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EIZOと大林組、能登半島災害復旧現場で3D映像による建設機械の遠隔操縦を実証

EIZOと大林組が能登半島災害復旧現場で3D遠隔操縦を実証

EIZO株式会社は、株式会社大林組と共同で、能登半島地震の災害復旧現場において、3D映像技術を活用した建設機械の遠隔操縦の実証実験を実施しました。この取り組みは、災害現場における安全性の確保と復旧作業の効率化を目指すものです。

背景：災害現場での遠隔施工の課題

大林組が手掛ける「令和6年度能登半島地震地すべり（曽々木・渋田）緊急復旧工事」では、落石などの二次災害のリスクが高い場所での作業が求められていました。そのため、作業員の安全を確保しつつ効率的に作業を進めるために、建設機械の遠隔操作が重要な要件となっていました。

しかし、従来の遠隔操縦では、平面的な2D映像が使われていたため、建設機械の周囲の状況や、作業対象までの距離感を正確に把握することが難しいという課題がありました。これにより、操作性や作業効率に影響が出ていました。

3D映像技術で建設機械の遠隔操縦を改善

この課題を解決するため、大林組とEIZOは、3D映像表示技術を用いた遠隔操作ソリューションを試験的に導入しました。このシステムは、日立建機株式会社との協創によって開発された技術を基にしています。

建設機械の様子

3D映像を用いることで、まるで運転席に座っているかのようなリアルな距離感を再現し、オペレーターは複数の画面を見る必要がなく、一つの3D映像に集中して作業できる環境が作られました。

遠隔操作中の様子

このシステムでは、石川県輪島市の復旧現場と千葉県君津市にある遠隔操縦拠点をネットワークで結び、長距離での安定したステレオ映像伝送を実現しました。

システム構成図

実証で確認された効果

今回の現場実証では、以下の3つの効果が確認されました。

作業時間の改善

建設機械による崩土の積み込み作業において、従来の2D映像での操縦と比べて作業時間を評価した結果、3D映像によって奥行きが認識しやすくなったことで、作業スピードが向上することが確認されました。

安全性の確保

EIZOのストリーミングゲートウェイ技術により、石川県と千葉県という離れた場所の間でも、映像のズレが少ないステレオ映像を安定して送ることができました。これにより、遠隔から安全に実証作業を行うことができました。

災害復旧の迅速化

災害現場では、一刻も早い復旧が求められます。しかし、全体を見渡すための俯瞰カメラの設置には時間がかかり、初動対応が遅れることがあります。3D映像を活用することで、俯瞰カメラの設置作業を省くことができ、迅速な対応が可能になります。

「けんせつフェア北陸2025」での紹介

この実証の成果は、2025年10月に開催された「けんせつフェア北陸2025 in 新潟」の大林組ブースにて紹介されました。遠隔操縦における距離感の課題を解決する取り組みとして、多くの来場者から注目を集めました。

展示会の様子

今後の展望とEIZOのサステナビリティへの取り組み

EIZOは今後も、3D遠隔操作ソリューションをさまざまな建設機械や作業に適用するため、現場での検証を重ねていく予定です。これにより、自然災害発生時の早期復旧や、建設機械の操縦者不足といった社会的な課題の解決に貢献していくことを目指しています。

EIZOは、「映像を通じて豊かな未来社会を実現する」という企業理念のもと、サステナビリティ（持続可能性）への取り組みを進めています。特に環境分野では、「循環型社会への対応」や「気候変動への対応」を重要な課題として掲げています。

国際的な枠組みであるTCFD（気候関連財務情報開示タスクフォース）やTNFD（自然関連財務情報開示タスクフォース）の提言に基づき、情報開示も行っています。

具体的な取り組みとして、2040年までのNet Zero（温室効果ガス排出量実質ゼロ）達成に向けた「低炭素移行計画 – Transition to Net Zero -」を推進しています。

バリューチェーン全体で常に環境に配慮し、資源の有効活用、気候変動の緩和、生物多様性および生態系の保護を含む環境保全、汚染予防、環境リスクの低減に努めています。

EIZOのサステナビリティの取り組みに関する詳細はこちらをご覧ください。

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