建築設計AI「ACIMUS KIWARI」が登場、BIMモデル案を一括生成し設計の初期段階を支援

次世代建築設計AI「ACIMUS -KIWARI-」の紹介画像

株式会社ACIMUSは、建築設計AI「ACIMUS KIWARI(アキムス・キワリ)」を開発し、専門家によるレビューを前提とした先行検証プログラムへの参加企業の募集を始めました。このAIは、テキストや画像、既存のBIMモデルなど、様々な情報を元に、設計のアイデアとなるBIMモデル案をまとめて作り出します。

「ACIMUS KIWARI」は、2025年6月に正式にリリースされた「ChatBIM ACIMUS(チャットビム・アキムス)」の次の段階となる建築設計AIです。AIとの対話でBIMモデルを作る機能から、AIに条件を与えるだけでBIMモデル案を一括で生成する段階へと進化しています。

ACIMUS KIWARIとは

「ACIMUS KIWARI」は、テキスト、画像、ボリューム(建物の大きさ)、2D図面、既存のBIM/3Dモデルといった情報を元に、AIが編集可能なBIMモデル案を一括で生成する建築設計AIです。生成されたモデル案は、建築士や構造設計者、設備設計者といった専門家が確認し、必要に応じて修正することを前提としています。

「KIWARI」という名前は、日本の伝統建築にある「木割(きわり)」という考え方にヒントを得ています。木割は、柱の間隔や太さを基準に、建物全体の寸法やバランスを決める方法です。「ACIMUS KIWARI」も、この考え方を現代のAI技術に応用し、AIが設計の条件を読み取り、建物の「かたち」を割り出すという意味が込められています。

日本の伝統建築「木割」のロゴデザイン

現時点では、AIが単独で建築確認申請用の完成モデルや、実施設計用のモデルを完全に生成したり保証したりするものではありません。しかし、将来的にAIの進化とBIMデータの整備が進めば、より完成度の高い設計案が生成される可能性を秘めています。

設計初期を支援するLiteBIMの考え方

LiteBIMは、設計初期段階の建築設計を支援するシステム

ACIMUSが重視している「LiteBIM(ライトビム)」は、AIだけで建築設計の全てを完結させることを目指していません。建築設計には、法律に関わる責任や建物の安全性、災害時の避難方法、工事の実現性、お客様の希望など、最終的に人間の専門家が責任を持って判断すべき大切な部分があります。

そのため、ACIMUSは、建築確認申請用の完成モデルなどをAI単独で生成するのではなく、その前の段階である企画、基本計画、基本設計の前半といった「ゼロからイチを生み出す」検討作業を支援するツールとして開発を進めています。

設計の条件がまだ固まっていない段階で、複数の設計案を比較したり、初期のモデルを素早く立ち上げたり、関係者間で合意を形成したりする手助けをすることが、ACIMUSの役割です。

「ACIMUS KIWARI」もこの考え方を引き継ぎます。AIが生成するBIMモデル案は、あくまで専門家がレビューし、設計の検討や案の比較、社内外での合意形成に役立てるためのものです。既存の高性能なBIMソフトウェアの機能と競合せず、AIで生成したモデル案を専門家が確認・修正した上で、必要に応じて既存のBIM環境へ引き継ぐことを想定しています。

ACIMUS KIWARIで検証する5つの入力パターン

「ACIMUS KIWARI」は、建築設計の初期段階で様々な情報からBIMモデル案を一括生成できるかを検証します。現在、以下の5つの入力パターンを対象としています。

テキスト、画像、ボリューム、図面といった多様な情報源からBIMモデルを生成し、さらにリノベーションに活用する「ACIMUS KIWARI」のワークフロー

  1. Text to BIM
    建物の用途や敷地の条件、階数、必要な部屋、広さ、外観のイメージ、構造や設備の考え方などを文章で入力し、これらの言葉の要件を、敷地や階の構成、間取り、構造の基準線、窓やドア、外構、設備スペースといったBIMの要素に変換できるかを検証します。
  2. Image to BIM
    参考となる建物の写真などから、建物の階の構成、外側の形、使われている材料の雰囲気、窓などの開口部のリズム、バルコニー、外構、建物の正面の特徴などをAIが読み取り、BIMモデル案として生成できるかを検証します。これは、写真を測量して建物を正確に復元するのではなく、設計の方向性を整理し、初期のBIMモデル案に反映させるための取り組みです。
  3. Volume to BIM
    建物のボリューム(大きさや形)や、部屋の配置がすでに整理されている場合に、その情報を元に、間取りの計画、構造の基準線、建築の要素、外構、内装、設備スペースなどをAIが補って作れるかを検証します。設計者が整理したボリュームから、複数の設計案を検討したり、BIMモデルを作るスピードを上げたりすることを想定しています。
  4. Drawing to BIM
    既存の建物では、紙の図面、PDF、CAD図面が主な情報源です。これらを元に、図面の中にある壁、窓やドア、部屋、階段などをAIが読み取り、リノベーションや改修の検討、建物の維持管理に役立つBIMモデルを生成できるかを検証します。
  5. Model to Renovation
    既存のACIMUSモデルやBIM/3Dモデルを元に、リノベーション、リフォーム、用途の変更、内装の変更、建物の正面の改修、一部の範囲の再提案などに向けたBIMモデル案を生成できるかを検証します。既存のモデルを参考に改修案を自動で作り、複数の案を効率的に比較・検討できるかを確認します。

これらの5つの方法を通じて、様々な情報をBIMモデル案に変換し、専門家によるレビューを経て実際の業務に繋げる方法を検証していきます。

なぜ一般公開ではなく先行検証から始めるのか

ACIMUS KIWARIは、現時点ではまだ技術的に改善の余地がある一方、今後のAIの進化によって大きく性能が向上する可能性があるため、すぐに一般公開するのではなく、先行検証から始めることになりました。AIはすでに建築の仕事に深く関わり始めており、BIMモデル作成のスピードアップ、企画案の比較、営業や改修の提案、若手社員の教育、関係者間の合意形成など、多くの業務を変える可能性があります。

しかし、建築AIは人々の生活、安全、財産、都市、公共空間に関わる大切な技術です。そのため、検証や責任の範囲を明確にしないまま進めると、法律上の責任、建物の安全性、災害時の避難対策、工事の実現性、情報の管理などに影響が出るかもしれません。そこで、専門家によるレビューを前提に、どの範囲でAIを活用できるかを整理するために、建築関連企業との個別での先行検証プログラムを通じて進めていきます。

第1期 先行検証プログラムの対象企業と進め方

第1期先行検証プログラムでは、「Text to BIM」「Image to BIM」「Volume to BIM」の3つの分野に絞り、建築関連企業との個別検証を行います。主な目的は、設計の初期段階でBIMモデル案を一括生成できる可能性を探ることです。

具体的には、文章でまとめられた計画条件、参考となる物件の画像、建物のボリュームや部屋の配置といった情報を元に、企画・基本計画・基本設計の前半で活用できるBIMモデル案をどこまで生成できるかを確認します。

以下の企業や部門が対象として想定されています。

  • 組織設計事務所・設計事務所

  • ゼネコンのBIM推進部門・技術研究部門・設計部門

  • 不動産デベロッパーの企画・開発・設計推進部門

  • ハウスメーカー・住宅会社の企画設計部門

  • 建築設計分野のBIM活用・DX推進に取り組む企業

第1期の募集期間は2026年7月31日までです。詳細や参加については、以下のお問い合わせ先にご連絡ください。

先行検証プログラムに問い合わせる

法規・構造・設備・自治体条例について

ACIMUSでは、建築基準法、都市計画法、消防法に関する法規Q&A機能を提供しています。

「ACIMUS KIWARI」では、建築に関する法律や構造の基準、設備の計画、社内の設計ルールなどとBIMモデル案の生成をどの程度連携できるかを、先行検証プログラムで確認します。

ただし、「ACIMUS KIWARI」は、AIが単独で法律への適合、構造の安全性、消防法への適合、建築確認申請、実施設計を保証するものではありません。AIが生成するのは、あくまで専門家によるレビューを前提としたBIMモデル案です。最終的な判断と責任は、建築士、構造設計者、設備設計者、法規担当者といった人間の専門家と企業が負うことになります。

自治体の条例については、現時点では対応していません。これは、自治体ごとに情報や運用の方法が異なるためです。今後、企業、行政、専門家、データ整備を行う事業者との連携を検討し、対応を進めていく予定です。

国のBIM推進とも重なる社会的背景

国土交通省は、建築確認において2026年4月から「BIM図面審査」を開始し、さらに2029年春には「BIMデータ審査」の実現を目指しています。この動きの中で、BIMモデルを一部の専門家だけでなく、AIと人間が協力し、専門家がレビューしながら活用する基盤へと広げていくことは、建築業界全体にとって非常に重要だとACIMUSは考えています。

「ACIMUS KIWARI」は、このようなBIM図面審査やBIMデータ活用の時代を見据え、設計の初期段階でBIMモデル案を生成する可能性と、専門家によるレビューを前提とした実際の業務への繋げ方を検証していきます。

会社概要

項目 内容
会社名 株式会社ACIMUS(アキムス)
代表者 代表取締役 CEO 菊池 光貴
設立 2024年9月
所在地 東京都千代田区神田和泉町1番地6-16 ヤマトビル405
URL https://www.acimus.com

本件に関するお問い合わせ先

以下のいずれかの方法でご連絡ください。

受付時間: 平日10:00〜19:00

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