AIVALIXと水みらい小諸、水道インフラ経営高度化へAI実証実験を開始

AIVALIX株式会社(東京都世田谷区)と株式会社水みらい小諸(長野県小諸市)は、水道インフラ事業の経営をより良くするためのAI実証実験を始めました。

AIVALIXと水みらい小諸のロゴ

この実験では、AIVALIXが開発したインフラAI基盤モデル「INFRAI(インフライ)」を使います。水道管一本ごとの劣化具合を予測するだけでなく、その結果を実際の漏水調査や水道管の更新計画、さらには関係者への説明業務にどう活かせるかを検証します。特に、劣化予測から更新すべき水道管を選び、優先順位をつけたり、計画に必要な書類を自動で作ったりする可能性を探ります。

実証実験の詳しい内容

実証実験では、水みらい小諸が持っている水道管のデータや漏水・故障の記録、さらに地形や土壌といった周りの環境データをまとめて利用します。これにより、水道管一本一本の劣化する危険度を数字で評価します。

評価した結果は、地図上に表示したり、危険度が高い順に並べたりして、現場で判断しやすいように工夫されます。これまでの水道管更新計画は、担当者の経験や知識に頼ることが多かったのですが、AIを使うことで客観的な判断材料を提供し、誰でも同じように判断できるようになることを目指しています。

また、AIが出した劣化予測だけでなく、更新が必要な水道管を絞り込み、優先順位をつけた上で、基本計画のような書類を自動で作成できるかどうかも試されます。既存の計画とAIが作った計画のずれがあれば、その原因を調べて、AIが実際の業務でどれだけ使えるかを確かめます。

さらに、AIによる分析結果や計画案が、漏水調査の優先順位を決めたり、更新にかかる費用が適切かを説明したり、予算を決めるプロセスにどう役立つかも検証します。自治体と民間企業が協力して水道事業を運営する形を前提に、将来的に他の地域でも使えるような運営モデルを作ることを目指しています。

この取り組みを通じて、水みらい小諸では、更新候補を選ぶ理由をより明確にし、計画を作る手間を減らし、担当者によって判断が変わってしまうことをなくすことを目標としています。

今後の展望

今回の実証実験で得られた知識や経験をもとに、水道分野だけでなく、上下水道施設、ガス、プラント、ビル、道路、橋梁、通信など、国内外のさまざまなインフラ分野へAIの活用を広げていくことを検討しています。インフラの故障を事前に予測する「予知保全」や更新計画の策定、説明業務を一体でサポートする仕組みを高度化することで、持続可能なインフラ事業の運営に貢献していく方針です。

AIVALIX 代表取締役社長 中山太洋氏のコメント

AIVALIXの中山代表は、水道インフラの維持管理では、お金や人、データが限られている中で、更新や調査の優先順位を正確に決め、その理由を住民や議会、関係機関にきちんと説明することが求められていると述べています。しかし、実際には過去の経験や担当者の知識に頼らざるを得ない場面が多く、判断の客観性や誰でも同じように判断できることが大きな課題であると指摘しました。

今回の実証実験では、水みらい小諸と協力し、単に劣化の危険性を目に見えるようにするだけでなく、AIによる分析結果を実際の意思決定や更新計画の作成にどう結びつけるかを、現場のやり方に合わせて検証していくとのことです。

AIは「判断を置き換えるものではなく、判断を支えるもの」としています。現場の知識と求められるルールをふまえて、判断の客観性を高めることで、限られた資源を最も効果的に使える経営の基盤作りに貢献したいと考えているそうです。

株式会社水みらい小諸について

水みらい小諸のロゴ

株式会社水みらい小諸は、長野県小諸市が35%、水ingAMが55%、第一環境が10%を出資して設立された、民間の水道事業運営会社です。公共の利益と民間のアイデアを両立させた事業運営を通じて、技術者を育てながら、料金収入の減少や施設の老朽化といった水道事業が抱える問題に対応し、地域の安定した水道事業運営に貢献しています。

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AIVALIX株式会社について

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AIVALIX株式会社は「Resilient infrastructure. Powered by AI.」をミッションに掲げる東大発のAIスタートアップ企業です。日本をはじめ世界中で、社会インフラの老朽化や熟練技術者の減少が深刻な問題となっています。AIVALIXは、このような社会インフラ分野の課題に対し、AIを活用した解決策を提供しています。点検、維持管理、更新といったインフラメンテナンスのすべてのプロセスを最適化・自動化するAIプラットフォーム「INFRAI」を開発し、現場の知識と最先端技術を組み合わせることで、社会全体の「レジリエンス(回復力)」を高める仕組みを提供しています。AIVALIXは、インフラメンテナンス業界で世界一のDX/AIプラットフォーマーを目指し、持続可能で強靭な社会を支える新しい基準を創造していくことを目標としています。

公式サイトはこちらです。

AIVALIXでは、INFRAIのさらなる改善と導入に向けて、インフラ設備に関するデータを提供できる自治体や事業者からの連絡を募集しています。現場の知識とAI技術を組み合わせ、レジリエンスに満ちた社会インフラの実現に向けた協力関係を築くことを目指しています。

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