CONOC、AIが見積・工程の「判断」まで自動提案する次世代クラウドへ全面移行
株式会社CONOCは、建設業界向けSaaS「CONOC建設業クラウド」を、AIエンジンを中核とする新しいクラウド基盤へ全面移行したことを発表しました。この移行により、図面や仕様書、見積データをAIが自動で解析し、最適な単価、数量、工程を提案できるようになります。これにより、これまで人の経験や勘に頼っていた判断業務をAIが担い、建設業務の生産性、精度、スピードが大きく向上すると期待されています。
建設業クラウドに関する詳細はこちらをご覧ください。
https://conoc-dx.co.jp/lp/conocLP/

移行の背景
建設業界では、人手不足や技術者の高齢化が深刻な課題となっています。長年の経験を持つ熟練技術者が引退する中で、彼らの持つ「勘と経験」を次の世代に伝えることが難しくなっています。同時に、工期の短縮やコストの最適化、品質の維持といった要求は高まっており、現場での判断の速さと正確さがこれまで以上に求められています。
これまで、多くの企業がデジタル技術を使って業務を効率化してきましたが、その多くは書類のデジタル化やペーパーレス化といった範囲にとどまっていました。図面管理ツールや見積ソフトが普及しても、最終的な判断が誰に委ねられるかによって結果が変わってしまう「属人化」という問題が残っていたのです。
CONOCは、このような状況を解決するため、「判断の自動化」を次のDXの形として掲げています。AIが過去の実績や現場データを学習することで、人が行ってきた思考や判断を再現し、特定の経験に頼らない、誰でも同じ品質で業務を行える仕組みを目指します。これは、単なる業務効率化にとどまらず、人の思考力をAIで拡張する新たな挑戦です。
新クラウドの主な特長
AIが見積を自動提案
図面、仕様書、見積データをAIが解析し、最適な単価、数量、部材を自動で提案します。これにより、経験の浅い人や専門外の人でも、正確な見積書を短時間で作成することが可能になります。
AIによる工程最適化とリスク予測
過去の施工実績、季節による要因、人員配置データなどをもとに、AIが工期、資材、コストの最適なバランスを計算します。これにより、プロジェクト全体のリスクを事前に予測し、工期が遅れるのを防ぐことができます。
クラウド基盤で現場・本社・協力会社をリアルタイム連携
全国の現場、支店、協力会社がクラウドでつながり、データがすぐに共有されます。これにより、どこからでもプロジェクトの進捗状況や費用をリアルタイムで把握できます。
経営判断を支援するAI分析
クラウドに蓄積された業務データをAIが自動で分析し、経営、営業、施工といった各部門に対して、最適な行動を提案します。
期待される効果
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定型業務を最大80%削減: AIによる自動解析と提案により、見積作成や工程作成などの手作業が大幅に減ります。
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判断精度の標準化と属人化の解消: 熟練者の経験に依存していた判断をAIが再現するため、誰でも同じ精度で業務を進めることができます。
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コストロス・手戻りの削減: リスクを事前に予測することで、設計変更や遅延を未然に防ぎ、全体のコスト削減につながります。
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意思決定スピードの向上: 全拠点のデータがリアルタイムで共有されるため、現場、本社、協力会社がすぐに判断を下せます。
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使うほど進化するプラットフォーム: AIが日々の業務データを学習し、プロジェクトの特性に合わせた最適な解決策を自動で更新していきます。
今後の展望
CONOCは、AIクラウドのβ版を2025年12月より提供を開始し、正式リリースは来春を予定しています。
正式版では、見積、工程、原価、進捗といった様々な業務データを横断的に分析する機能を強化し、AIによる最適な提案の精度をさらに高めます。また、各種業務管理ソフトウェアやERPとのAPI連携を広げ、企業、現場、協力会社が共通のデータでつながる「オープンプラットフォーム化」を進めることで、現場のデータを経営判断に活かす「データドリブンな建設マネジメント」の実現を目指します。
CONOCはこれからも、AIとクラウドの力で業務のあり方を根本から変え、建設業界全体の生産性と意思決定能力を高める次世代のインフラを目指していきます。
代表取締役社長 山口コメント

CONOCの代表取締役社長である山口氏は、「私たちは、建設業界の『常識』をひっくり返すためにCONOCを立ち上げました。今回のAIクラウド化は、その理念を実現する第一歩です。現場の勘と経験をAIに置き換えることで、誰もが『プロの判断』をできる時代を創ります」と述べています。
CONOC建設業クラウドについて
工務店の現場目線で開発された「CONOC建設業クラウド」は、AIを搭載した業務管理ツールです。

このツールは、見積書や請求書の作成、売上や原価の自動グラフ化、工程表の作成など、建設業の様々な業務を一元的に管理できます。誰でも簡単に導入でき、直感的に操作できるシンプルなデザインが特長です。経験や技術の共有をサポートすることで、建設業界が抱える高齢化や技術継承といった課題の解決を目指します。
株式会社CONOCについて
長年建設業に携わってきた株式会社CONOCは、2021年6月に、建設業界のDX化を目指すCon-tech事業を開始しました。「建設業界の常識を、ひっくり返す。」という企業理念のもと、Construction(建設)の頭文字「CON」と、それをひっくり返した「NOC」を組み合わせた「CONOC(コノック)」という社名で、Con-tech事業を展開しています。
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所在地: 東京都多摩市山王下1丁目12−12 福満ビル2F
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設立日: 2010年3月(創業2004年1月)
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代表者: 代表取締役 山口 一
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事業内容: Con-tech事業


