水陸両用ショベルの世界市場、2032年には約2,000億円規模へ成長予測
水陸両用ショベルの世界市場が成長へ
株式会社マーケットリサーチセンターは、水陸両用ショベルの世界市場に関する新しい調査資料「Global Amphibious Excavator Market 2026-2032」を発表しました。この資料によると、水陸両用ショベルの世界市場は、2026年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)6.0%で成長し、2032年には19億5,500万米ドル(日本円で約2,000億円)に達すると予測されています。

水陸両用ショベルとは
水陸両用ショベルは、湿地や浅瀬、沼地といった特殊な場所で活躍する建設機械です。通常のショベルでは作業が難しい環境でも、優れた浮力と操縦性を持って移動し、作業を行うことができます。この機械の大きな特徴は、ポンツーン(浮き)型のクローラーシャーシ構造で、底には密閉されたブイが備えられています。これにより、軟らかい地面や浅い水域でも沈むことなく、安定して浮くことが可能です。
水陸両用ショベルは、川や湖の泥を取り除く「浚渫(しゅんせつ)」、水利工事、湿地の管理、干潟の開発、環境にたまった堆積物の除去など、さまざまな作業に利用されています。河川の改修や貯水池の維持管理、湿地の再生といった土木工事の現場で広く使われています。
市場を動かす主な要因
水陸両用ショベルの市場が成長している背景には、いくつかの要因があります。
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インフラ投資の増加: 世界中で、特に水利施設、港湾、治水プロジェクトなど、社会の基盤となる設備への投資が増えています。
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環境保護への意識の高まり: 湿地や河川での作業では、自然環境への影響を最小限に抑えることが求められています。そのため、環境に配慮した水陸両用ショベルが選ばれる傾向にあります。
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技術の進化: GPSによる精密な位置測定、インターネットにつながる機器(IoT)を使った遠隔での監視、自動で動くシステムなどが導入され、作業の正確さが向上しています。
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環境に優しいモデルの登場: 電気で動くショベルや、ガソリンと電気の両方を使うハイブリッド式のモデルが増えています。これらは二酸化炭素の排出量を減らし、環境に配慮した建設の動きに対応しています。
市場が抱える課題
一方で、市場にはいくつかの課題も存在します。
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安定性と信頼性: 悪天候の中での作業の安定性や、深い水域での作業に使うモデルの信頼性をさらに高めることが求められています。
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技術的な差とコスト: 中国の企業と、キャタピラーやボルボといった欧米の大手企業との間には、技術力に差があると言われています。また、中国企業は主要な部品を海外からの輸入に頼っているという課題もあります。環境に配慮した新しい素材やスマート技術を使うことで、製造コストが上がり、最終的な製品の価格が従来のショベルよりもかなり高くなる傾向にあります。
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貿易政策の影響: アメリカの関税政策は、中国メーカーの輸出を難しくし、利益に影響を与えているとされています。
将来の展望
水陸両用ショベルの市場は、今後も進化を続けると見込まれています。
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電気・ハイブリッド化の推進: 電気やハイブリッドのシステムがさらに普及し、太陽光発電を補助的に使う機器の試験運用も始まっています。
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バイオ燃料の活用: 植物などから作られるバイオ燃料に対応する技術が、炭素税のコストを減らし、世界的な「カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること)」の目標達成に貢献すると期待されています。
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AIによる効率化: AI(人工知能)を使った自動運転や、リアルタイムで地面の状況を分析するシステムにより、複雑な環境での作業効率が向上するでしょう。
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用途の拡大: 部品を交換することで、杭打ちや浚渫など、さまざまな作業に対応できるモジュール設計が進んでいます。これにより、深海の資源採掘やマングローブ林の再生といった新しい分野への応用も広がる可能性があります。
レポートの詳しい内容
この調査レポートでは、世界の水陸両用ショベル市場を、製品の種類(15トン以下、15~30トン、30トン以上)、用途(浚渫、パイプライン建設、環境修復、堤防建設、その他)、そして地域(南北アメリカ、アジア太平洋地域、ヨーロッパ、中東・アフリカ)ごとに詳しく分析しています。また、市場で重要な役割を果たす企業の情報も含まれています。
レポートに関するお問い合わせや申し込みは、以下のリンクから可能です。


