GNSS位置情報でIoT機器の回線を自動切替、コモン・クリエーションがデモを公開

GNSS位置情報でIoT機器の回線を自動切替、コモン・クリエーションがデモを公開

コモン・クリエーション株式会社は、eSIM Tech Partner「LibeSIM」が提供するSGP.32準拠eIM(eSIM IoT Remote Manager)とGNSS(位置情報)を組み合わせた、通信回線の自動切替デモンストレーションを公開しました。

このデモは、車載・物流・建機など、移動するIoT機器を対象としています。あらかじめ地図上で設定したエリアにIoT機器が進入すると、eIMから適切な回線プロファイルが遠隔で自動的に有効化される仕組みを実証実験(PoC)として構築しました。この技術の詳細は、2026年5月27日(水)から29日(金)まで東京ビッグサイトで開催される「ワイヤレスジャパン 2026」のコモン・クリエーション株式会社ブースでライブデモとして公開されます。

GNSS位置情報を基にしたSGP.32準拠eIMによる回線自動切替の告知

背景:移動するIoT機器の通信課題

車両、バス、建機、物流デバイスなど、移動するIoT機器の運用現場では、地域によって最適な通信キャリアが異なることや、特定の施設内でのみローカル回線を使いたいといった、エリアに合わせた通信運用のニーズがあります。しかし、機器ごとに現地で物理SIMカードを差し替えたり、個別に回線契約を結んだりする方法では、IoT機器の台数が増えるほど運用にかかる手間と費用が増えてしまいます。そのため、大規模なIoT展開では現実的ではありません。

eSIM技術「LibeSIM」と回線自動切替

コモン・クリエーション株式会社は2026年3月にeSIM Tech Partner「LibeSIM」の正式サービスを開始し、国内企業として初めてGSMA SGP.31/32準拠のeIM(eSIM IoT Remote Manager)をサービス提供しています。eIMは、デバイスに直接触れることなく、eSIMプロファイルの遠隔からのインストール、有効化、切替、削除を一元的に行える次世代の標準技術です。

今回のデモは、このeIMの遠隔プロファイル切替機能を使い、GNSS(位置情報)をきっかけにエリアに応じた回線へ自動的に切り替える仕組みを実証実験として実現したものです。

eIMによる回線切替のジオフェンス設定例

デモの概要と運用シナリオ

このデモでは、あらかじめ地図上で指定したエリアにIoT機器が進入すると、eIMがそのエリアに対応する回線プロファイルを遠隔で自動的に有効化します。運用者は、地図上にエリアを描き、そのエリア名にeIMで管理する回線プロファイルと同じ名前をつけるだけで、機器を直接操作したり、個別に指示を出したりすることなく、エリアごとの回線運用を自動化できます。この実装が想定する運用シナリオは以下の通りです。

  • 広域移動車両における地域別キャリアの自動切替
    県境を越えた際に、そのエリアに最も適したローカルキャリアの回線プロファイルへ自動的に切り替わります。バスの位置情報システムなどで、運行エリアごとに最適な回線を使い分けることが可能です。

  • 施設内外でのローカル5G/公衆網の自動切替
    港湾や空港エリアに入った際に、通信遅延の少ないローカル5Gなどの業務用回線のプロファイルを有効化します。物流追跡車両が施設内に入った場合のみ、専用のネットワークに接続できるようになります。

  • 一時的に発生するエリアでの自動切替
    工事現場やイベント会場など、期間限定で発生するエリアでも、機器の設定変更をせずに、現地に到着するだけで回線を切り替える運用が実現します。

PoC実装の構成と検証結果

この実証実験は、車載ルータを想定した以下の構成で動作検証が行われました。

検証では、検証用車両が川越エリアからさいたま市エリアへ移動した際に、車載機器の通信が定義したエリアに応じて自動的に切り替わることを確認しました。

本実装の詳細やデモ動画は、LibeSIM 技術ブログ記事「【SGP.32 eIMの活用例】GNSS位置情報を基にしたeIMによる回線切替」にて公開されています。

回線切替フローの仕組み

この実装では、エリア定義から回線切替までの一連の処理が以下の流れで自動的に行われます。

  1. エリア定義: 管理画面の地図上で、回線を切り替えたいエリアを多角形(ポリゴン)の形で描き、定義ファイルとしてアップロードします。
  2. プロファイル名の対応付け: 定義したエリアに、eIMに登録済みの回線プロファイルと同じ名前を付けます(例: Kawagoe-Profile)。
  3. 位置情報の定期送信: IoT機器は30秒ごとに、自身の現在地(緯度経度)をクラウドへ送信します。
  4. エリア進入の判定: クラウド側で、機器の現在位置がどのエリアに属するかを判断します。
  5. eIMによるプロファイル切替: エリア名に対応する回線プロファイルを、eIMから機器のeUICC(組み込み型eSIM)に対して有効化するよう指示します。
  6. 回線の自動切替: eUICCが新しいプロファイルを有効にし、通信キャリアが切り替わります。

運用者が日常的に行う作業はエリア定義とプロファイル名の対応付けだけであり、これ以降の処理はすべて自動化される点が、この実装の主な特徴です。

実運用を考えた設計

この実装は、自動化された回線切替を実際にビジネスで使うことを想定し、以下の工夫が組み込まれています。

  • エリア境界における誤切替(フラッピング)の抑制
    エリアの境目付近を走る車両では、位置情報のわずかなずれにより、短時間でエリアへの進入と退出が繰り返され、回線が頻繁に切り替わる可能性があります。この実装では、同じエリア内で連続して決められた回数(初期設定では2回)位置情報を受信した時点で初めて切替処理を行う制御が備わっており、運用に合わせて設定値を調整できます。

  • 不要なeIM API呼び出しの抑止
    目的の回線プロファイルがすでに有効になっている場合、eIMへの追加のAPI呼び出しを行わない制御が実装されています。これにより、運用コストと機器側の処理負担を抑えます。

  • テナント単位での機能制御
    この機能は、契約単位でON/OFF設定が可能です。OFF設定時には位置情報の受信処理自体を行わないため、誤動作のリスクを排除した運用ができます。

  • 監査ログの保存
    すべての切替の試み(成功、失敗、スキップ)が記録として残り、管理画面から確認できます。切替が行われた経緯や条件が合わなかった原因を後から調べられるため、運用上の問題解決やエリア設定の調整に役立ちます。

今後の応用範囲

この実証実験は車載ルータを想定した構成で実施されましたが、この仕組みは車載IoTだけでなく、以下のような分野への応用が考えられます。

  • 物流追跡車両

  • 建機・特殊車両

  • 国際物流コンテナ

  • 移動式の医療機器・計測機器

今後は、エリアから出た際にデフォルトのプロファイルへ自動的に戻る機能や、外部システムへの通知機能なども継続的に検討していく予定です。

「ワイヤレスジャパン 2026」出展とセミナー講演

コモン・クリエーション株式会社は、2026年5月27日(水)から29日(金)まで東京ビッグサイトで開催される「ワイヤレスジャパン×ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2026」に、eSIM Tech Partner「LibeSIM」として出展します。

ブース(小間番号:W-25)では、今回ご紹介したGNSS位置情報に基づく回線自動切替のライブデモに加え、SM-DP+によるeSIMオンデマンド発行デモ、提携端末ベンダー各社の対応機器の実機展示も予定されています。SGP.32 eIM PoCパートナーシッププログラムやeIM・SM-DP+の導入検討、提携端末への対応など、eSIM/eIMに関する相談を、コモン・クリエーション株式会社のエンジニアが直接受け付けます。

  • 展示会名: ワイヤレスジャパン×ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2026

  • 会期: 2026年5月27日(水)~29日(金) 10:00~18:00(最終日のみ17:00まで)

  • 会場: 東京ビッグサイト 西3・4ホール

  • 当社小間番号: W-25

  • 出展ブランド: eSIM Tech Partner「LibeSIM」

  • 入場料: 無料(事前登録制)

  • 主催: 株式会社リックテレコム

  • 公式サイト: https://wjwtp.jp/

  • 詳細: WJ&WTP 2026 出展者詳細ページ

CommonCreation LibeSIMの展示ブースイメージ

セミナー講演のご案内

会期中には、LibeSIM事業責任者の山本 真基氏がSGP.32時代のIoT接続管理をテーマにセミナー講演を行います。SGP.32やeSIMエコシステムの仕組みの解説に加え、出荷先に応じたプロファイルの動的な設定、位置情報を活用した複数のキャリア回線の動的な切替など、実際に端末で検証した結果を交えた実践的な活用例が紹介される予定です。今回のリリースでご紹介したGNSSと連携した回線自動切替についても、講演内で取り上げられます。

  • セッションID: B2-3

  • セミナー名: 【SGP.32時代のIoT接続管理】eIMによるeSIMプロファイルのリモート運用と自動化

  • 日時: 2026年5月28日(木)14:10~14:30

  • 会場: 東京ビッグサイト WJWTPセミナー会場B

  • 登壇者: コモン・クリエーション株式会社 LibeSIM 事業責任者 山本 真基

  • 詳細・申込: WJ&WTP 2026 セミナー詳細ページ

LibeSIMについて

LibeSIMは、eSIMに関するあらゆることを一貫して提供するeSIM Tech Partnerです。eSIMプロファイルの発行(SM-DP+)、SGP.32準拠のeIM(IoTリモート管理)、自社MVNO回線とSIMアプレットのワンパッケージ提供、R&D・技術支援の4つのサービスを通じて、実証実験(PoC)から商業展開まで、一貫した技術支援を提供します。

LibeSIM サービスサイト:https://common-creation.com/service/libesim

コモン・クリエーション株式会社について

  • 会社名: コモン・クリエーション株式会社

  • 所在地: 【本社】福岡県福岡市、【関東事業所】東京都

  • 設立: 2020年10月

  • 代表者: 代表取締役 牟田 和貴

  • 資本金: 320万円

  • 従業員数: 12名(2026年5月現在)

  • 事業内容: IoT・SIMエンジニアリング事業、eSIMプラットフォーム事業、MVNO事業、ソフトウェア開発事業

  • URL: https://common-creation.com/

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