安藤ハザマとコベルコ建機、トンネル現場での「あたり取り作業」自動化技術を実証
安藤ハザマとコベルコ建機株式会社は、山岳トンネル工事における「あたり取り作業」を自動で行う技術を開発し、施工中のトンネル現場でその効果を確かめる実証実験を実施しました。
建設業界では、少ない人数で作業を進め、なおかつ安全性を高める技術が求められています。特に山岳トンネル工事では、掘り進めた後に設計よりも出っ張ってしまった岩盤(これを「あたり」と呼びます)を、重機(ブレーカーショベル)を使って削り取る「あたり取り作業」が必要です。この作業は、掘削したばかりの不安定な場所で、作業員が目視で確認しながら行うため、岩が落ちてくる危険(肌落ち災害)がありました。
開発の背景
従来のあたり取り作業では、重機のオペレーターと作業員の2名が、掘削直後の危険な切羽(トンネルの掘削面)近くで作業内容を確認する必要がありました。このため、肌落ち災害のリスクが大きな問題となっていました。

このような危険を減らすため、安藤ハザマは2024年に、トンネルの切羽にある出っ張った岩盤(あたり)をリアルタイムで正確に把握できる「あたり検知システム」を開発しました。このシステムにより、作業員は危険な場所から離れて確認作業ができるようになり、安全性が向上しました。さらに安全性を高めるため、コベルコ建機が開発を進めている「自動運転システム」と連携させ、あたり取り作業を完全に自動化する技術の開発が進められてきました。
本技術の概要
今回開発された技術は、「自動運転システム」を搭載したブレーカーショベル(岩盤を砕くための工具「チゼル先端」が付いた油圧ショベル)に、「あたり検知システム」を組み合わせて連携させることで、あたり取り作業を自動で行うものです。
「あたり検知システム」が、ブレーカーショベルの正確な位置や姿勢、そして削り取るべき「あたり」の場所などの情報を取得します。この情報が「自動運転システム」に送られると、あたりを効率的に削るための最適なアームやブームの動きが自動で計算されます。その後、作業開始の指示を出すと、ショベルは決められた順路で岩盤を砕く動作を自動で実行します。この自動運転では、ショベルが移動することはありません。同じ場所に留まりながら、旋回やアーム、ブーム、そして先端の工具を制御することで、あたり取り作業を自動化します。

トンネル現場での実証実験
この技術が実際の現場でどれだけ使えるか、安定して動くかを確かめるため、工事中の山岳トンネル現場で実証実験が行われました。実験では、これまで難しかった岩盤の「あたり」を自動で検知し、自動運転システムを搭載したブレーカーショベルがその「あたり」を削り取るまでの一連の動作が確認されました。
「あたり検知システム」と「自動運転システム」を連携させ、切羽の前に配置された無人のブレーカーショベルに対し、離れた場所からタブレットを使って自動運転の指示を出しました。一つ一つの動作を細かく確認した結果、岩盤を打撃する動作に関する課題が見つかり、今後の改良に向けた具体的な検討項目を洗い出すことができました。また、トンネルという限られた空間の中で、自動で動くブレーカーショベルがトンネルの壁に触れることなく、「あたり」の箇所に正確に工具の先端(チゼル先端)を誘導できることも確認されました。


今後の展開について
今回の実証実験により、「あたり取り作業」を無人で行うための重要な成果が得られました。安藤ハザマとコベルコ建機は、この成果をもとに、さらに技術の検証を重ねていく予定です。今後は、遠隔操作の技術も組み合わせた自動施工技術を開発し、あたり取り作業の安全性を一層高めることを目指し、両社は引き続き協力して開発を進めていきます。

関連情報
安藤ハザマは、本技術に関連する過去のリリースも公開しています。


