TRASS、インフラ点検AI SaaS「TRASS」を正式提供開始 – 現場検証で業務効率と点検品質の向上を実証、シードラウンドで資金調達も

TRASS株式会社は、橋梁に特化したインフラ点検AI SaaS「TRASS」の正式提供を開始しました。このサービスは、合計9現場での実証実験を経て、点検準備から現場での作業、そして報告書作成までの一連の業務において、作業時間の削減と点検品質の向上に貢献することが実証されています。また、TRASSは、サービスの開発をさらに進めるため、デライト・ベンチャーズを引受先とするシードラウンドでの資金調達も実施しました。

TRASSサービス画面

インフラ点検の現状と課題

2014年の道路法改正以降、日本のインフラ点検業務は効率化が求められています。特に橋梁の定期点検では、全体の作業時間の約40%が報告書作成に費やされており、手作業が中心の業務が技術者の負担を増やし、事業の利益を圧迫していました。写真の整理、野帳(現場での記録)の転記、確認作業など、手間のかかる作業が多く、点検データが十分に活用されず、業務改善が進みにくい状況でした。TRASSは、このような課題に対し、技術者の作業をサポートする「現場のパワースーツ」として、点検業務を効率化し、人のミスを防ぐツールを開発しました。

インフラ点検AI SaaS「TRASS」の概要

「TRASS」は、点検時に入力された情報を一元的に管理し、現場で集められたデータをもとに、損傷図や報告書作成までを一貫して支援するクラウド型のサービスです。タブレットを使った現場での入力に加え、パソコンだけでも利用できるため、これまでの業務の流れを大きく変えることなく導入が可能です。技術者は、直感的な操作で点検情報を入力し、写真と損傷情報を結びつけたまま損傷図や報告書を作成できます。これにより、後から発生していた事務作業の負担を大幅に減らすことができます。AIはデータの整理や補助に徹し、最終的な判断は技術者が行うことで、現場の実際の業務に合った改善を実現します。

現在は、点検記録の統合管理や報告書の自動作成が主な機能ですが、今後は、特に点検が必要な箇所の提案や、点検対象となる構造物の拡大、診断業務のサポートなど、技術者の意思決定を助ける機能へと順次拡大していく予定です。これにより、点検業務の生産性向上と技術者の負担軽減を両立させ、持続可能なインフラの維持管理に貢献していきます。

実証実験で効果を実証

2025年6月から12月までの半年間、合計9件の橋梁点検現場で実証実験(PoC)が行われました。その結果、以下のような効果が確認されています。これは、従来の紙やExcelを中心とした点検業務と比較したものです。

PoC結果(小規模橋梁)

  • 現場作業:3% 削減

  • 事務作業(損傷図・報告書作成、確認):70% 削減

  • 点検漏れ・成果品の修正:0件

  • 粗利益改善効果:+0.5〜2万円/橋 相当

PoC結果(大規模橋梁)

  • 現場作業:5% 削減

  • 事務作業(損傷図・報告書作成、確認):68% 削減

  • 点検漏れ・成果品の修正:0件

  • 粗利益改善効果:+20〜30万円/橋 相当

このサービスの導入により、業務効率化による利益率向上に加え、点検の精度を高めることで、持続的な経営改善への貢献を目指しています。

シードラウンドでの資金調達と今後の展望

TRASSは、サービスのローンチと同時に、デライト・ベンチャーズを引受先とする資金調達を実施しました。

デライト・ベンチャーズのメンバー

調達した資金は、プロダクト開発の加速と機能強化、顧客サポートの充実、そして事業拡大のためのマーケティング活動に充てられ、サービス提供体制を強化していく予定です。

投資家コメント

デライト・ベンチャーズのマネージングパートナーである南場智子氏は、TRASSの取り組みについて次のように述べています。

南場智子氏

「越智さんが率いるTRASSは、点検現場の『当たり前』を無理に変えることなく、最も負担の大きい工程から着実に改善してきました。点検業務は手作業が積み重なりやすく、技術者不足が進む中で現場の負担は増える一方です。TRASSが提供する現場の実務に即したプロダクトが広がることは、点検の品質を守りながら生産性を高め、業界全体の体力を取り戻すことにもつながります。デライト・ベンチャーズは、TRASSが点検の未来を更新していく挑戦を全力で応援していきます。」

また、立花優斗氏は、インフラ点検分野の重要性とTRASSの価値についてコメントしています。

立花優斗氏

「インフラ点検は社会に不可欠でありながら、専門性が高く改善が進みにくい分野です。TRASSはその中でも、まず全国に73万橋ある橋梁点検に焦点を当て、現場で必ず発生する記録整理や写真管理といった繰り返しの作業の負担軽減から価値検証を行ってきました。私自身も共同創業パートナーとしてTRASSの初期プロダクトの設計から開発まで携わりました。顧客のニーズを深く理解するため何度も現場へ足を運び、要件定義から設計、実装、検証までを素早く繰り返し、サービスの核となる価値を徹底的に磨き込んできました。今回の正式ローンチを機に、インフラ保全のための新しいスタンダードとなるよう、プロダクトと組織づくりの両面で伴走してまいります。」

代表コメント

TRASS株式会社の代表取締役である越智健心氏は、今回のローンチにあたり、次のように感謝と今後の抱負を述べています。

越智健心氏

「本サービスの実証実験にご協力いただいた建設コンサルタント、点検会社の皆様に、心より感謝申し上げます。現場での検証を重ねる中で、様々なご意見を頂戴することで実務に即したサービスに磨き込むことができました。また、デライト・ベンチャーズの皆様には、事業やプロダクトの方向性について継続的に議論いただきました。現場への理解を深めながら伴走いただいたことが、今回のリリースにつながっています。TRASSは、技術者の判断を尊重しながら、報告書作成やデータ整理など負担の大きい工程をテクノロジーで支えるサービスです。インフラ点検の生産性・品質向上を両立させ、持続可能なインフラ維持管理に貢献してまいります。」

TRASS株式会社について

TRASS株式会社は、インフラ点検AI SaaS「TRASS」の開発・運営を行っています。

  • 社名:TRASS株式会社

  • 所在地:大阪府東大阪市小若江3丁目6番9号(KINCUBABasecamp内)

  • 代表取締役:越智 健心

  • 設立:2025年6月

  • 事業内容:インフラ点検AI SaaS「TRASS」の開発・運営

  • ウェブサイトhttps://lp.trass.jp

TRASSでは、土木とテクノロジーを組み合わせた最前線で社会課題を解決する仲間を募集しています。

本件に関するお問い合わせは、TRASS株式会社 広報担当(E-mail:info@trass.jp)まで。

×