DataLabs株式会社が「東京都ベンチャー技術大賞」特別賞を受賞 – 3次元点群データ技術で建設・インフラDXに貢献

DataLabs株式会社は、令和7年度「東京都ベンチャー技術大賞」において特別賞を受賞しました。同社が提供する「3次元点群データの自動モデル化技術」が、建設業やインフラ管理のデジタル変革(DX)と生産性向上に大きく貢献している点が評価されました。

東京都ベンチャー技術大賞は、東京都が革新的な技術や製品を持つ中小企業やスタートアップを表彰する制度です。技術の独創性や完成度だけでなく、市場での可能性、成長性、そして都民生活や産業の発展への貢献度などが総合的に評価されます。

東京都ベンチャー技術大賞 特別賞の授賞式の様子

受賞技術と主なサービス

DataLabs株式会社が受賞した「3次元点群データの自動モデル化技術」は、レーザースキャンなどで取得した大量の点データから、建物の形や構造を自動でデジタルモデルとして作り出すことができる技術です。この技術を基盤として、以下のクラウド型システムを展開しています。

Modely(モデリー)

iPad一台で配筋検査の撮影から自動判定、帳票作成までを行えるクラウド型システムです。これにより、従来2〜3名で90〜180分かかっていた検査を、1名で60分以下に短縮できます(最大で約8割の削減効果が見込まれます)。

Modelyは、国土交通省が進めるデジタル検査で業界初の正式認定を受け、NETISでも高い評価の技術として採択されています。

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Modelyソフトウェアの画面。タブレットで3D点群データによる鉄筋検査が行われている。

Hatsuly(ハツリー)

橋やトンネルなどのインフラ補修工事において、出来形管理を効率化するクラウド型システムです。従来の900分かかっていた作業を大幅に効率化し、履歴情報を時系列で整理できるため、自治体やインフラ企業での導入が進んでいます。

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Hatsulyアプリの画面。3D点群データ上に寸法や面積の測定結果が表示されている。

Markly(マークリー)

3Dデータを使って、インフラの点検・調査や補修工事全般において、現地での調査後に必要となる図面、数量計算書、竣工図などの作成作業を効率化するシステムです。

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Marklyアプリの画面。コンクリート構造物の3Dスキャンデータにデジタル計測値が重ねて表示されている。

導入実績と今後の展望

Modelyはリリースから約2年で250件以上の建設現場で利用されており、アジアを中心とした海外展開も進められています。Hatsulyも、DataLabs株式会社の「3D InfraLoop構想」の一環として、公共工事から民間企業まで幅広く採用され、リリースから2年で90件以上の施工現場に導入されています。

DataLabs株式会社の代表取締役である田尻大介氏は、「建設業界は日本の社会基盤を支える重要な分野であり、3Dデータの力でその働き方やインフラ維持管理のあり方を変えていく挑戦を進めている。今回の受賞を励みに、行政機関や企業の皆様とともに、より良い社会インフラの未来を築いていきたい」とコメントしています。

今後の展開としては、ModelyとHatsulyをつなぎ、インフラの3Dデジタル管理を実現する基盤づくりや、国土交通省・東京都と連携したデジタルツインの標準化、さらにアジア・欧州での展開強化などが挙げられます。また、これらの技術開発を支えるエンジニア、BizDev、セールスなどの人材採用も強化していく方針です。

DataLabs株式会社について

DataLabs株式会社は、「3次元データで建設業を変革する」というミッションを掲げ、あらゆる建設業務を効率化するクラウドシステムを提供しているスタートアップ企業です。3次元配筋検査システム「Modely」や、3Dインフラ補修工検査システム「Hatsuly」、3Dインフラ点検システム「Markly」を含む「3D InfraLoop」などを開発・提供しています。

DataLabs株式会社のウェブサイト

会社概要

  • 社名: DataLabs株式会社

  • 所在地: 東京都中央区日本橋小舟町8-6

  • 設立: 2020年7月

  • 代表: 代表取締役 田尻 大介

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