AVEVAと川崎重工業が戦略的パートナーシップを強化し、船舶設計のデジタル化を加速
産業用ソフトウェアの世界的な企業であるAVEVAと、川崎重工業株式会社エネルギーソリューション&マリンカンパニー 船舶海洋ディビジョンは、戦略的パートナーシップを強化することを発表しました。この提携により、川崎重工業の工場に「AVEVA Marine」や「AVEVA Unified Engineering」などの統合設計ソリューションが導入され、次世代の船舶設計環境の高度化が進められます。

パートナーシップ強化の背景
造船・海洋業界では、脱炭素化などの設計要件が複雑になる一方で、深刻な人材不足という課題を抱えています。このような状況の中、設計プロセスの変革は避けて通れない重要な課題です。AVEVAと川崎重工業は、この課題を解決するため、パートナーシップを強化しました。昨年末の契約締結を機に、次世代設計システムである「AVEVA Unified Engineering」の導入に向けた取り組みを加速させています。
具体的な取り組み
艤装分野のデジタルツイン基盤構築
まず、船舶の内部設備に関する艤装(ぎそう)分野では、「Engineering Module」の導入を進めます。このシステムは、設計仕様などの文章情報(1D)、配置や系統図面情報(2D)、空間設計のためのモデル情報(3D)をスムーズに連携させます。これにより、設計から製造までを一貫して管理する「デジタルツイン」の基盤が構築されます。
船殻分野のデータ活用最大化
次に、船体構造に関する船殻(せんかく)分野では、機能を新しくした最新の船殻CADシステム「E3D Module」を導入します。船殻の情報をすべてデータベース化することで、設計の初期段階から生産設計に至るまで、データの活用範囲を最大限に広げます。
これらのシステム導入にあたっては、韓国・釜山にある「AVEVA Marine Center of Excellence」が最大限に活用されます。特に、船殻設計で重要な部品であるBracket(ブラケット)などの詳細設計や生産設計機能の高度化においては、川崎重工業の実務経験や知識が開発工程に直接反映されています。このような「Voice Of Customer(VOC)」プログラムを通じて、現場からのフィードバックが次世代設計システムの開発に強く活かされています。
関係者のコメント
川崎重工業株式会社 執行役員/船舶海洋ディビジョン長である荻野 剛正氏は、次のように述べています。
「本ソリューションの導入により、当社の船舶設計環境が一段と高度化され、プロセス全体のイノベーションが加速すると期待しています。今回の両社のパートナーシップを通じて、造船・海洋業界に新たなパラダイムを提示していきます」

AVEVA アジアパシフィック担当シニアバイスプレジデントのChris Lee氏は、次のように述べています。
「AVEVAと川崎重工は、30年以上にわたりデジタル造船の最前線で協力してきました。AVEVAの設計ソリューションを基盤とした今回の取り組みは、造船・海洋分野のバリューチェーン全体を支援し、お客様が資産のライフサイクルを通じて、さらなる効率化と持続可能性を実現できるよう後押しするものです」

AVEVA 日本統括の佐々木 正治氏は、次のように述べています。
「日本は、造船・海洋エンジニアリングの分野で世界屈指の技術力と実績を持つ重要な市場です。今回の取り組みは、艤装と船殻の両分野で設計プロセスを根本的にデジタル化し、次世代のものづくりに向けた基盤を築く重要な一歩です。グローバル最先端の取り組みが日本からスタートしたことを誇りに思います。建造量で各国が競い合うアジア市場において、日本は特に設計分野のデジタル変革で際立った先進性を示しており、本取り組みはその流れをさらに加速させるものです。AVEVAは今後も日本市場に密着し、最新のテクノロジーと知識を通じて産業の進化を支えてまいります」

AVEVAについて
AVEVAは、産業用ソフトウェア分野のグローバルリーダーとして、世界の資源を責任を持って活用するためのイノベーションを生み出しています。同社の安全な産業向けクラウドプラットフォームやアプリケーションは、企業がデータの価値を最大限に引き出し、顧客、サプライヤー、パートナーとの連携を強化することを可能にします。世界100カ国以上、2万社を超える企業が、エネルギー、食料、医薬品、インフラなど、社会に不可欠な分野の提供を支えるためにAVEVAの技術を活用しています。
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