タカミヤ、足場製造の取引を一元化するシステム「OPERA-FC」を開発
株式会社タカミヤは、足場製造に関わる取引を一元的に管理するシステム「OPERA-FC(オペラエフシー)」を開発し、本格的な運用を始めました。このシステムは、工場と協力会社との間で発生するさまざまなやり取りをデジタル化することで、製造現場の業務負担を減らし、取引の透明性を高めることを目的としています。

製造現場が抱える「アナログな取引慣行」という課題
現在、多くの中堅・中小企業では、デジタル変革(DX)への取り組みがまだ進んでいない状況です。独立行政法人 中小企業基盤整備機構の調査によると、「既にDXに取り組んでいる」と答えた企業は2割以下にとどまっています。
足場製造の現場も例外ではなく、DXの遅れや紙を基本とした業務、属人化された管理などが、人手不足と相まって生産性や事業の継続に影響を与える課題となっています。具体的には、以下のような問題が見られます。
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課題①:アナログな運用による現場の負担と認識のずれ
電話やFAXでの受注確認、紙の伝票による納品や支給品の管理、また「言った・言わない」といった認識のずれが日常的に発生しています。これらの管理業務が現場の負担となり、本来の生産活動を妨げています。 -
課題②:取引や資産管理の可視化不足
「中小受託取引適正化法(取適法)」により、発注側には透明性の高い資産管理や取引内容の可視化が求められています。しかし、現在の仕組みでは、発注元と委託側の双方が取引状況を正確に把握することが難しいという課題がありました。
これらの課題に対し、タカミヤはDXの方針に基づき、製造現場のデジタル化と業務の変革を進めています。その取り組みの一つとして、今回「OPERA-FC」が開発されました。
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独立行政法人 中小企業基盤整備機構「中小企業のDX推進に関する調査(2024年)」
https://www.smrj.go.jp/research_case/questionnaire/fbrion0000002pjw-att/202412_DX_report.pdf -
タカミヤ、DX推進に関する方針の策定
https://corp.takamiya.co/news/?itemid=309&dispmid=525
「OPERA-FC」の主な特長
「OPERA-FC」には、製造現場の効率を高めるための以下の機能が備わっています。
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受注・注文残数のリアルタイム共有
注文状況がシステム上で分かりやすく表示され、紙での確認作業が不要になります。 -
生産進捗の可視化
発注した業務の進捗状況をシステム上で管理し、進捗確認の手間を減らします。 -
支給品の在庫状況を可視化
無償で提供される部材の在庫状況が共有され、納期直前の部材不足や急な対応を減らすことができます。 -
納品・引き取り時の来場予約管理
トラックの納品や引き取り時間を事前に予約制にすることで、工場の混雑を緩和し、車両の待ち時間を短縮します。
テスト導入で確認された効果
2025年8月から12月にかけて実施されたテスト導入では、1社あたり1日平均で約5分の作業時間短縮が確認されました。これは月間でおよそ100分、年間では約20時間の削減に相当します。金額に換算すると、1社あたり年間で約6万円のコスト削減が見込まれています。

時間削減だけでなく、情報共有の仕組みが統一されることで、業務の標準化が進み、特定の担当者にしか分からないという属人化の解消にもつながりました。これにより、取引情報や在庫状況がリアルタイムで共有され、電話やFAXでの確認が不要になり、現場と協力会社の間での認識のずれによるミスや手戻りが減少しました。また、納期直前に部材不足が判明し、急遽引き取りに行くといった無駄な運搬も減少しています。
これらのデジタル化による改善は、取引データの蓄積と可視化を通じて、生産管理や安全管理の精度向上、事故やトラブルの未然防止など、製造現場全体のリスク低減に貢献すると期待されています。将来的には、人手不足への対応として生産性向上や、より価値の高い業務への人材配置といった経営効果にもつながると考えられています。
今後の展望
これまでタカミヤの工場と協力会社との取引では、納品書や支給品管理、進捗確認などで月に約1,960枚の紙が使われてきました。「OPERA-FC」を通じて、これらの取引業務を段階的にデジタル化し、管理業務の完全なペーパーレス化を目指します。
さらに、「OPERA-FC」上で貸与されている資産や無償で支給された品の保管状況を明確にし、保管証明書の受け取りまでをデジタルで完結させることで、長期間発注がない金型などの保管に関する「取適法」上のリスクを減らし、管理の負担を軽くすることを目指します。
今後は、外注先との取引だけでなく、仕入先との取引についても、発注状況や納期管理、配車手配などを含めて一元的に管理できるDXの基盤へと段階的に広げていく方針です。建設業界全体の業務効率化と生産性向上に貢献するソリューションをこれからも展開していくとのことです。
「タカミヤプラットフォーム」の一環としての「OPERA-FC」
「OPERA-FC」は、建設業界が抱える深刻な人手不足やコスト増といった問題に対応するため、タカミヤが提供する建設ソリューション群「タカミヤプラットフォーム」の一部です。このプラットフォームは、仮設機材の調達や運用のマーケットプレイス提供、デジタル設計支援といったデジタル化から、鳶職人に特化した無料の求人サイトまで、幅広いソリューションを統合しています。

主なサービス内容は以下の通りです。
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「OPERA」:建設DXの入り口となるプラットフォームポータルです。仮設機材の24時間WEB注文などにより、業務のデジタル化と効率化を大幅に進めます。
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「OPE-MANE(オペマネ)」:建設現場の足場運用マネジメントサービスです。顧客が購入した足場機材の管理・整備を代行し、全国の機材拠点から足場機材を引き出せる仕組みを提供します。
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「Iq-Bid」:次世代足場「Iqシステム」を対象とした、足場のリアルタイムマーケットです。ユーザー同士で足場の売買やレンタルを自由に行うことができます。
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「タカミヤのBIM/CIM」:3Dレーザースキャナーを使って仮設工事の設計を効率化し、3D図面を共有・活用することで建築物情報を一元管理します。
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「Tobira」:鳶職人に特化した無料の求人サイトで、人手不足の解消を支援します。
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「タカミヤの安全教育」:墜落や落下時の衝撃数値の可視化など、バーチャルと実感を組み合わせた最先端の足場教育プログラムを提供します。
これにより、タカミヤは建設業界のコスト削減、人材不足の解消、安全性向上、業務効率化を推進し、業界全体の生産性向上に貢献していきます。
株式会社タカミヤについて
株式会社タカミヤは、建設現場で使われる仮設機材をはじめ、住宅用機材、構造機材、農業用ハウス、防災用ダムなど、多岐にわたる製品の開発・製造から、販売、レンタル、設計、施工までを一貫して提供している企業です。技術革新を通じて高付加価値の製品やサービスを生み出し、様々な「現場」の安全性や施工性を向上させ、業界の発展に貢献しています。
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社名:株式会社タカミヤ
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代表:髙宮 一雅
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本社所在地:大阪市北区大深町 3-1 グランフロント大阪 タワーB 27階、東京都中央区日本橋3-10-5 オンワードパークビルディング12階
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設立:1969年6月21日
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資本金:10億 5,214万円
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従業員数:755名(連結従業員数 1,356名)
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事業内容:仮設機材の開発、製造、販売及びレンタル、仮設工事の計画、設計、施工


