安藤ハザマ、AI構造設計支援システム「BROWNIE」を社内標準化 ― 熟練技術の継承と業務効率化を実現

安藤ハザマは、株式会社リバネス、株式会社ヒューマノーム研究所、ソーラーテック株式会社と共同開発したAIとRPA(Robotic Process Automation)を活用した構造設計支援システム「BROWNIE(ブラウニー)」を、構造設計部門の標準システムとしました。

このシステムは、構造設計の初期検討から利用でき、基本設計の効率を大幅に高めることで、経験の少ない設計者でも熟練の構造設計者と同じような成果を出せる設計環境を作ります。

設計業務フローにおける構造設計支援システム「BROWNIE」の位置付け

取り組みの背景

建築物の構造設計では、柱や梁の大きさを決める際に、さまざまな条件を満たす必要があります。これまでの設計方法では、構造計算プログラムに手作業で部材の情報を入力し、何度も試行錯誤を繰り返すため、多くの時間がかかっていました。また、最終的な設計の質が、担当者の知識や経験によって変わるという課題もありました。

これらの課題を解決するため、安藤ハザマは、短期間で精度の高い構造計算結果が得られるRPAを使った自動計算システムを作り、さらにそのシステムを基に、計算時間と施工のしやすさの問題を解決するAI「AIグルーピングシステム」を開発しました。

本システムの機能と特長

AIグルーピングシステムとRPAシステムを一緒に使うことで、構造設計の基本設計業務が自動化され、作業時間を平均で約50%削減できるというアンケート結果も出ており、設計品質の均一化も実現しています。

主な機能は以下の通りです。

  • 柱や梁の仮の断面を自動で計算する機能

  • 初期設計段階での構造骨組みの概算見積もり資料を作る支援機能

  • 複数の設計案を比較検討し、最適な構造計画を選ぶ支援機能

社内への導入経緯と普及状況

このシステムは2019年に開発が始まり、2022年に初めて試験的に運用されました。その後、構造設計者の意見を取り入れながら改良を重ね、2023年には鉄骨造ラーメン架構向けのシステムが本格的に使われ始めました。以降、他の構造や架構形式についても順次本格運用が進められています。

開発の初期段階から迅速な改良と構造設計者への展開・教育が行われた結果、2026年2月時点での社内利用率は80%に達しています。また、このシステムが適用できるすべての案件のうち90%で採用され、すでに多くの建築プロジェクトで良い成果を出しています。

適用可能な構造・架構形式

本システムは以下の構造種別と架構形式に対応しており、幅広い建築物への適用が可能です。ただし、高さ60m以下の建築物が対象となります。

  • 対応構造種別

    • 鉄骨造(S造)

    • 鉄筋コンクリート造(RC造)

    • ハイブリッド造(RC柱+S梁)

  • 対応架構形式

    • ラーメン架構

    • ブレース付きラーメン架構(S造)

    • 耐震壁付きラーメン架構(RC造)

構造設計支援システム「BROWNIE」の適用架構形式

これにより、構造種別や架構形式の比較検討が素早く柔軟にできるようになり、費用対効果の高い設計提案が実現します。

今後の展開

今後の「BROWNIE」の開発では、さらなる自動化や高速化を進め、より効率的な構造設計ツールとしての進化を目指します。また、若い技術者の教育ツールとしても活用を進め、構造設計分野における技術の継承と人材の育成を図っていく予定です。

用語解説

  • RPA(Robotic Process Automation):これまで人が行っていた作業や、より高度な作業を、コンピューターがルールに基づいて自動的に代わりに行う取り組みです。

  • 「BROWNIE」の名称由来:夜中にこっそり家事を手伝う働き者の妖精「BROWNIE」にちなんで名付けられました。詳細は安藤ハザマの2022年3月7日リリースで確認できます。

  • 標準システムの基準:構造設計部門内でこのシステムが標準的に使われていると判断する基準として、利用者率が80%以上と設定されており、この基準を達成しました。

  • AIグルーピングシステム:構造計算モデルの部材をAIが自動的にグループ分けすることで、RPAによる適切な構造計算を導くためのシステムです。

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