ハードウェア・環境 wpmaster 2025年12月4日 0 コメント

OrbbecとAdvantech、国際ロボット展iREX 2025でNVIDIA Jetson Thor搭載の物理AI基盤を初披露

ロボティクスとAIビジョンの分野で知られるOrbbecと、エッジコンピューティングのグローバルリーダーであるAdvantechは、2025年12月4日、東京で開催される国際ロボット展（iREX 2025）において、共同開発したプラットフォームを初めて公開しました。このプラットフォームは、NVIDIA Jetson Thorを搭載しており、ヒューマノイドロボット向けの物理AI基盤として注目されています。

世界最大級のロボット展で共同出展

iREX 2025は、世界最大級のロボット展示会であり、両社にとって初めての共同出展となります。この協力は、日本のロボティクスおよび自動化産業に対し、AIビジョンとコンピューティングを一体化したシステムを提供するための戦略的なものです。

展示ブースW3-49では、AdvantechのMIC-742-ATとNVIDIA Jetson Thorによって動くヒューマノイドロボットのプラットフォームが紹介されます。このロボットには、OrbbecのGemini 330 シリーズ3Dカメラが組み込まれています。

高度なAI性能とリアルタイム処理

NVIDIA Jetson T5000モジュールが搭載されており、2,070 TFLOPSという高いAI演算性能を発揮します。これにより、ロボットは大規模なトランスフォーマーモデルや、視覚・言語・行動に関するモデルをリアルタイムで実行できるようになります。Orbbecの奥行きを感知する技術と組み合わせることで、現実世界での物理的な知能を実現します。

iREX 2025のテーマである「ロボティクスによる持続可能な社会」のもと、この共同開発は、倉庫での物流、協力して行う製造、人間とロボットの関わり合いといった複雑な状況に対応できる、複数のカメラを同時に使うシステムを可能にします。

各社の取り組み

OrbbecのAPAC地域マネージングディレクターである鄭亞飛氏は、Advantechとの協力により、安定した品質と信頼性の高い供給が可能な量産向けソリューションを提供できるようになったと述べています。Orbbecの実績あるOEM/ODM能力とグローバルな供給網により、試作から量産までスムーズに進められるとしています。

Advantechのアソシエイト・バイスプレジデントであるMagic Pao氏は、強力なエッジコンピューティングとNVIDIAの技術を通じて、フィジカルAIの時代を切り開くことに力を入れていると述べています。Orbbecのようなビジョン技術を持つパートナーと共に、知覚、推論、行動をスムーズにつなぐ次世代のロボティクスとインテリジェントシステムを実現しているとのことです。

Advantechのその他の展示

Advantechは、産業グレードのNVIDIA IGX Thorによって性能が向上したMIC-735も発表しています。これは、リアルタイムでのロボット制御や安全が求められるアプリケーション向けに、予測可能なAIコンピューティングを可能にします。また、AMR DevKitやSKY-602E3 GPUサーバーとともに、現実世界の認識と仮想シミュレーション、AI推論をスムーズに連携させる全体的なシステムを紹介しています。さらに、GPUの力を借りてSLAMに対応し、リアルタイムAI推論を実現するロボット制御システムAFE-A702も提供し、高度なAMR（自律移動ロボット）や次世代ロボティクスの実現に貢献します。

Orbbecの最新3Dビジョン技術

Orbbecは、最新の3Dビジョン技術を披露しています。展示では、同社のGemini 435Leステレオカメラと他の主要な国際モデルとの比較デモンストレーションに加え、新製品のPulsar ME450マルチパターンLiDARも紹介されています。このLiDARは、高速な障害物回避から高密度な3Dマッピングまで、スキャンモードをスムーズに切り替えることができ、先進的な認識技術とエッジコンピューティングがどのように組み合わされて次世代ロボティクスを支えているかを示しています。