。
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購買部: AIが類似する図面を探し出す機能を使うことで、取引先の候補を絞り込む時間が、1つの部品あたり5〜10分かかっていたものが2〜3分に短縮されました。これは最大で70%の削減にあたります。経験の少ない担当者でも、ベテラン社員と変わらない高い精度で候補を絞り込めるようになりました。
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品質保証部: 数千件に及ぶサプライヤー調査報告書と図面を紐付けて管理する体制が作られました。これにより、不具合が発生した際に他の部門へ迅速に情報を共有したり、設計変更後の部品に関する調査報告書をすぐに参照したりすることが可能になりました。
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開発部: 図面の注記を特定したり、似た形状の部品を探したりするなど、複数の場面でCADDiの活用が定着しました。これにより、一人あたり週に1時間分の業務が効率化されています。また、CADDiのライセンスを持つ社員のほぼ全員が継続利用を希望しており、現場での浸透も着実に進んでいます。
このように、導入から1年という短期間で、5つの部門それぞれが独自の活用方法を見つけ始めており、組織全体でのデータ活用が点から面へと広がりつつあります。数字に表れる効率化だけでなく、これまで個人の知識に頼っていたデータへのアクセスが、組織全体の共有財産になりつつあり、その活用の範囲は今後も広がっていくことが期待されます。
今後の展望
ヤンマー建機では、それぞれの部門でのCADDi活用を定着させるだけでなく、設計、原価企画、品質管理といった部門が連携した活用を目指しています。具体的には、機種を超えて図面を再利用したり、新しい図面の作成を減らしたりすることで、設計にかかる手間や品質上のリスクを低減することを目指します。また、不具合の記録を図面と紐付けることで、再発を防ぐための仕組みを構築するなど、部門間の情報共有を通じて業務のさらなる高度化を進めていく計画です。
同社は、ログイン率20%という目標を設定し、社員が「調べることを習慣化」したり、「データを活用しやすいように管理する意識付け」を促したりしています。さらに、業務経験の浅い社員が早く戦力となるための支援にもCADDiの活用を広げ、組織全体のデータ活用能力を高めていく方針です。
ヤンマー建機株式会社 経理財務部原価企画グループの石橋 海氏は、CADDi導入の経緯と効果について次のようにコメントしています。

「当初、当社ではすでに図面を電子管理していましたが、似たような図面を探す手段が不足していたため、CADDiの導入を検討しました。しかし、その過程で、別の情報を紐付けられる点や、AI-OCRによって文字データを取得できる点などが、想像以上に検索のしやすさや情報の集めやすさを高めることになりました。結果として、業務効率が改善されただけでなく、これまで難しかった情報の調べ方やまとめ方も容易になったことが、1年で活用が定着し、各部門での効果につながっているのだと思います。今後も、業務効率や業務品質、情報管理の意識改善、そして教育支援のために、CADDiの活用を推進していきたいと考えています。」
製造業AIデータプラットフォーム「CADDi」について
「製造業AIデータプラットフォームCADDi」は、製造業の設計から供給までの工程で発生するデータを分析し、関連付けることで、生産活動や意思決定をより高度にするための製品です。製造業の専門知識とAI技術を組み合わせることで、バラバラに存在する経験やデータを価値ある財産に変え、企業の競争力を高めます。
詳細については、以下のウェブサイトをご覧ください。
キャディ株式会社について
キャディ株式会社は、「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」という使命を掲げ、点在するデータや経験を資産に変え、経営の意思決定と実行の基盤となる「製造業AIデータプラットフォームCADDi」を提供しているグローバルスタートアップです。「CADDi Drawer」や「CADDi Quote」といったアプリケーションを通じて、企業の判断と実行を変え、経営レベルでの大きな成果を生み出しています。日本をはじめ、アメリカ、ベトナム、タイを含む4カ国で事業を展開し、製造業のグローバルな変革を実現しています。これまでの資金調達総額は257.3億円に上ります。なお、部品調達支援事業は現在、AIプラットフォーム事業に統合されており、部品・組立品の提供は終了しています。


