AIスキル習得者が業務成果を実感、95.7%が「成果が出ている」と回答

AIスキル習得者が業務成果を実感、95.7%が「成果が出ている」と回答

「日本リスキリングコンソーシアム」が実施したアンケート調査により、AIスキルを学んだ人の95.7%が業務で具体的な成果を実感していることが明らかになりました。この調査は、AI関連講座を受講し、生成AIツールを業務で使っている1,743人の日本リスキリングコンソーシアム会員を対象に行われました。

AIスキリングとは

リスキリングとは、新しい仕事に就くため、または今の仕事で必要とされるスキルが大きく変わることに対応するため、必要なスキルを身につけることです。

日本リスキリングコンソーシアムは2022年6月に始まり、国や地方自治体、企業など250以上の団体が協力して、全国の人々が学び続ける機会を作っています。2025年12月現在で、累計55万人以上が講座を受講しています。

調査結果の概要

今回の調査では、生成AIツールの業務での利用が進む中で、AIスキルを身につけた人たちが実際にどのようにAIを活用し、どのような成果を得ているのかが調べられました。

主な調査結果は以下の通りです。

  1. AIスキリングを実践した人の95.7%が「成果が出ている」と回答しました。
  2. 成果のトップ3は「業務時間の短縮・効率化」「生産性の向上」「新たなアイデア創出、企画力の向上」でした。
  3. AIツールの用途トップ3は「文章の作成・編集・要約」「情報収集、調査」「アイデア出し、ブレインストーミング」でした。
  4. 業務で生成AIツールを「ほぼ毎日」利用している人が73.1%と最も多い結果でした。
  5. AIスキリングが役立っている点として、「プロンプティング(AIへの指示の出し方)」が最も多く挙げられました。

調査結果の詳細

1. AIスキリング実践者の95.7%が「成果が出ている」

AI関連講座を受講し、生成AIツールを業務で利用している人たちに、その活用で得られた成果について尋ねたところ、「期待以上の成果が出ている」が48.2%、「ある程度成果が出ている」が47.5%となり、合わせて95.7%が「成果が出ている」と答えました。

生成AIツール活用による成果

2. 成果TOP3「業務時間の短縮・効率化」「生産性の向上」「新たなアイデア創出、企画力の向上」

生成AIツールの活用で「成果が出ている」と答えた人たちに、具体的な成果を聞いたところ、「業務時間の短縮・効率化」が91.8%で最も多く、「生産性の向上」が76.3%、「新たなアイデアの創出、企画力の向上」が56.9%と続きました。

生成AIツール活用による具体的な効果や成果

3. 用途TOP3「文章の作成・編集・要約」「情報収集、調査」「アイデア出し、ブレインストーミング」

生成AIツールの業務での用途については、「文章の作成・編集・要約」が87.4%で1位、「情報収集、調査」が80.5%で2位、「アイデア出し、ブレインストーミング」が71.0%で3位となりました。

業務における生成AIツール活用用途

4. 業務で生成AIツールを利用する頻度は「ほぼ毎日」(73.1%)が最多

業務で生成AIツールを利用する頻度については、73.1%の人が「ほぼ毎日利用している」と回答しました。

業務における生成AIツール利用頻度

5. AIスキリングが役立っている点は「プロンプティング」が最多

日本リスキリングコンソーシアムが提供する生成AI関連プログラムで学んだ内容が、AI活用にどのように役立ったかを聞いたところ、「プロンプトスキル向上」が49.1%と最も多く、「基礎知識・可能性の認識」が32.1%、「業務への具体的応用」が14.0%となりました。

プログラム受講によるAI活用への貢献内容

特に、生成AIツールを活用して「成果が出ている」と回答した人の中では、64.8%が「プロンプトスキル向上」を挙げました。

成果が出ている層におけるプログラム受講による貢献内容

AIスキリングによる具体的な成果事例

日本リスキリングコンソーシアムの会員からは、AIスキル習得によって業務が大きく改善された事例が報告されています。

  • 有限会社四国エレベータ 日田 将也さん
    従業員10人ほどの会社で、AI学習を通じて勤怠管理システムを内製化しました。生成AIとノーコードツールを組み合わせることで、現場の職人さんがスマートフォンから勤怠を入力できるようになり、会社での作業時間が大幅に削減され、直行直帰が可能になりました。

  • オイシックス・ラ・大地株式会社 前田 有香さん
    週3日時短正社員と大学研究助手を兼業する中で、AIトレーニングプログラムを受講。プロンプト作成スキルが向上し、企画書作成においてAIを「壁打ち相手」として活用することで、作業効率が体感で50%ほど向上。残業を増やさずに、会社員と研究助手の兼業を支える大きな柱となっています。

  • 食料品製造業 30代 Nさん(女性)
    商品開発部で、AIツールのプロンプト(指示文)の質を改善する意識が高まり、新商品開発に必要な情報収集が3〜4時間かかっていたものが30分に短縮されました。これにより、仕事のスピード感が向上し、マネージャーへの昇格も決まりました。

その他の成果事例は、日本リスキリングコンソーシアム公式サイトで公開されています。
https://japan-reskilling-consortium.jp/

新規会員向けにGoogle認定証講座を無料提供

日本リスキリングコンソーシアムは、AIの基礎と活用方法を学べる「AI Essentials」と、生成AIプロンプトを学べる「Prompting Essentials」のGoogle認定証講座を、新規会員先着5,000人に無料で提供します。

Google認定証講座

これらの講座は、キャリアアップにつながるGoogleの認定資格プログラム『Google Career Certificates』の一部です。

無料受講を希望する方は、下記のURLから新規会員登録後、マイページの「トレーニングプログラム一覧」で「グーグル合同会社」「認定書」「無料」を選択して申し込んでください。(先着順です)

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日本リスキリングコンソーシアムについて

日本リスキリングコンソーシアムは、国や地方自治体、民間企業などが協力し、地域や性別、年齢に関わらず、全国の人々のスキルアップを支援する取り組みです。

2025年12月現在、250以上の団体が参加し、1,500以上のトレーニングプログラムを提供しています。個人だけでなく、企業や自治体などの団体が社員や職員を登録し、受講状況を一括管理できる「団体会員・団体受講機能」も提供しています。

経済同友会とも協力し、企業内で活用されている実践的なトレーニングの一般公開や、女性・地方のデジタルリスキリング支援を進めています。

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