東急建設、BIM/CIMクラウド「KOLC+」を土木部門で20現場以上に展開開始

東急建設株式会社は、BIM/CIMクラウド「KOLC+(コルクプラス)」を土木部門で20現場以上に展開することを発表しました。この導入は、3D/4Dモデルとドローン測量による点群データを統合し、建設業務の効率化を推進するものです。

東急建設、BIM/CIMクラウド「KOLC+」を土木部門で20現場以上に展開

導入の背景

東急建設の土木部門では、これまで約10年にわたり、KOLC+の前身サービスからBIM/CIMのクラウド共有に取り組んできました。これまでに、「東京メトロ銀座線渋谷駅工事」や「東武鉄道とうきょうスカイツリー駅付近高架化工事」など、多くの現場でKOLC+が導入されています。

現場職員からは、発注者との話し合いにおいてKOLC+が非常に有効だったという評価があり、また、1つのプロジェクトで30名以上のユーザー登録を求める声も多数寄せられました。これらの実績と現場からの高い評価が、今回のKOLC+の大規模な展開につながりました。今後は「統合アプリ」を積極的に活用し、点群データと3D/4Dモデルを組み合わせた運用を進めていく予定です。

担当者からのコメント

東急建設株式会社 土木事業本部 技術統括部 土木設計部 ICT推進グループの糸田川 由美氏は、次のように述べています。

「当初は、現場職員が手軽に3Dモデルや点群データを確認することが主な活用方法でしたが、最近では『統合アプリ』のおかげで、現場職員だけでなく、発注者の方々も4Dモデルや点群データのような大きなデータを簡単に見て活用できるようになりました。今後、さらに多くの現場で活用が進むと見込まれます。また、広範囲の現場では、地上型レーザースキャナーではなくドローンによる計測が主流になりますが、点群データの作成に時間がかかる点が課題です。今後は、KOLC+を使ってドローンで取得した点群データを効率よく活用する方法に取り組んでいきます。」

東急建設(土木部門)での導入事例

東京メトロ銀座線渋谷駅移設プロジェクト

この工事は、開業から85年以上が経過し、老朽化や混雑、バリアフリー設備の不足といった課題を抱えていた東京メトロ銀座線渋谷駅を、再開発事業と連携して大規模に改良するものです。2020年1月には新駅舎への移設が完了し、現在は旧駅舎跡地の百貨店ビル等を撤去し、新たに約50mの橋梁2基を架設する工事が進められています。

活用事例としては、座標情報を持つ計画3次元モデルと現在の点群データを統合し、設計や計画が現場の状況と合っているかを検証するためにKOLC+が利用されました。

銀座線渋谷駅西口点群統合モデル

東武鉄道とうきょうスカイツリー駅付近高架化工事

この工事は、東武鉄道伊勢崎線(東武スカイツリーライン)のとうきょうスカイツリー駅付近約0.9kmの区間を鉄道高架化するものです。これにより、桜橋通りにある踏切がなくなることで、道路と鉄道双方の安全性が高まり、交通の流れがスムーズになります。また、鉄道と交差する道路も整備されることで、これまで鉄道によって分断されていた南北の街の行き来がしやすくなり、街の一体性や快適性が向上します。

活用事例として、工事場所が非常に狭い環境で、上空には電車線や多くの電線が存在する中、最大120トンのクレーンを設置して工事桁を架ける作業などが行われました。そこで、3Dレーザースキャナーを使って周辺の建物や上空の設備を点群データ化し、工事桁を含む構造物を3DCADで作成したモデルに統合することで、実際の現場環境を3Dモデルとして再現しました。この3Dモデル内で計画やシミュレーションを行うことで、設備との距離を正確に検証し、確実な工事方法を立てることができました。さらに、KOLC+を施主と共有することで、現場での立ち会い確認や話し合いをオンラインで行い、作業の省力化にもつながりました。

東武スカイツリー駅付近の3D点群データ

KOLC+(コルクプラス)とは

KOLC+は、BIM/CIMモデルや点群データをクラウド上でまとめて共有し、活用できる「BIM/CIMクラウド」です。国土交通省などの情報共有システム(ASP)としても利用されており、現在、500社以上の企業で使われています。また、国土交通省の「建築GX・DX推進事業」において、補助対象となるソフトウェアに認定されています。

東急建設株式会社の会社概要

  • 所在地: 東京都渋谷区渋谷1-16-14 渋谷地下鉄ビル

  • 代表者: 代表取締役社長 寺田 光宏

  • 会社HP: https://www.tokyu-cnst.co.jp

株式会社コルクの会社概要

  • 所在地: 東京都豊島区西池袋1-11-1 メトロポリタンプラザビル14階

  • 代表者: 代表取締役 堤 正雄

  • 事業内容: 建設業向けBIM/CIM共有クラウド「KOLC+」の企画、開発、運営

  • 会社HP: https://kolg.co.jp

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