建設現場の省人化を推進!自律ショベルとクローラダンプの協調作業実証
建設現場の自動化に向けた新たな一歩
住友重機械工業株式会社、住友建機株式会社、株式会社フジタの3社が共同で、建設現場における土砂の積み込みと運搬を自動で行う実証試験に成功しました。この試験では、自律(※1)ショベルと自律クローラダンプが協力して、「掘削→積み込み→運搬→排土」という一連の作業を安全に最後までやり遂げられることが確認されました。これにより、これまでは2人のオペレーターが必要だった作業を、施工管理システムのオペレーター1人で安全に実施できることが示されました。
実証試験の様子は、以下の動画でも確認できます。

建設業界の課題と自動化への取り組み
現在の建設業界では、働く人の減少や高齢化が進み、人手不足と作業の効率アップが大きな課題となっています。このような状況に対応するため、国土交通省は「i-Construction 2.0(※2)」という方針を掲げ、建設現場の自動化を進めています。
住友重機械と住友建機は、周囲の状況を判断して自分で動く「自律型油圧ショベル」の開発を進めてきました。一方、フジタは、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)(※4)」を通じて、複数の建設機械が連携して自動で作業を行うための施工管理システムに取り組んでいます。これらの技術や取り組みが合わさり、建設現場の省力化と高度化を目指して、今回の実証試験が行われました。
実証実験の具体的な内容
この実証試験は、自律ショベルと自律クローラダンプが協力して作業する際の効率と安全性を確認する目的で、2026年1月19日から2月28日まで、千葉県で行われている工事現場で実施されました。
3社の役割
実証試験では、各社がそれぞれの得意な技術を提供しました。
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住友重機械: 施工管理システムからの指示に従い、自分で移動したり土を掘ったり積み込んだりする「自律ショベル」を提供しました。
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住友建機: 自律ショベルのベースとなる、ICT(情報通信技術)を使った油圧ショベル(SH200Z)を提供しました。
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フジタ: 各建設機械(自律クローラダンプ、自律ショベル)に作業を指示する「施工管理システム」の開発と、周囲の状況に応じて指定された場所へ走り、土を捨てる「自律クローラダンプ」を提供しました。

実証実験の流れと技術的な特徴
実証実験では、施工管理システムを中心に、自律ショベルと自律クローラダンプに様々な指示が送られました。クローラダンプは周囲の障害物を避けながら走り、ショベルが土砂を積み込みやすい位置に停まります。自律ショベルは、地面やダンプの荷台の土の形をリアルタイムで認識し、土を掘ってダンプに積み込む作業を連続して行いました。積み込みが終わると、ダンプは再び障害物を避けながら走り、指定された場所で土を捨てます。
このシステムには、以下のような技術的な特徴があります。
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ショベルが作業の進み具合に合わせて自分で動き、最適な掘削場所をリアルタイムで判断し、ダンプに連続して土を積み込むことができます。
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ショベルの動きは、人の操作を学んだAI(人工知能)によって、まるで人が操作しているかのような滑らかな速さで動きます。
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緊急停止や、通信が途切れた時に安全な動きをするなど、様々な安全機能が備わっています。
実証結果と今後の展望
今回の実証試験では、施工管理システムの指示に基づいて、異なる建設機械が協力し、土砂の積み込みと運搬という一連の作業を最後まで安全にやり遂げられることが確認されました。その結果、掘削から排土までの作業に必要な人数を2人から1人に減らせる見込みです。今後、協力できる建設機械の数が増えれば、さらに多くの人手を削減できる可能性があります。
また、クローラダンプの荷台の位置を正確に検知し、車体にぶつかることなくスムーズに土砂を積み込むことができました。
今回の検証によって、自動化を想定した現場での土砂運搬自動化が実用的であることが評価されました。今後は、さらに安全性、信頼性、保守のしやすさを高め、実際の現場で本格的に導入できるよう開発を加速していく予定です。住友重機械、住友建機、フジタは、ICT(情報通信技術)、自動化、ロボット技術を活用し、建設現場の省力化・省人化、生産性の向上、そして安全で持続可能な社会の実現に貢献していきます。
注釈
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※1:用語の定義:「自律」とは、機械が自分で考えて動作すること(機械学習などによって最適な動作を行うこと)を意味します。
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※2:国土交通省ウェブサイト. 「報道発表資料:「i-Construction 2.0」を策定しました~建設現場のオートメーション化による生産性向上(省人化)~」. 国土交通省.
https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_001085.html -
※3:佐野裕介ら. 「自律ショベルの開発」. 住友重機械技報. 2025. 217. 15-18.
https://www.shi.co.jp/tech/tech_report/pdf/217.pdf -
※4:スマートインフラマネジメントシステムの構築 サブ課題A:革新的な建設生産プロセスの構築 研究開発テーマ(a-1)「建設生産プロセス全体の最適化を実現する自動施工技術の開発」
https://sip-icas-project.org/


