renueの「Drawing Agent」が進化、高精度3Dモデル生成と構造解析で設計業務を効率化

株式会社renueは、図面SaaS「Drawing Agent」の機能アップデートを発表しました。今回のアップデートは、これまで手作業に頼っていた図面の読み取りから構造解析までの一連の作業を短くし、設計業務をより効率的に進めることを目的としています。

高精度な3Dモデル生成、アセンブリ、CAE機能を搭載した靴設計ソフトウェアのUI

アップデートの主な内容

今回の機能拡張では、主に以下の3つの点が追加・強化されました。

  • 高精度な3Dモデル生成: 特にスニーカーのゴム底(Outsole)に特化し、補助線などの不要な情報を取り除いた上で、材質やパーツごとに構造を理解した高精度の3Dモデルを自動で作れるようになりました。

  • 複数パーツの組み立て(アセンブリ機能): 複数のパーツを組み立てる機能が追加されました。パーツ同士の配置関係を管理し、ぶつかり合いがないか(干渉チェック)や、正しく組み合わされているか(整合性検証)を自動で確認できます。

  • 構造解析(CAE機能 β版): 作った3Dモデルに対して、「どこに力がかかると壊れやすいか」を自動で解析する機能(CAE機能 β版)が追加されました。

これらの機能により、熟練の技術者が手作業で行っていた図面の読み取り、分解、3D化の作業が自動化されるため、設計者は図面をアップロードするだけで高精度の3Dモデルを得られるようになります。

各機能の詳細と効果

高精度な3Dモデル生成

Drawing Agentは、スニーカーのゴム底(Outsole)に特化し、構造や材質の知識をシステムに深く組み込むことで、高い精度を実現しています。処理は以下のステップで自動的に進みます。

  1. 図面の確認・左右判定: 設計図面(PDF)から底面図・断面図・上面図を自動で認識し、材質の種類や靴の左右も判断します。
  2. 断面線の紐付け(手動操作): 断面図が底面図のどの位置に対応するかを、ユーザーが画面上でクリックして関連付けます。この情報が3Dモデル生成の骨組みとなります。
  3. 補助線の除去と図面の整理: 寸法線や注釈などの補助線を取り除き、輪郭線だけのきれいな図面に整理します。
  4. 断面のアウトライン確認: 各断面の輪郭線を取得し、品質チェックを自動で行います。材質もこの段階で識別されます。
  5. 底面の輪郭確認と品質チェック: 底面の輪郭線と断面の形を3D空間で重ね合わせ、位置情報が一致しているかを検証します。
  6. 3Dモデルの組み立て: 輪郭からパーツの形、そして表面の形へと段階を踏んでパーツを作り上げます。クッション材(EVA)は3つのパーツに分けて作られ、ゴム底(Outsole)と合わせて組み立てられます。完成した3Dモデルは、材質ごとに色分けして表示するなど、複数の方法で確認できます。

靴の3Dモデリングソフトウェア画面。底面アウトラインと断面図の確認、フットサイド判定結果が表示され、品質ゲートを合格したワークフローを示している。

この高精度な3Dモデル生成により、熟練の技術者が手作業で行っていた一連の作業が自動化され、設計者自身が図面をアップロードするだけで高精度の3Dモデルを得られるようになると考えられます。また、AIが不確実な部分を自分で知らせる仕組みにより、人間による確認作業の約80%を減らせると見込まれています。

複数パーツの組み立て(アセンブリ機能)

複数のパーツで構成される製品について、パーツごとに3Dモデルを作り、組み立てた状態で表示する機能が開発されました。

アセンブリ機能を持つソフトウェアインターフェース。図面からパーツを自動で分割・認識し、一つの構造物として組み立てるプロセスが描かれ、3Dレンダリングされたモデルと物理的特性が表示されている。

この機能により、パーツ間の配置関係を記録・管理し、組み立て時の位置合わせを自動で行います。また、パーツ同士が重なっていないか(干渉チェック)や、正しく組み合わされているかを自動で検証できます。従来は手作業で行っていたパーツ間の整合性確認をシステムが自動で実行するため、設計の手戻りを減らせると考えられます。

構造解析(CAE機能 β版)

生成された3Dモデルに対して、構造解析(CAE機能 β版)を自動で実行する機能が開発されました。これにより、図面の読み取りから3Dモデルの生成、そして構造解析までの一連の作業がDrawing Agent上で完結します。

生成された3Dモデルに対してCAEによる構造解析を実行する機能を示す画像。応力分布を示す3Dモデル、スコアタイムライン、評価詳細が表示されている。

AIが図面から読み取った情報をもとに、「どこを固定し、どこに力をかけるか」を自動で推定します。設計者は提案された条件を確認・編集するだけで解析の準備ができます。また、製造業でよく使われる様々な材質データがあらかじめ内蔵されており、材質を選ぶだけで物理的な数値が自動で設定されます。解析結果は3Dモデル上にヒートマップとして表示され、どこに力が集中しているかを直感的に把握できます。解析結果はPDFレポートとして出力できるため、社内での共有や設計レビューにそのまま活用できます。

この機能により、境界条件や荷重、材質の設定をAIが自動で推定するため、従来、解析の準備にかかっていた時間の約60〜70%を減らせると見込まれます。本格的な解析ソフトを使う前に、短時間で強度の見当をつけられる構成です。

Drawing Agentについて

Drawing Agentは、2D図面画像をアップロードするだけで3Dモデルが自動で生成される図面SaaSです。CADソフトウェアの操作スキルがなくても、設計者自身が数分で2D図面を3Dデータに変換できます。これにより、従来CADオペレーターが数時間かけていた変換作業を、ファイルをアップロードするだけで完了できるようになります。

製品の詳細はこちらをご覧ください。
https://renue.co.jp/services/drawing-ai

今後の展望

現在はゴム底(Outsole)の3Dモデル生成が中心ですが、今回の機能で得られた「材質ごと・パーツごとに分解して構造を理解する」という方法を活かし、今後は対応できる製品の範囲をさらに広げていくことも考えています。また、自然な言葉でのチャット機能をさらに進化させ、より多くの修正や調整を対話的に行えるようにしていく予定です。

複数パーツの組み立て(アセンブリ機能)と構造解析(CAE機能 β版)については、対応するパーツ間の配置パターンを増やし、解析の精度を高めることを継続し、正式版のリリースを目指します。将来的には、Drawing Agentが図面の読み取りから3Dモデル生成、構造解析までを一貫して扱える設計検証のプラットフォームへと発展していくでしょう。

会社概要

  • 会社名: 株式会社renue

  • 所在地: 〒105-7105 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター 5階

  • 代表者: 山本悠介

  • 事業内容: AIコンサルティング業

  • URL: https://renue.co.jp/

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