省CO2・省力化コンクリート「ハイプロダクリート」が鉄道工事に初適用、GX推進に貢献
東急電鉄、東急建設、東京理科大学は、鉄道工事におけるグリーントランスフォーメーション(GX)の一環として、CO2排出量の削減と施工の省力化を目指し、次世代コンクリート「ハイプロダクリート」を開発しました。このコンクリートは、2026年1月7日に着手された東横線日吉駅~綱島駅間高架橋下整備工事に初めて適用され、その効果が実証されました。
ハイプロダクリートとは
「ハイプロダクリート」は、生産性の向上を実現できるコンクリートの総称です。東京理科大学の加藤佳孝教授と東急建設が共同で開発しました。この開発は、国土交通省関東地方整備局が実施する「大学等研究機関とのマッチング」制度を活用しています。
本工事で適用されたハイプロダクリートは、コンクリートの主なCO2排出源であるポルトランドセメントの大部分を、副産物やリサイクル材料などの資源循環材料に置き換えることで、CO2排出量を削減します。また、従来のコンクリートよりも流動性を高めているため、少ない労力で施工が可能となり、作業の合理化や省力化につながります。さらに、コンクリートの配合設計に関する研究により、少ない労力と資源で品質基準を満たす配合を選定できるようになり、配合設計の面でも合理化が実現しています。

実工事での効果
ハイプロダクリートは、東横線日吉駅~綱島駅間高架橋下整備工事の高架橋下の舗装に適用されました。その結果、標準的に使用される普通セメントと比較して、コンクリート工事のCO2排出量を66%削減することに成功しました。これは、日本が2035年度までの目標として掲げる温室効果ガス排出量60%削減に寄与する効果が確認されたことを意味します。
また、施工時間についても従来と比較して約60%削減されました。この成果により、ハイプロダクリートが研究開発段階とは異なる構造物に適用された場合でも、CO2排出量削減と施工の省力化が実現できることが実証されました。脱炭素や省エネルギーの効果に加え、施工中に使用する発電機などの稼働時間が短縮されることで、工事に伴う騒音や振動の発生時間が短くなり、近隣住民の生活環境の保全にも貢献します。


各社の取り組みと今後の展望
東急電鉄は、東急株式会社が策定した環境ビジョン2040に基づき、技術革新や省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの活用などを通じて脱炭素社会の実現を目指しており、鉄道工事におけるGXを推進しています。東急建設は、2030年を到達年度とする長期経営計画において「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」を戦略の軸とし、ハイプロダクリートの現場適用を進めています。
今後は、今回適用されたハイプロダクリートの実環境下におけるCO2吸収量を調査し、製品のライフサイクルを通じたCO2収支を試算する予定です。東急電鉄および東急建設は、今後もコンクリートのような建設材料に加えて、建設機械や燃料の脱炭素化を進め、鉄道工事におけるGXを推進していく方針です。
用語解説
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GX(グリーントランスフォーメーション):化石燃料に頼る経済や社会の仕組みを、クリーンエネルギーを中心としたものへと変え、環境に優しく持続可能な社会を目指す取り組みです。
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ポルトランドセメント:コンクリートの主要な材料の一つで、製造時に多くのCO2が発生します。
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資源循環材料:製造過程で発生する副産物や、一度使われた後にリサイクルされた材料などを指します。
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国土交通省関東地方整備局「大学等研究機関とのマッチング」制度:建設現場の生産性向上を目指す「i-Construction」を推進するため、大学などの研究機関の持つ新しい技術と、現場が抱える課題を結びつけ、技術開発を促進する制度です。
関連情報
ハイプロダクリートに関する詳細については、以下の東急建設ウェブサイトをご確認ください。


