AVerMediaとRealSenseが戦略的パートナーシップを締結、フィジカルAIの迅速な開発を支援

アバーメディア・テクノロジーズ株式会社は、2025年12月22日、フィジカルAI向けのエッジAIソリューションを展開するAVerMedia Technologies社と、AI搭載型コンピュータビジョン技術のパイオニアであるRealSense社が、フィジカルAIの迅速な実装を支援するための戦略的パートナーシップを結んだことを発表しました。

ロボットカーと開発キットのイメージ

パートナーシップの目的と背景

近年、ロボティクス分野をはじめとするフィジカルAIが急速に注目を集めています。この動きを受け、AVerMediaとRealSenseは、開発企業がより早く製品を開発し、それぞれの得意な分野に集中できる環境を整えることを目指しています。

この提携は、自律配送ロボット(AMR)、産業用ロボット、モバイルマニピュレーションといった様々な市場での開発から実際の運用までのプロセスを加速させることが期待されています。

「AVerMedia SenseEdge デベロッパーキット」の提供開始

今回の提携の一環として、「AVerMedia SenseEdge デベロッパーキット」の提供が開始されます。このキットは、開発プロジェクトの検証から製品の実装、展開までの時間を短くするための、統合されたAIビジョン製品です。

この製品の中心となるのは、AVerMediaの「D317」というNVIDIA Jetson AGX Orinに対応したエッジAIデバイスです。これに、GMSL/USB/PoE接続に対応する各種アダプタとRealSense社の深度カメラが組み合わされており、すべて事前に設定されたパッケージとして提供されます。これにより、開発者は異なる機器同士の接続や複雑な初期設定に時間を取られることなく、すぐに開発作業に取りかかれるようになります。

AVerMedia D317 AGX OrinとRealSense深度カメラのシステム構成図

AVerMediaのCEOであるMichael Kuo氏は、「AVerMediaは、次の世代の賢い機械の実現を支援することに力を入れています。当社のアプリケーション対応ソリューションとRealSenseの深度センシング技術を組み合わせることで、開発者の準備の負担を減らし、完成度の高い開発プラットフォームを提供できます。開発時間の短縮はフィジカルAIを広めるために非常に重要であり、この変化を推進できることを誇りに思います」と述べています。

RealSenseのCEOであるNadav Orbach氏は、「今回のパートナーシップは、フィジカルAIの“視覚中枢”を実現するという当社の使命にとって、大きな一歩です。RealSenseの優れた深度認識技術と、AVerMediaの高性能なエッジAI処理ソリューションを組み合わせることで、人が行き交うような動的な場所でも、ロボットがリアルタイムに“見て、感じて、行動する”ことが可能になります。両社の協力により、ロボティクスの革新を加速させ、具体的な製品を世界に届けます」と語っています。

開発キットの電子部品とケーブル

AVerMediaについて

アバーメディア・テクノロジーズ (AVerMedia Technologies, Inc.) は、映像や音声の技術に特化した企業です。様々なAIアプリケーションに対応するエッジAIデバイスや、すぐに使えるソリューションを提供しています。スマートシティ、ロボティクス、産業オートメーションといった幅広い分野でAIの導入を加速させるため、NVIDIA Elite Partnerとして、エッジAI環境でAIを効果的に活用できる先進的なソリューションの提供に力を入れています。
公式サイト:https://professional.avermedia.com/

RealSenseについて

RealSenseは、Intel Corporationから生まれた企業で、自律移動ロボット、入退室管理、産業オートメーション、ヘルスケアなど、多くの分野で使われている、業界トップクラスの深度カメラとビジョン技術を提供しています。フィジカルAI向けに世界レベルの認識システムを提供し、ロボティクスとAIを安全に日常生活に組み込むことを使命としています。機械が人のいる環境を認識し、相互に作用するための、賢く、安全で信頼性の高いビジョンシステムを展開しています。
公式サイト:https://www.realsenseai.com

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