HPCシステムズ、クレッセントの新スタジオへ22K×5Kリアルタイム描画対応フル水冷ワークステーションを納入

HPCシステムズ、クレッセントの新スタジオに水冷ワークステーションを納入

HPCシステムズ株式会社は、株式会社クレッセントが東京都大田区昭和島に開設した「Digi-Cast HANEDA STUDIO」へ、フルカスタマイズ水冷ワークステーションを納入しました。このシステムは、国内最大級のLEDバーチャルプロダクション環境において、22K×5Kという非常に高い解像度の映像をリアルタイムで安定して表示することを目的としています。

バーチャルプロダクションの進化と直面する課題

近年、映像制作の現場では、LED壁面に3DCGなどのデジタル背景を映し出し、実写の被写体と同時に撮影するバーチャルプロダクション(VP)技術が広がっています。この技術は、時間や天候、場所の制約を受けずに撮影を完結させられる、アクターが実際の空間にいるかのように自然な演技ができる、撮影現場で最終映像を確認できるため制作工程が短縮されるといったメリットがあります。

しかし、広いスタジオでデジタル背景をリアルタイムで描画するには、コンピューターに大きな負担がかかります。従来の空冷式ワークステーションでは、熱による性能低下(サーマルスロットリング)が発生し、映像の遅れやずれが生じるという問題がありました。サーマルスロットリングとは、GPUやCPUに大きな計算負荷がかかって熱が発生した際に、ハードウェアが故障を防ぐために自動的に処理速度を落とす現象です。

フル水冷システムで高解像度描画を実現

今回納入されたシステムは、これらの課題を解決するために以下の特長を持っています。

  • 筐体内完結型フル水冷システムの採用
    通常は外部装置が必要な大規模な水冷システムを、1つのコンピューター筐体内に収めることで、設備管理を簡単にしながら、GPUとCPUから発生する熱を効率よく取り除き、サーマルスロットリングの発生を抑えます。

  • クラスタリング構成による安定性
    各ワークステーションにはNVIDIA RTX 6000 Adaが2基搭載されており、これらを複数組み合わせて使う「クラスタリング構成」を採用しています。これにより、22K×5Kという非常に高い解像度でも、安定した映像出力が可能になりました。

  • 実証された安定性
    導入前には、実際にシステムを使い、厳しい条件のもとで性能が落ちないかを徹底的に調べ、その上で採用が決定されました。

高性能なコンピューターまたはサーバーの内部構造を示す画像です。複数のグラフィックカードや水冷システム、冷却ファンが確認でき、強力な処理能力と冷却性能を持つシステムであることが伺えます。

今後の展望

「Digi-Cast HANEDA STUDIO」は、今後CMや映画、テレビ番組、生放送配信など、さまざまな映像制作に活用される予定です。HPCシステムズは、これからも高い計算能力と長年のシステム構築技術を提供し、最先端の映像制作環境の安定稼働を支援していくとしています。

このプロジェクトの詳しい経緯については、HPCシステムズのウェブサイトで公開されているインタビュー記事で確認できます。テクニカルディレクターの菊谷康太氏が、導入の決め手やシステム構築時の課題、その解決方法について語っています。

株式会社クレッセントについて

株式会社クレッセントは1999年に創業し、イメージエンジニアリングを駆使して最先端の映像制作テクノロジーを活用したソリューションを提供しています。顧客のニーズに合わせたサービスを通じて、競争力のある事業基盤を支援しています。

HPCシステムズ株式会社について

HPCシステムズ株式会社は、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)分野の企業です。科学技術計算用高性能コンピュータやシミュレーションソフトウェアの販売、システム構築サービス、プログラムの高速化サービスなどを提供しています。また、工場設備や交通インフラなどの産業用コンピュータの開発・生産・保守も手掛けています。

×