建設DX・i-Construction wpmaster 2025年12月17日 0 コメント

建設DX研究所、建設DX推進に向けた「交流会2025」を開催

建設DX研究所は、建設業界のデジタルトランスフォーメーション（DX）を一層推進するため、「建設DX研究所交流会2025」を2025年11月27日に開催しました。

この交流会は、日頃の活動報告と建設DXのさらなる推進を目的に、アンドパッドが事務局を務める建設DX研究所が主催しました。大手建設事業者、大手ハウスメーカー、インフラ企業、建設テックスタートアップ、国土交通省、自治体、学識経験者など、120名を超える多様な関係者が集まり、建設DXの最前線を体験する機会となりました。

開催報告

交流会の冒頭では、建設DX研究所代表兼アンドパッド上級執行役員である岡本杏莉氏が、建設DX研究所の紹介と本イベントへの想いを語りました。

続いて、国土交通省住宅局建築デジタル推進官の佐々木雅也氏が「建築分野におけるDXの目指す方向性」と題して講演しました。2026年に始まるBIM図面審査や2029年からのBIMデータ審査に向けた具体的な計画、建築行政手続きのオンライン化について説明がありました。また、AIを活用した建築確認申請図書作成支援サービスにも触れ、生産性向上のために官民が協力することへの期待が強調されました。

鹿島建設株式会社デジタル推進室の國近京輔氏からは、「現場から生まれるDX 人と”場”がつくる未来の建設マネジメント」というテーマで講演がありました。同社が現場で行ってきたDXの移り変わりと、2025年以降にAIと技術の伝承を組み合わせる未来の姿が紹介されました。DXを「壮大な仲間集め」と表現し、スタートアップ企業や協力会社との信頼に基づく協力体制の重要性、そして誰もが生き生きと働ける建設現場の実現に向けた意気込みが示されました。

地域と建設DX〜自治体・テック企業の協創〜

イベントの後半では、「地域と建設DX〜自治体・テック企業の協創〜」と題したパネルセッションが行われました。地方自治体における建設DXの取り組み事例と今後の展望について議論されました。

神奈川県藤沢市計画建築部公共建築課の上級主査である最上澄代氏と、藤沢市のDX推進を支援したアンドパッドの加藤諒氏からは、老朽化する建築物の改修需要が増える中で、人材不足を補う解決策として「ANDPAD」を導入した経緯が説明されました。庁内での法定検査の効率化や、「ANDPAD遠隔臨場」を利用した遠隔での現場管理による移動時間の削減など、具体的な取り組みとその成果が紹介されました。

千葉県千葉市建設局下水道施設部下水道維持課の小野正義氏と、株式会社Liberawareの向山卓弥氏からは、ドローンを活用した下水道管の点検・調査について発表がありました。従来の調査方法では困難だった危険な場所において、Liberaware社の超狭小空間点検ドローン「IBIS2」を使うことで、安全かつ効率的な点検・調査を目指していることが語られました。

パネルディスカッションでは、「検討から本格導入までの最も重要な点」や「自治体とテック企業の理想的なパートナーシップ」といったテーマが深く掘り下げられました。これにより、新しい技術の活用や、自治体とスタートアップ企業との連携構築についての理解が深まりました。

建設DX研究所は、今後も建設DXを推進し、業界が抱える課題を解決するための取り組みをリードしていく方針です。

建設DX研究所について

建設DX研究所は、2023年1月に建設テック事業者を中心とした6社（株式会社アンドパッド、株式会社構造計画研究所、セーフィー株式会社、株式会社Polyuse、株式会社Liberaware、ローカスブルー株式会社）により、建設DXによる業界課題解決を目指して設立された団体です。2025年3月には、AIインフラ管理、AR/VR、建機自動運転などの最先端技術を持つ5社が新たに加わり、現在は11社で活動しています。発足以来、最新の政策や技術情報の提供、建設DXベンチャー・省庁・アカデミアが連携した勉強会の開催、関係省庁・議員への政策提言という3つの活動を中心に進めています。

建設DX研究所 HP: https://construction-dx.org/
X（旧Twitter）公式アカウント: @kensetsuDX_lab

「ANDPAD」について

「ANDPAD」は、現場の効率化から経営改善までを一元管理できるクラウド型建設プロジェクト管理サービスです。2016年の提供開始以来、使いやすさにこだわった開発と手厚いサポートにより、利用社数は23.3万社、ユーザー数は68.4万人を超えています。国土交通省のNETIS（新技術情報提供システム）では「令和6年度推奨技術」にも選定されています。