日本から台湾のシールドマシンを遠隔操作、奥村組がシステム機能を向上

遠隔操作で国境を越えるシールドマシン

株式会社奥村組と奥村機械製作株式会社は、共同で開発したシールドマシンの遠隔操作システムをさらに使いやすく、安全に改修しました。このシステムを使い、奥村組技術研究所(茨城県つくば市)から、遠く離れた台湾・桃園市で動いているシールドマシンを実際に操作することに成功しました。

熟練オペレーター不足への対応

シールドトンネル工事で使うシールドマシンは、専門の知識と技術を持つオペレーターが現地で運転しています。しかし、日本ではもちろん、台湾でも、熟練の技術者が減り、新しい技術者もなかなか増えないという問題が深刻になっています。

奥村組と奥村機械製作は、この問題を解決するため、国内外どこからでもシールドマシンを操作できるシステムの開発を進めてきました。このシステムがあれば、熟練オペレーターが常に現場にいる必要がなくなり、将来的には一人のオペレーターが複数の現場を担当できるようになることが期待されています。

昨年は、日本からインターネットを使って台湾のシールドマシンにつながり、操作がきちんと伝わるか、通信にどれくらいの時間がかかるかを調べていました。

参考:2025年2月7日ニュースリリース

新しいシステムの特長

今回の改修で、遠隔操作システムはさらに進化しました。インターネットにつながる場所であれば、どんなシールドトンネル工事でも遠隔操作が可能です。

高い安全性と使いやすさ

システムを使う人が本当に本人かを確認するための「二要素認証」という仕組みを取り入れ、操作の記録(ログ)をきちんと管理することで、これまで以上に安全な環境で操作できるようになりました。この安全な操作環境は、サイバーセキュリティの国際的な基準を参考に作られ、外部の専門家によるチェックも受けています。

また、操作するコックピットは、現場にいるような臨場感が味わえるように工夫されました。ドーム型のモニターで現地の音や映像がリアルタイムに伝わるため、現場の状況がより分かりやすくなっています。実際の運転席と同じように配置されたタッチパネル式のスイッチとモニターがあるので、シールドマシンを操作した経験がある人なら、特別な訓練なしで使えるようになっています。もし通信に問題が起きても、すぐにわかるシステムも備わっています。

遠隔操作コックピットの画面

コックピットで操作する様子

遠隔操作の成功

茨城県つくば市にある奥村組技術研究所のコックピットから、インターネットを通して台湾・桃園市のシールドマシンを操作しました。掘る、進む、土を運び出すといったシールド工事の主な動きを遠隔で実施し、シールドマシンを動かすことができました。

この結果、以前のシステムと比べて操作性が良くなり、日本と台湾の間での通信エラーも問題なく検知できることが確認されました。安全な環境で、遠く離れた場所からでも現地と変わらない操作ができるため、従来のシステムよりも大幅に安全性が向上しています。

台湾のシールドマシン本体

シールドマシン内部での作業

今後の展望

今後は、遠隔操作中に通信エラーが起こったときに、シールドマシンを安全に止められる仕組みを取り入れ、さらに安全なシステムを目指します。また、一つの場所から複数の現場を遠隔操作できる機能や、XRゴーグルという特別なメガネを使って、場所や設備に縛られずに遠隔操作ができるシステムの開発も進められます。

この遠隔操作の技術は、技術者やオペレーターを育てるための教育や訓練にも活用される予定です。

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