建設業のデジタル化はなぜ進まない?AI業務OS「BuildOS」が変える資材リース業の未来

建設業界では、長らく「紙・FAX・Excel」に頼る業務が続いています。株式会社Leachは、資材リース業向けのAI業務システム「BuildOS(ビルドオーエス)」の開発にあたり、現場の状況を調査しました。その結果、デジタル化が進まない背景にある構造的な課題と、BuildOSがどのように解決を目指しているのかが明らかになりました。

複数の画面を同時に開く日常

複数の画面を同時に開き、手作業で転記する日常
ある建設資材リース会社の事務所では、事務スタッフが在庫管理や単価表、現場情報など、複数の画面を同時に開き、必要な情報を手作業で別の画面に書き写す作業に追われています。この作業は一日中続き、新しい社員が一人前になるまでには長い時間がかかります。特に、在庫の確認や処理は複雑で、膨大なデータの中から間違いを見つけ出し、手作業で確認していく必要があります。仮設資材は貸し出しから返却までを追跡する必要があり、工事の進み具合によって返却時期が変わるなど、管理の手間が非常に大きくなっています。

「属人化」というリスク

属人化という静かなリスク
現場でよく聞かれるのが「属人化」という言葉です。これは、特定の業務が特定の人にしかできない状態を指します。取引先によって異なるルールや例外処理が多く、その知識がマニュアルに書ききれないため、経験豊富な社員に業務が集中してしまいます。この属人化は、事業を広げる上での大きな課題であり、担当者が不在になると業務が滞るという静かなリスクを組織にもたらしています。

建設業のデジタル化を阻む3つの壁

建設業のデジタル化を阻む3つの壁
このような課題は、資材リース業に限らず、建設業界全体に共通するものです。

  • 壁1:現場主義という物理的制約
    建設現場では、屋外での作業が多く、手袋をしたままでタッチパネルを操作するのは大変です。また、粉塵や雨にさらされる環境では、精密なデジタル機器を使うのが難しいことがあります。そのため、手書きで記入でき、電源や通信が不要な紙の伝票が、現場では合理的な選択肢であり続けています。

  • 壁2:重層下請け構造
    建設業界には、発注者から元請け、下請けへと何層にもわたる企業が関わる複雑な構造があります。大手の元請け企業が最新システムを導入しても、末端の小規模企業ではパソコンが1台あるかどうかの状況です。そのため、1社だけがデジタル化しても、取引先がアナログな限り、結局は紙やFAXとデジタルを両方使うことになります。

  • 壁3:フォーマットの非標準性
    取引先ごとに伝票のフォーマットが異なることも大きな課題です。記載する項目は法律で決まっていても、レイアウトや記入方法はバラバラです。これにより、データを受け渡す際に手作業での転記が必要となり、ミスが起きやすくなります。従来のOCR(文字認識)技術では、このような多様なフォーマットに対応しきれないことが、自動化を妨げてきました。

2024年問題が突きつけた現実

2024年問題が突きつけた猶予なき現実
さらに、建設業界は「2024年問題」に直面しています。2024年4月から、時間外労働の上限規制が建設業にも適用され、長時間労働に頼る働き方ができなくなりました。建設業は他の産業と比べて労働時間が長く、特に事務部門では、締め日近くの請求確認業務が長時間労働の大きな原因となっています。人手不足も深刻で、このままでは業務が回らなくなるという危機感が広がっています。

資材リース業は建設業務の「結節点」

資材リース業 建設業務の『結節点』
BuildOSの開発チームが資材リース業に注目したのは、この業界が建設業界の「結節点」に位置しているからです。資材リース会社は、ゼネコン、下請け会社、資材メーカーなど、多くの企業と日々取引しています。ここをデジタル化できれば、その影響は建設業界全体に広がる可能性があります。また、資材リース業の業務サイクルは比較的パターン化されており、AIによる自動化の効果が出やすい分野でもあります。

現場の声から見えた「あるべき姿」

現場の声から見えた『あるべき姿』
資材リース会社が共通して求めていたのは、次のような業務の形でした。

  • 現場で発生した情報が、手作業なしで事務所のシステムに届くこと

  • 届いた注文書などの内容が自動で読み取られ、人が確認するだけで処理が進むこと

  • 仕事の状況がいつでも誰でもわかるように一元管理されること

これは、「人間が判断する前の準備作業を減らしたい」という思いからきています。BuildOSは、人間が確認すべき大切な部分に集中できるよう、情報収集や転記といった手間のかかる作業をAIに任せる「人間中心のAI活用」を目指しています。

既存のシステムでは解決できなかった理由

なぜ既存のソリューションでは解決できなかったのか
これまでも建設業界向けのITツールはありましたが、資材リース業の課題を完全に解決できるものはありませんでした。多くは「建設現場の管理」に特化しており、資材リース会社の事務作業(データ照合や請求書確認など)はカバーしていませんでした。また、一般的な業務システムでは建設業特有のルールに対応しきれませんでした。さらに、個別のツールを導入しても、ツール間の連携が手作業になることが多く、結局は手作業が減らないという問題がありました。BuildOSは、施工管理とバックオフィスの間にある、これまで手つかずだった資材リース業の業務全体をつなぐために作られています。

BuildOSのアプローチ

BuildOSのアプローチ
BuildOSは、AI技術を使ってこれらの課題を解決します。

  • フォーマットの違いをAIが吸収: 取引先ごとに異なる伝票や請求書の形をAIが自動で読み取り、必要な情報に変換します。

  • 請求確認の手間を大幅に削減: 入出庫のデータと取引先の請求書データをAIが自動で照合し、違いがある部分だけを教えてくれます。

  • 業務全体を一つのシステムで連携: 入庫、出庫、帳票管理、請求確認といったバラバラだった業務が、BuildOSという一つのシステムでスムーズにつながります。

BuildOSは、単なる複数のツールを組み合わせるのではなく、業務の「間」にある手作業をなくすことを目指しています。さらに、システムにデータがたまることで、業務そのものが学習し、ミスを減らしたり、業務の質を高めたりすることにつながります。

なぜ「今」AIなのか

これまでもデジタル化の試みはありましたが、生成AI技術の進歩が大きな転機となりました。従来の文字認識技術では、あらかじめ決まった形しか読み取れませんでしたが、生成AIは、文書の構造や意味を理解してデータを抽出できます。これにより、人間が手作業で行っていた「読み解く」作業をAIが行うことが可能になりました。また、AIの利用コストも下がっており、中小規模の企業でも導入しやすくなっています。

「紙をなくす」のではなく「紙に頼らなくてよい世界」へ

「紙をなくす」のではなく『紙に頼らなくてよい世界』を
BuildOSが目指すのは、現場から紙をなくすことではありません。現場で紙の伝票が使われるのには理由があります。大切なのは、現場で発生した紙の情報が事務所に届いた後を、デジタルでスムーズに処理できる仕組みを作ることです。現場の人に新しいデジタル機器の使い方を無理に教えるのではなく、現場と事務所の「境界」にAIを置いて、アナログな情報を自動でデジタルに変換します。株式会社Leachは、この「境界のAI」という考え方で、まず資材リース業の業務を自動化し、そこから建設業界全体のデジタル変革を進めていく方針です。

BuildOS お問い合わせ・デモ依頼受付中

BuildOSは現在、お問い合わせやデモ依頼を受け付けています。資材リース業務の自動化に興味がある企業は、気軽に相談できます。

会社概要

会社名 株式会社Leach
代表者 代表取締役CEO 冨永拓也
設立 2024年11月
所在地 東京都港区
事業内容 業界特化型AI業務OS「BuildOS」の開発・提供
URL https://leach.co.jp

本件に関するお問い合わせ先

お問い合わせ・デモ依頼 →: https://buildos.leach.co.jp

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