AI時代に対応!小型データセンター「DX edge Cool Cube」が登場
株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)と河村電器産業株式会社は、AI時代に必要な分散型デジタルインフラを実現するため、高密度GPUサーバーに対応したモジュール型エッジデータセンター「DX edge Cool Cube」を共同開発しました。本日からIIJが販売を開始します。
この製品は、2025年3月に発表された試作機をさらに改良したもので、AIの利用が広がる現代に求められる分散型のデジタルインフラとして、設計から導入までをサポートします。価格は個別に見積もりされ、標準納期は5ヵ月です。
開発の背景と目的
最近、生成AIの普及が進み、GPUを搭載した高性能なサーバーの導入が増えています。これらのサーバーは多くの熱を出し、大量の電力を消費するため、データセンターの電力需要は世界中で増え続けています。従来のデータセンターでは、この急激な電力増加に対応するのが難しく、冷却方法や電源設計など、インフラ面で大きな変化が求められています。
しかし、新しい大規模データセンターを作るには、広い土地の確保や電力の供給、そして長い建設期間が必要となり、AI需要の増加に素早く対応することが難しいのが現状です。一方で、製造業や研究機関、自治体などでは、データをすぐに処理したり、セキュリティをしっかり確保したりするために、クラウドと自分たちの施設を組み合わせたハイブリッド運用や、現場でデータを処理するエッジコンピューティングといった、分散型のデジタルインフラが注目されています。
このような状況を受けて、IIJと河村電器産業は、それぞれが持つ情報通信と電力設備の技術を合わせて、AI時代に合った分散型デジタルインフラの形として、モジュール型エッジデータセンターを開発し、販売を開始することになりました。
製品の特徴
「DX edge Cool Cube」には、主に3つの特徴があります。
1. すべてが揃ったエッジAI基盤
「DX edge Cool Cube」は、電源供給、冷却システム、サーバーラックが一つになった、完結型のAI基盤です。特に熱を多く出すGPUサーバーを含むAIの作業に最適化されており、1つのモジュールで20kW以上の電力を供給でき、高効率な冷却機能も備えています。主要なサーバーメーカーのラックシステムにも対応しており、クラウドに頼らずに、生成AIや推論処理を自分たちの環境で実行できる「プライベートAI」の基盤として利用できます。

2. コンパクトで柔軟な構成
電気設備、IT機器、冷却装置(チラー)の各モジュールを組み合わせて、必要な規模に合わせて1ラックから導入できます。GPUの追加や、新しい拠点への設置も柔軟に対応できるため、分散型のインフラをスムーズに作ることができます。

3. 高品質で低コスト、そして短納期
受電キュービクルの筐体を活用したモジュール構造のため、新たにデータセンターの建物を建てる必要がありません。屋内外どちらにも設置可能で、現場での設計や工事を最小限に抑えることで、品質を安定させ、短期間での導入を実現します。一般的なビル型のデータセンターやコンテナ型データセンターと比べて、効率的な投資でAI基盤を素早く立ち上げることが可能です。

活用シーン
電力と情報通信を最適化する分散型デジタルインフラ
余った電力の活用や発電所への併設、工場跡地や倉庫など、既存の施設を利用した分散型AIデータセンターとして導入できます。データセンター事業者、公共・エネルギー関連事業者だけでなく、ゼネコンや設備サブコンとの再開発・改修プロジェクトで、GPUに特化したデータセンターとしても活用が期待されます。
製造業、研究開発拠点、医療機関などのAI基盤
秘密性の高いデータを扱う現場で、データを外部に出さずにAIを運用するための基盤として利用できます。小規模な試用から大規模な本格導入まで、高いセキュリティや通信の遅延が少ないことが求められるAIの作業を現場で実行できます。
低遅延が求められるエッジAIの社会実装
自動運転や映像解析、スマートシティなど、リアルタイム性が求められる分野において、通信の遅延を抑えた分散配置型のAIとして活用できます。最小限の構成での試用導入から、本格的な展開までをサポートします。
「DX edge Cool Cube」の標準仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| サーバ負荷容量 (1ITモジュールあたり) | ・空冷 最大45kW ・液冷 60kW (CDU冷却能力による) |
| PDU入力電源 | 単相200V または三相4線400V |
| モジュールサイズ(mm) | W1000/1200 x D2000 x H2500 |
| 収納ラック | EIA規格19インチラック(1ラック42RU) ※DLCの場合、インラックCDU搭載等のカスタマイズ対応 |
| 冷却方式 | 空冷(In-Row空調)および直接液冷(DLC:Direct Liquid Cooling) |
| 設置環境 | 屋内設置、屋外設置タイプ ・外部環境温度: -20℃~40℃ (連続使用温度)、-25℃~45℃(最大許容温度) ・防じん防水性能:IP55 |
| その他機能 | ・複数モジュール連結でN+1構成 ・遠隔環境監視制御(設備状況、環境センサー、火災予兆検知) ・物理セキュリティ ・防音仕様 |
今後の展望
両社は今後、地域に分散されたデータセンターの展開や、再生可能エネルギーを活用したモデルの構築を進めていきます。また、現在行われている地域分散型インフラの実証で得られた知識をもとに、日本国内だけでなく海外においても、分散型デジタルインフラの導入をさらに促進していく予定です。
展示会での実機展示
2026年3月24日から25日に開催される展示会「Data Center Japan 2026」のIIJ・河村電器産業共同ブース(ブース番号:2B-02)では、「DX edge Cool Cube」の実機が展示されます。
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